死神に呪われし少女

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夏休み

海に行くための説得

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 私は六花と大和君を呼んだ。理由は海に一緒に行こうという提案をするため。二人ならすぐに納得してくれる思ったんだけど、
「え、やだ」
 あっけなく六花に拒否された。
「いいじゃん。ほら去年だって」
「翔はどう思うの?」
「奈々がいいなら行ってもいいかな」
 翔はなんとか了承してくれているみたい。だけど、説得するのは私一人でやれてといわれた。
「大和は?」
「どっちでもいい。行くなら付き合うし。だが、行く理由がわからない。たしかに去年行けなかったからという理由は奈々らしいがリスクのほうが多い。奈々ならそのリスクを考えてまだ行こうとしないはず」
 大和君にごもっとうのこといわれた。だけど、今年行かないと。翔がいなくなる前に。
「リスクとかさ考えたらあぶないけど、去年みんなに迷惑かけてるし」
「そうなんだ。なら私は行かない。みんなが行きたいなら勝手にどうぞ」
 そんななんで六花こんなに乗り気じゃないの?
「六花も」
「もう帰っていい?」
「六花!!」
 早く説得しないと六花を乗り気にする方法。なにかないかな。
「翔」
「六花が乗り気でないなら。行かないことにするか」
 翔も奈々に賛同している。なんで昨日まであんなに乗り気でいてくれたのに水着も買って。
「わりーな奈々。二人が行かないなら俺もパスだ」
 大和君まで。
「私はもう帰るね。奈々。なんで私が断ったかちゃんと考えて。それに気づけなかったら私は海にはいかない」
 奈々が断った理由。それを見つけないと。せっかく翔がもそろってあの日海の約束したメンバーがそろった。それだけで行ってくれてもいいのに。
(変わってやってもいいよ)
 まずい。気持ちを強く持たないと。このままでは去年みたにまた六花にひどいことをいいそう。
「わかった、かん、が、える」
「じゃーね」
 六花はいなくなった。なんとか抑えることができた。
(っち。)
「翔と大和君もどこか行ってくれる?少し一人で考えたい」
「わかった。だけど、なにかあったら呼べよ」
「うん」
 二人もいなくなってもらった。これであいつに人格が入れ替わったとしても被害の出る人はいない。
 まずは私が何か悪いことをしたのか考えてみよう。六花はまだ、去年の病院であったことを根に持っている。もしそうなら遊びにすらいってくれなそう。ならいったい六花は何に怒っているんだろう。去年ほかに何かあったかな。
そもそも六花は海が好きでない。でももしそうなるなら六花は去年の時点で行かないって言ってるはず。翔が来た時嬉しそうだったし翔が原因でもなさそうだな。やっぱり私のせいか。わからない。だけど、早く考えないと。翔のためにも。
 でもその答えがまったくわからない。だから六花に電話かけた。
「なに」
 まだ怒ってる様子だ。
「考えたんだけどやっぱりわからない。私が悪いのは分かるけどなんでか教えてほしい」
「本当にわからないの?」
「わからない」
「なら私を説得するのはあきらめて」
「なんで!!」
 ついかっとなってしまった。
「奈々さ。なんで海に行きたいの?」
 またこの質問だ。多分これの答え方が悪かったんだ。
「だってさ。去年」
「ほんとに気づいてないんだ」
 去年その一言でもう間違っている。
「な、何がいけないの!!私のせいで、みんなの楽しみをぶち壊した。だったらどんなに無理をしたとしてもそれをかなえるのが友達でしょ!!だから私は」
「このままじゃ多分奈々はずっと気づかない。だから教えてあげたほうがいいのかもしれない。だけど、それじゃダメなんだよ。ちゃんと考えてみて」
「だったらもういいよ!!六花のことは誘わない!!」
 そのまま電話を切ってしまった。バカだ。やっぱり無理だったんだ。翔がきて、元に戻ると思った。でも、もうあの日の関係にはできないんだ。
(あーあー。せっかくの友達が)
 やっぱり友達なんていない。私も信じれない。信じれるのは家族だけ。私はみんなの関係を壊してしまう。翔がいる。それだけで、外に出る勇気がでた。でも、もう無理なんだ。

 私はテーブルの上に一枚紙を置いた。そこに書いたのは

 私はやっぱり無理だった。だからまた部屋にこもる。でも、前みたいに部屋に入るなとは言わない。翔とお母さんお父さんは自由に入ってきていいよ。入ってきていいからそっとしておいて。
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