死神に呪われし少女

詩音

文字の大きさ
15 / 15
夏休み

孤独ほど最高な者はない

しおりを挟む
 翔を理由に外の生活に慣れようとしてきた。けど、やはり私は外の世界に行くべき存在でないことに気づいた。誰かを傷付けるくらいならずっと部屋にいたほうがいい。どう頑張っても制御することはできないんだから。
(暇だから変わって)
 心の中に生きるもう一人の私は話しかけてくる。しかし、私が部屋にいる間は入れ替わることができない。なぜなら私の部屋にある鏡は全部押入れにしまった。鏡以外に反射するものはあるけど、はっきり移っていない以上乗り移ることはできないらしい。
(鏡出せばすぐだからさ。少しくらい)
 私は全てを無視した。
(つまんな)
 こいつは短期だ。だからガン無視してれば自然と消えていく。

「奈々。六花も悪いことしたっていってるぞ。しっかり話さないか?」
「六花は関係ない。私はもう迷惑をかけるわけにはいかないから」
 きっかけはまた六花だったけど今回も私のせいで自ら選んだ。これは六花がきっかけでなくてもいづれわかること。
「でてこいって」
「いやだ」
 翔は入ってきていいといっているが入っては来ない。外でずっと行ってくるだけ。こっちからしたらそれのほうがいい。
「わかった」
 階段の音がしたし翔がいなくなったのがわかる。
 いること自体はいいんだけど、正直暇だ。前まで何してたんだっけな。何もしてないのわかっているがなぜか考えてしまう。
 とりあえずパソコンを開いた。そこで一年間書いていた私の気持ちがつづられていた。あの時はまだもう一人の私の存在を知らなかったからただ辛い思いをしていたんだったな。

 今日死のうと思った。それで、首をつってみた。でもきれいに縄がほどけてしまった。 

 死のうと思った。そんなこともあったんだ。つい先日の出来事なのにもう忘れていた。

 正月。いつもなら翔と大翔君、それに奈々とも一緒だった。奈々と大翔君は一緒なのかな?六花は
 
 正月か。今回の正月は部屋でお雑煮を食べた。お母さんがせっかく作ってくれたから食べた。

 バレンタイン。特に何もない
 
 バレンタインは何も書けなかった。でも、思い出があった。翔のためにいつも作っていたから。というかしっかり描いてた気がしたけどすごく適当だったんだな私。

「ねぇ。奈々」
 六花の声がした。
「何?」
「ごめん。奈々は悩んでわからなくて」
「もういいよ」
「え?」
「別に六花のせいでもないから。六花も私のこと考えなくていいよ」
「でも海行きたいって」
「行きたい。けど、誰かを気づ付けてまで行く必要はない」
 六花の言いたいことは大体わかっている。仲直りそのために話してるのでもない。ただ、なぜことわったのか伝えたいんだろうな。だから、その話に持っていなかせないようにした。だって、それを聞いてしまったら自分をもっと追い詰めてしまいそうだから。
「私の気持ち聞いてくれない?」
「聞く必要がない。さっさといなくなって」
「あの日。私は奈々に嫌われたと思っていなくなった。でも、私を守るためだったんだよね。だったら今回は奈々を守りたい」
「…」
 これ以上六花にひどいことを言うのはつらいだから黙り込んでしまった。
「聞いてくれなくてもいいから私は話すよ」
「勝手にどうぞ」
「私ね。奈々が外にでて再会できたときうれしかった。また奈々と仲良くできると思った。でも、奈々は誰かのための行動をするくせに」
「だまって!!」
「聞かなければいいでしょ」
 今の誰かのために行動。それだけですべてわかってしまった。でも、それを否定するためにも言わせるわけにはいかない。
「それで」
「!!」
 とっさの判断で扉を開けたそして、六花の首を絞めた。
「黙れ!!」
「あなたは!」
「黙れといってるの!!」
「逃げたらなにもはじまらないよ。だから」
「黙れ!!」
 どんどん力が入ってしまっている。

「っちょやめろ!!」
 翔が来てしまった。
「邪魔するな!!。六花が悪いんだ!」
「奈々。逃げたらだめだよ」
「うるさい!!」
 六花が私の手を外そうと握っているての力が抜けているのを感じた。
「奈々!!」
 でもこれを話したらあの続きを聞くことになるそれはやだ。
「いい加減にしろ!!」

 !!バン!!
 
 結構強めで翔が殴った。
「翔は六花の味方だったんだ」
「そうじゃないだろ!!あんなことしてみて見ぬ振りができるわけねーだろ!!」
「そんな怒らなくていいよ」
「あんたがそれを言うな!!」
 奈々に気を使われていることに腹が立った。もとはといえば六花が言おうとしたせいだったというのに。
「奈々さ。その死神だっけ。そのせいでおかしくなってるのはわかるけどさ。それのせいにして逃げるのもうやめな」
「わかった。だったら六花も。私という呪いから解放して。私もう限界。間違ったことを突き付けられると自分が嫌いになるの。だからさ。もう何も言わないで。全部私が悪い」
 なんとか抑えている。そして気持ちをぶつけた。
「奈々」
「話はこれで終わり。これ以上怒らせると制御できなくなるから。それと、今後何か言いたいことがあったら翔もつれてきて。次同じこと起ったら抑えられないと思うから」
 そう言い部屋に戻った。

「お前も変わったな」
 死神の声だ。
「別に。それより私って」
「そうだな。お前は我やお前の心二つを理由にしている。そして、お前と心のお前が融合し始めている。そのせいでお前は怒りが爆発したからあの行動をとった」
「抑える方法は?」
「そんなこと我は知らん。もとより、お前ほどしぶとい人間にとりついたことがないからな」
「わかった」
 っまもういいか。知ろうが知るまいが。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

処理中です...