王太子殿下、私の人生にあなたは必要ありません

ララ

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5話

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今回の卒業パーティーでは殿下からドレスが送られて来なかった。

わかりきっていたこと。

でも少しの悲しみと怒りが湧いてくる。

よくもここまで弄んでくれたわね。

あんなクズ王子こっちから願い下げよ!!

ああ!!別れられると思うと清々するわ!!

今までの思い全部言ってやるんだから!!

決意を胸に卒業パーティーへ向かう。

案の定殿下はエスコートすらなく私はまたもや1人で会場に入ることに。

嫌味や憎悪の視線、心無い噂も聞こえてくるけれど今の私は何を言われてもされても揺るがない。

もう関わることはなくなる人たち。

前を向いて、堂々と歩く。

優雅に、誰よりも美しく。

「王太子殿下の入場です!!」

開いた扉から入ってきたのは王太子だけでなく、ヒロインと一緒だった。

長く伸びたローズピンクの髪を結って殿下とお揃いだと一目でわかるドレスを纏っている。

殿下と手を組んでエスコートされて‥‥。

ここまではよくある光景。

けれどここからは‥‥。

ダンスが始まる。

いつもならば殿下はファーストダンスは必ず私と踊っていた。

けれど殿下が手を取ったのはヒロインだった。

会場がざわつく。

今までとは違う。

そう感じたものは多かった。

一曲目が終わり、殿下がヒロインと手を組んだまま近づいてくる。

「この場を借りて言いたいことがある!!私は真実の愛に目覚めたのだ!!レイチェル嬢には申し訳ないが私はアマンダを正妻に迎えることにした!!」

アマンダって誰かしら?

ああ、殿下の隣で頬を染めているヒロインのことね。

「殿下‥‥。どう言うことです?そんなことが許されるとでも?」

「レイチェル‥‥。ああ、心配しなくてもいいぞ。お前は側妃として迎えてやろう。アマンダは王宮のことをよくわかっていないのでな。支えてやってくれ。」

「ふざけないでください!!」

「ん?不満か?ならお前の願いを叶えてやろう。何がいい?不可能なことでなければなんでもいいぞ。」

「では一つお願いがありますわ。」

「言ってみろ。」

「私から貴族席を剥奪してください。そして私への今後の干渉を一切やめていただきたい。」

「はっ、何を言っている?貴族席の剥奪など‥‥。平民になりたいと言うのか?」

「ええ、そうですわ!!なんでも願いを叶えてくださるのでしょう?」

「まあ確かにそう言ったが‥‥。いやしかしーー。」

「あら?皆様もお聞きになりましたよね?殿下は私の望みを叶えてくださると。」

周りで見守っていた貴族たちは私がそう問いかけるとここぞとばかりに賛同してくる。

誰も彼もが野心を持ち、今後の計画を練っているのだ。

私は彼らに取って邪魔でしかない。

私が自ら退場すると言っているだなんてこんな好機は二度と訪れないだろう。

「まあいいだろう。しかしなぜお前が‥‥。私が好きだったのではないのか?」

周りからの圧力もあり殿下は私の願いを叶えざる終えなかった。

「ここからは私の本心を飾りなく申し上げます。不敬だとしても見逃してもらえますか?」

「ああ、いいだろう。」

「殿下が好きでした。私に取って地獄から助け出してくれた恩人であるあなたに恋をしていました。」

「やはりな。意地を張ってないで側妃になればいいのだ。お前は私がいなければダメなのだから。」

「話は最後まで聞いてください?好きだったのでは昔の話です。誰が婚約者をほったらかして遊び呆けているあなたに愛想を尽かさないで思い続けましょうか?何度も煮湯を飲まされあまつさえ側妃になど‥‥。私を弄び愚弄するのもいい加減になさいませ!!あなたはクズです。はっきり申し上げて。救い出してくれたことへの恩はありますがそれ以上に私への仕打ちが酷すぎて百年の恋も冷めてしまいましたわ。それにご自身の言動がどれほど酷いものかもわかっていないなんて‥‥。呆れ果てて言葉も出ません。」

「なっ‥‥。お前には俺が必要なのだろう?なぜそんな‥‥。」

「ここまで行ってもご理解いただけないのならはっきりと申し上げますわ!!王太子殿下、私の人生にあなたは必要ありません。では私はこれにて失礼させていただきます。どうかパーティーを楽しんでください。」

心のうちを全て曝け出して清々しい表情で出ていくレイチェルと呆然としたまま動けない王太子。

王太子が正気に戻った頃には全てが終わっていてレイチェルはこの国をさっていた。

レイチェルはパーティー会場を出るとそのまま家に寄ることもなく隣国へと旅立っていった。

隣国では薬草やポーション作りの知識を活かして活躍し、お忍びでやってくるレオナルド殿下と仲を深め、やがて2人は結婚を果たす。

結婚式は盛大に行われ、かつての婚約者であった王太子とアマンダも招待された。

そこで王太子が見たのは誰よりも幸せそうな顔で笑い、大勢から祝福を受ける美しいかつての婚約者の姿だった。
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