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「あなた達ちょっとタイミングが悪かったわね」
「どういうことですか?」
「これをみて」
そう言って渡されたのは新聞の切り抜き
「あなた達がエーテル王国に行くって言うからいくつか新聞を取り寄せてみたの」
どうやらこれはエーテル王国の新聞のようだ。
「死者続出により、冒険者ギルドランクB以下立ち入り禁止…!?」
「そう、だからあなた達は失せ物の塔には入れないの」
その新聞は一週間ほど前のもの
かなりタイミングが悪い
ユツキもルイスも冒険者ギルドには所属していない
つまり塔には入れない
「そんな…」
「ガッカリする必要は無いわ!道中まだまだ長いんだから、ランクを上げればいいだけよ。ユツキは魔法がとっても得意でしょ?」
スイレンがユツキの頭を撫でる
「はい、殿下が戻ってきたら早速ギルド登録してきますね」
「その意気よ!今日はご馳走を用意するから楽しみにしてて」
「え、姉様がお作りになるので…?」
「もっちろん!腕によりをかけて作るわ!」
スイレンが喜色満面の中、ユツキが苦笑いをする
スイレンの料理はお世辞にも人間が食べられるものでは無い
料理の工程は見た事がないが見た目はすごく美味しそうなのに中身が最悪だ。
これはどうにか阻止しなければと、ユツキは思考を巡らせる
「外食にしませんか?姉様もお仕事でお疲れでしょう。それに王都をもっと見てみたいです!是非外食で!」
ユツキの説得により今夜は外食になり事なきを得た。
「それにしてもユツキが国境を越えるなんて感慨深いわ…」
「大袈裟ですよ」
「大袈裟なものですか。いままで家の外に出るのも躊躇っていたのにこんな遠くまで来るなんて」
スイレンがしみじみと言う
「全て殿下のおかげです。殿下が、希望を下さったので」
ユツキが恥じらいながら言うとスイレンは何かを察したように頬杖をついた。
「あら、進展があったみたいね」
「な、何もありませんよ!」
ユツキが頬を染めながら言った。
「ただいま」
ルイスが戻ってくるとすぐに新聞の切り抜きを見せ、冒険者ギルドに向かった。
「まさかこんなことになっていたとは…情報収集不足だったな」
「そうですね…」
冒険者ギルドはかなり賑わっており、装備を整えている男女でいっぱいだ。
受付嬢に声をかけギルド登録をする
「かしこまりました。こちらに手を置いてください。」
この石板は手を置くだけで対象者の身体情報や犯罪歴、功績を映し出す
まずはルイスがギルド登録をする
映し出された情報に受付嬢は目を見開く
「し、失礼致しました!!こ、こちらへ!」
ルイスとユツキは奥の部屋へと通され来賓室のソファへと座る
「大変失礼致しました。まさか王子殿下がご来訪とは存じ得ず…私がギルド登録を進めさせていただきますね」
「そうか」
「私はこのギルドのギルドマスター、ギズモ・アルベールと申します。」
「ルイス・キング・マジェステックだ。訳あって身分は隠して旅をしている。このことは内密に頼む」
「もちろんでございます。」
ガッチリ体型の中年男性で白髪混じりの髪を一纏めにしている
「殿下は戦闘能力も功績も身分も申し分がございません。ですので、本来であればFランクからですがCランクからとさせて頂きたいと思っております。」
「そうか、案外簡単だったな」
ルイスは面白みがなさそうな様子
「そちらのお連れ様もギルド登録致しますか?」
「はい、お願い致します。」
ユツキが石板に手を置くと再び情報が映し出される
「これはまた、やんごとないご身分で…そうですね…」
ギズモは少し考え込んだ。
身分は申し分ないが戦闘能力も功績もない
魔力量がずば抜けているだけの少年
殿下のご友人もCランクに上げるべきかそれともFランクからにするか…
「あの、何かお悩みのようですが…私はFランクにもなれそうにありませんか…?」
ユツキがおずおずと聞く
「Fランクからでよろしいのですか…?」
「もちろんです。殿下のように功績も何も持ちえない私が例外になるなどおこがましいです。」
「左様ですか」
「そのようなことをすればギルドの信用問題に関わるでしょう。Fランクから始めさせてください。あ、Fランクもダメでしょうか…?」
ユツキが不安げに聞いた。
「いえ、公子が良いのであればFランクからに致しましょう。」
「はい、よろしくお願い致します。」
ユツキに頭を下げられギズモは少したじろいだ。
「では、俺もFランクからにしよう」
「はい?」
ギズモとユツキの声が重なる
「ユツキがFランクからなら俺もFランクから始める。」
「で、ですが…」
ギズモは困惑する
「せっかくCランクとなったのですから、お言葉に甘えた方が」
「ユツキにばかり大変な思いはさせられない。それに薬草採取なんかもやってみたいしな」
「殿下…」
結局ルイスが折れることはなく両者Fランクからの出発となった。
「どういうことですか?」
「これをみて」
そう言って渡されたのは新聞の切り抜き
「あなた達がエーテル王国に行くって言うからいくつか新聞を取り寄せてみたの」
どうやらこれはエーテル王国の新聞のようだ。
「死者続出により、冒険者ギルドランクB以下立ち入り禁止…!?」
「そう、だからあなた達は失せ物の塔には入れないの」
その新聞は一週間ほど前のもの
かなりタイミングが悪い
ユツキもルイスも冒険者ギルドには所属していない
つまり塔には入れない
「そんな…」
「ガッカリする必要は無いわ!道中まだまだ長いんだから、ランクを上げればいいだけよ。ユツキは魔法がとっても得意でしょ?」
スイレンがユツキの頭を撫でる
「はい、殿下が戻ってきたら早速ギルド登録してきますね」
「その意気よ!今日はご馳走を用意するから楽しみにしてて」
「え、姉様がお作りになるので…?」
「もっちろん!腕によりをかけて作るわ!」
スイレンが喜色満面の中、ユツキが苦笑いをする
スイレンの料理はお世辞にも人間が食べられるものでは無い
料理の工程は見た事がないが見た目はすごく美味しそうなのに中身が最悪だ。
これはどうにか阻止しなければと、ユツキは思考を巡らせる
「外食にしませんか?姉様もお仕事でお疲れでしょう。それに王都をもっと見てみたいです!是非外食で!」
ユツキの説得により今夜は外食になり事なきを得た。
「それにしてもユツキが国境を越えるなんて感慨深いわ…」
「大袈裟ですよ」
「大袈裟なものですか。いままで家の外に出るのも躊躇っていたのにこんな遠くまで来るなんて」
スイレンがしみじみと言う
「全て殿下のおかげです。殿下が、希望を下さったので」
ユツキが恥じらいながら言うとスイレンは何かを察したように頬杖をついた。
「あら、進展があったみたいね」
「な、何もありませんよ!」
ユツキが頬を染めながら言った。
「ただいま」
ルイスが戻ってくるとすぐに新聞の切り抜きを見せ、冒険者ギルドに向かった。
「まさかこんなことになっていたとは…情報収集不足だったな」
「そうですね…」
冒険者ギルドはかなり賑わっており、装備を整えている男女でいっぱいだ。
受付嬢に声をかけギルド登録をする
「かしこまりました。こちらに手を置いてください。」
この石板は手を置くだけで対象者の身体情報や犯罪歴、功績を映し出す
まずはルイスがギルド登録をする
映し出された情報に受付嬢は目を見開く
「し、失礼致しました!!こ、こちらへ!」
ルイスとユツキは奥の部屋へと通され来賓室のソファへと座る
「大変失礼致しました。まさか王子殿下がご来訪とは存じ得ず…私がギルド登録を進めさせていただきますね」
「そうか」
「私はこのギルドのギルドマスター、ギズモ・アルベールと申します。」
「ルイス・キング・マジェステックだ。訳あって身分は隠して旅をしている。このことは内密に頼む」
「もちろんでございます。」
ガッチリ体型の中年男性で白髪混じりの髪を一纏めにしている
「殿下は戦闘能力も功績も身分も申し分がございません。ですので、本来であればFランクからですがCランクからとさせて頂きたいと思っております。」
「そうか、案外簡単だったな」
ルイスは面白みがなさそうな様子
「そちらのお連れ様もギルド登録致しますか?」
「はい、お願い致します。」
ユツキが石板に手を置くと再び情報が映し出される
「これはまた、やんごとないご身分で…そうですね…」
ギズモは少し考え込んだ。
身分は申し分ないが戦闘能力も功績もない
魔力量がずば抜けているだけの少年
殿下のご友人もCランクに上げるべきかそれともFランクからにするか…
「あの、何かお悩みのようですが…私はFランクにもなれそうにありませんか…?」
ユツキがおずおずと聞く
「Fランクからでよろしいのですか…?」
「もちろんです。殿下のように功績も何も持ちえない私が例外になるなどおこがましいです。」
「左様ですか」
「そのようなことをすればギルドの信用問題に関わるでしょう。Fランクから始めさせてください。あ、Fランクもダメでしょうか…?」
ユツキが不安げに聞いた。
「いえ、公子が良いのであればFランクからに致しましょう。」
「はい、よろしくお願い致します。」
ユツキに頭を下げられギズモは少したじろいだ。
「では、俺もFランクからにしよう」
「はい?」
ギズモとユツキの声が重なる
「ユツキがFランクからなら俺もFランクから始める。」
「で、ですが…」
ギズモは困惑する
「せっかくCランクとなったのですから、お言葉に甘えた方が」
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「殿下…」
結局ルイスが折れることはなく両者Fランクからの出発となった。
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