死神に呪われし少女

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夏休み

翔とのデート

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 翔の水着を買いに少し遠くのショッピングモールに行った。いつものところでもいいけど水着を買いにあの日も行って事故にあった。だから何か起こりそうで怖い。だから今日はいつもの店にはいかないようにする。
 暑い中私は長袖を着ている。腕の傷を隠すためには暑くても我慢するしかないから。

 私たちはさっそく水着売り場に足を運んだ。
「どの水着がいい?」
「翔が決めていいよ」
「いやお前が決めろって。だってほらあの日だって」
 あの日?まさか
「思い出したの?」
 翔は私との思い出をすべてなくしている。それもみんなで行っても私のかかわったところだけがない。いわば思い出というパズルの私が移るピースだけ空いてしまったって感じ。だからあの日と聞いて翔の水着を私が選んだのを思い出したのだと思っている。
「悪い流石に覚えてない。だけど、あの日、あいつらがペアで俺が誰かと組んで水着を選んだ気がしてな」
 思い出したというよりは考察に近いのかな。私と何かした記憶ではなく大翔くんと六花が二人で水着を選んでたから自分にも誰かペアがいた。そう考えると記憶がないとわかっている私という考えになってくる。
「正解。私が翔のを選んだの」
(それでお前が兄を殺した)
 死神がじゃない。そして近くから聞こえる。そして鏡があるつまりそこにいる。この光景はあの時と同じつまり、
「翔こっち」
 私は鏡が視界に入らないところに行った。そうすれば入れ替わろうとすることもできない。
(少しは学習したようだな)
 鏡からいなくなれば脳内に語り掛けてくるほんと邪魔。
「翔これどう?」
 鏡の近くに行かせないためにも逃げた先にあった水着に目を向けた。
「これか?」
 私が手に取った水着はたこが書いてるかわいらしい奴だった。
「これなわかった」
 翔は何もためらいもなく私の選んだ水着にしてくれた。どう思ってくれているかはわからないけど多分、あの日の再現のためにも私の選んだのを買おうと決めてくれてたんだよね。

 水着を買った後、昼食を食べいろんな店を回ることにした。
「一年で知らん奴いるな―」
 翔はCDコーナーでここ一年ではやったアーティストを見て驚いてた。私もそんなに詳しくしらないからどのアーティストがどんな歌を歌ったのかまでわからない。
「すげーな一年の差って」
「私も全然わからないことだらけだよ」
「だろうな。お前、俺が生きていた時も疎かったもんな。つい言ってしまったがそんな記憶ねーな」
 私がトレンドに疎いのは事実。六花に勧められないとわからないくらいに。だから私が好きになったときには違うブームになってたりもした。

「なるほど。もう始まりだしたか」
 さっきまでいなかった死神が急に現れた。それに指パッチンと同時に時が止まった。
「どういうことなの?」
「あいつが来た理由すこしずつだが、達成され始めている。報酬はお前との記憶。全ての記憶が戻ればすべてが達成された。まだ記憶としてははっきりしていないし、まだほんの少しだけだ」
 記憶が少しずつ戻る。だから最近翔に近くなってきたのか。私の記憶が翔の姿を元に戻してくれる。達成されたことはわからないけどいい方向に向かってるんだなー。
「お前海に行くんだってな」
「行くけど」
「あそこは我が立ち入れない数少ない場所だ。気をつけろ」
 海に行けない。あっ!死神の弱点塩か。つまり潮風に弱いから近寄りたくない。っとなると海にいけばあっちの私が行動をしてくるはず。つまりあのさよならは私に向けたものなのか。それを行く前に知れてよかった。これなら事前に警戒できる。
「わかった気を付けるなんで教えたの?あなたは私の不幸を見て楽しむタイプなのに」
「単純な話だ。我が見れないところで何かあることが嫌なだけだ。それにあいつに左右されるのは気に食わないんでな。じゃーな。」
 
 死神の指パッチンと同時にまた時間が動いた。何の話してたんだっけな。
 そうだ。トレンドうんぬんいってたんだ。
「少しずつだけど思い出してきたんじゃない?」
「そうなのかもな」
 少し疲れてきたなー。でも、もう少し、デートしたいし。
「奈々はもう疲れたっぽいしそろそろ帰るか」
 翔もそう言ってるし、帰ったほうがいいのかな。でも、まだ二人で楽しみたいって気持ちもある。
「わかった」
 少し残念だけど、帰り道も遠いことだし帰ることにした。

 海に行く準備できたしあとは海に行くだけ。楽しみだけど死神やもう一人の私の言動が少し心配なんだよな
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