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ユツキをスイレンのお店に送り届けるとすぐに飛び出していきスリを捕まえに行った。
ルイスはギルドまで戻り、張り込みをする
スられたのはギルドから出てすぐだったためギルドで報酬を得た人を狙っての犯行だと考えたためだ。
フードを深く被りギルドの壁に気配を消してよしかかる
「見つかりました?」
突然声をかけられ振り向くとユツキが立っていた。
「な、なんで来たんだよ。スイレンとの食事は!?」
「それは明日の昼に延期です。殿下に守られてばかりは嫌ですから」
ユツキにはっきりと言われ言い返せなくなってしまったルイス
なんとか帰らせようとしたが無理なようだ。
「目星は着いているんですか?」
「あぁ、三人な」
ルイスは視線で3人の人物をピックアップした。
一人は色気丸出しの露出の多い女
鋭い目つきで辺りを見回している
その反対側でハイテーブルに肘をつきなにか企み事でもあるかのようにニヤついている薄紫の髪をした男
もう一人はFランクの依頼のボードの前でずっと立ち尽くしている少年
こちらから表情は見えない
「なにがそんなに怪しいんですか…?」
ユツキが不思議そうに聞く
「まずあの女。ずっと受付を凝視している。報酬を受け取った冒険者を待っているのかもしれない。」
言われてみればそう見えなくもない
「そしてあの男。あいつは出入口を気にする素振りをしている。報酬を受け取りに来る冒険者を待っているのかもしれん」
男が時折扉を気にしているのが見て取れた。
「最後にあの子供。俺達がギルド登録する前からずっといる。いくらなんでも悩みすぎだ。」
少年は依頼を手に取る素振りすら見せない
「怪しいのはそれくらいか…チンピラみたいなのは何人かいるが図体がデカくて一瞬でスりとるなんて芸当不可能だ。」
ルイスが鼻で笑うように言う
「今は動き待ちですか?」
「あぁ」
しばらく見張っていると雪崩込むように冒険者が入ってきた。
どうやらピークタイムに入ったようでギルド内が人でごった返している。
「見えんな」
「人が多くて索敵魔法も使えませんね…」
ユツキがキョロキョロと三人を探す
騒がしい受付、出入りの激しい扉、新しい依頼を探す冒険者達
ユツキは不意にしゃがみこみ目を凝らした。
「足です。女性、子供なら区別がつきやすいです。」
すると子供の足が屈強な男達の間をスルスルと抜けていくのがわかった。
「子供です!」
ルイスは身をかがめて少年の元へと接近する
ギルド横の路地に入ったところでようやく首根っこを捕まえることが出来た。
「ぐぇっ!」
フードを掴まれたと同時に抱えていた袋を取り落とし硬貨がバラバラと落ちてくる
「犯人はお前だったか」
「くそっ!はーなーせー!」
金髪に真っ赤な瞳、小柄な体躯で大きな目でこちらを威嚇してくる
「ユツキから報酬を奪ったのはお前だな」
「はっ!いちいち盗んでるやつの顔なんか覚えてられっかよ!」
少年は酷く威勢がよくルイスに持ち上げられたままあっかんべーをする
「お前みたいなやつ俺様の手にかかれば!…あれ?…あれ?」
少年は身を捩りルイスの手から抜け出そうとするもルイスのパワーが強すぎてビクともしない
「とにかく犯人は捕まえたんだ。ギルドに引き渡して処遇は任せよう」
ルイスはお構い無しにユツキに話しかける
「こ、今回は見逃してくれよ!スリだっていつもやってる訳じゃないんだ!どうしても金が必要でやっただけなんだよ!」
少年が必死に懇願する
「ほう?」
ルイスが眉を顰める
「友達がすっげー重い病気にかかってて、癒術師を呼びたいけど金が全然足りないんだ!Fランク冒険者の報酬なんてたかが知れてるだろ!?」
「ご友人が治ったらもうこんな馬鹿なことはしないんですね?」
「もちろんだよ!」
ユツキに聞かれて大袈裟に頭を縦に振る
「では、ご友人のところまで案内してください」
「は?」
「出来ないのであればギルドに差出します」
「わ、わかったよ…!」
少年はルイスに首根っこを掴まれたまま件の友人の元へと案内をした。
ルイスはギルドまで戻り、張り込みをする
スられたのはギルドから出てすぐだったためギルドで報酬を得た人を狙っての犯行だと考えたためだ。
フードを深く被りギルドの壁に気配を消してよしかかる
「見つかりました?」
突然声をかけられ振り向くとユツキが立っていた。
「な、なんで来たんだよ。スイレンとの食事は!?」
「それは明日の昼に延期です。殿下に守られてばかりは嫌ですから」
ユツキにはっきりと言われ言い返せなくなってしまったルイス
なんとか帰らせようとしたが無理なようだ。
「目星は着いているんですか?」
「あぁ、三人な」
ルイスは視線で3人の人物をピックアップした。
一人は色気丸出しの露出の多い女
鋭い目つきで辺りを見回している
その反対側でハイテーブルに肘をつきなにか企み事でもあるかのようにニヤついている薄紫の髪をした男
もう一人はFランクの依頼のボードの前でずっと立ち尽くしている少年
こちらから表情は見えない
「なにがそんなに怪しいんですか…?」
ユツキが不思議そうに聞く
「まずあの女。ずっと受付を凝視している。報酬を受け取った冒険者を待っているのかもしれない。」
言われてみればそう見えなくもない
「そしてあの男。あいつは出入口を気にする素振りをしている。報酬を受け取りに来る冒険者を待っているのかもしれん」
男が時折扉を気にしているのが見て取れた。
「最後にあの子供。俺達がギルド登録する前からずっといる。いくらなんでも悩みすぎだ。」
少年は依頼を手に取る素振りすら見せない
「怪しいのはそれくらいか…チンピラみたいなのは何人かいるが図体がデカくて一瞬でスりとるなんて芸当不可能だ。」
ルイスが鼻で笑うように言う
「今は動き待ちですか?」
「あぁ」
しばらく見張っていると雪崩込むように冒険者が入ってきた。
どうやらピークタイムに入ったようでギルド内が人でごった返している。
「見えんな」
「人が多くて索敵魔法も使えませんね…」
ユツキがキョロキョロと三人を探す
騒がしい受付、出入りの激しい扉、新しい依頼を探す冒険者達
ユツキは不意にしゃがみこみ目を凝らした。
「足です。女性、子供なら区別がつきやすいです。」
すると子供の足が屈強な男達の間をスルスルと抜けていくのがわかった。
「子供です!」
ルイスは身をかがめて少年の元へと接近する
ギルド横の路地に入ったところでようやく首根っこを捕まえることが出来た。
「ぐぇっ!」
フードを掴まれたと同時に抱えていた袋を取り落とし硬貨がバラバラと落ちてくる
「犯人はお前だったか」
「くそっ!はーなーせー!」
金髪に真っ赤な瞳、小柄な体躯で大きな目でこちらを威嚇してくる
「ユツキから報酬を奪ったのはお前だな」
「はっ!いちいち盗んでるやつの顔なんか覚えてられっかよ!」
少年は酷く威勢がよくルイスに持ち上げられたままあっかんべーをする
「お前みたいなやつ俺様の手にかかれば!…あれ?…あれ?」
少年は身を捩りルイスの手から抜け出そうとするもルイスのパワーが強すぎてビクともしない
「とにかく犯人は捕まえたんだ。ギルドに引き渡して処遇は任せよう」
ルイスはお構い無しにユツキに話しかける
「こ、今回は見逃してくれよ!スリだっていつもやってる訳じゃないんだ!どうしても金が必要でやっただけなんだよ!」
少年が必死に懇願する
「ほう?」
ルイスが眉を顰める
「友達がすっげー重い病気にかかってて、癒術師を呼びたいけど金が全然足りないんだ!Fランク冒険者の報酬なんてたかが知れてるだろ!?」
「ご友人が治ったらもうこんな馬鹿なことはしないんですね?」
「もちろんだよ!」
ユツキに聞かれて大袈裟に頭を縦に振る
「では、ご友人のところまで案内してください」
「は?」
「出来ないのであればギルドに差出します」
「わ、わかったよ…!」
少年はルイスに首根っこを掴まれたまま件の友人の元へと案内をした。
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