39 / 39
番外編
7。収穫祭の夜
しおりを挟む
電車から降りた後、築島は無事学会に間に合い出席した。
途中蛍に、”面倒だ、だるい、つまらない”などとメールしながらも、結局最後まで職務を果たした。
蛍はその間近くの本屋や喫茶店で待っており、メールには毎回”がんばって、あとちょっと”と返し、築島が終わってから一緒に帰宅した。
帰りのタクシーは、渋滞に巻き込まれることなくスムーズに進んだ。
普段なら食事でもしてから帰るが、蛍はこの後、先輩たちとのハロウィンパーティがある。彼女は築島の家に帰ると、先日買ってもらった仮装に着替え、そして築島に車で足立家まで送ってもらった。
ちょっと派手じゃないかな。
そう心配しながらも、浮き足立って玄関に向かう。彼女が呼び鈴を押すと、ガバッとドアが開いた。
「「ハッピーハロウィン!」」
英里香は小悪魔、華は黒猫の仮装をしている。二人とも露出度が高く、蛍とはまた違ったタイプの仮装であったが、彼女たちにはよく似合っていた。
「英里香さんも華さんも、かっこいい~!」
「わー、蛍ちゃん、よく似合ってる!」
「先生ロリっ……もにょもにょ……ぴったりね!」
先生ロリータコンプレックスをこじらせているからぴったりね! というセリフは飲み込まれる。
「ろり?」
「さっそくロリーポップあげるー♡」
「わぁ!」
”美容液っ”
”そうでしたっ”
「入って入って~ 私の家じゃないけど」
「もうみんな集まってるよ」
足立宅は、小沢たちが言っていたように広々としていた。リビングの真ん中には手料理やケータリングが用意されている。南瓜が丸ごとくり抜かれて作られたカボチャプリンに、蛍は目を輝かせた。
「はーい、じゃあみんな集合~ 写真撮るよ」
フランケンシュタインやミイラ男のような定番から、マッドハッターやマクドナルドなどの個性派が揃い、全員で並ぶとさらに見栄えがした。一部の者は写真をインスタに上げ、一部の者は食事を取り始めた。
「そうそう、みなさん~ 例のあれは一部五千円ですから」
「あと今日のわたしは、一見千円で~」
英里香はテスト前に過去問のコピーをあげた見返りに現金を要求し、華は本日胸元と脚をチラ見した者には鑑賞料を取っていた。
「おまえの仮装は、悪魔じゃなくて死神だ」
「元々が小悪魔だっつうの」
「金取るくらいなら、そんな服着るなよっ」
「何言ってるのよ、徴収するために着てきたんだから」
そして蛍は、築島先生をちゃんと連れて行ったことを褒められた。
「偉かったねー」
「えへへ」
一通り写真も撮り終わり、食事も平らげると、あとは普通の大学生の飲み会だ。
「蛍ちゃんは、どんなひとがタイプなの~?」
「うーん、タイプ……なんだろう……」
「じゃあ、男の人のどんなところにドキドキする? 何されたら嬉しい?」
質問されて、蛍は一考する。
「声、とか」
先生に囁かれるの、ドキドキするな。
(できればどんな声が具体的に……)
(俺、低くない? 低いっていいよね?)
(僕は高い気がする……)
(築島先生ってどんな声してたっけ)
「あと膝に乗せてもらえたら、嬉しいな」
先生のお膝に乗るの、好きだな。
(終わった……)
(蛍ちゃん、軽そうだし乗るんじゃね?)
(身長はセーフ。だけどガタイ的にはどうだろ……)
(先生なら、確かに余裕でしょうね)
「それと、ごはんを作ってくれる人が好き!」
甘いフレンチトースト作ってくれる先生、大好き!
(レッツ・クックパッド)
(料理ね、料理)
(あーそういや先生、料理上手だったわ)
(築島先生、餌付けか……!)
精神的に死亡する者若干名、新しいネタを手に入れたと喜ぶ者二名を生み出し、彼らのお酒はさらに進んだ。
* * *
「ただいまぁ!」
ドアを開けると、若干頬を染めた蛍が立っていた。黒いコートをきているから目立たないが、裾からは水色の仮装が覗く。
薄着の築島は、彼女を入れてすぐドアを閉めた。
「おかえり」
「とっても楽しかったよー」
「そうか」
「先輩たちはね、夜の街に繰り出しに行ったの。ハシゴするんだって」
「あいつらはどれだけ飲めば気が済むんだ」
「わたしも誘ってもらったけど、やめておいた」
「正解だな。酔って潰れて、道端で寝るのは嫌だろう」
「うん、いや」
リビングに戻るなり、築島は裾を引かれた。
「ねぇ、先生……」
「なんだ」
一体、足立の家で何があったんだ。
そう危惧するほど真剣で。
「お菓子をくれなきゃ、いらずらをします」
蛍はその表情のまま、ただ単純に菓子を求めた。
「……どうぞ」
「? お菓子をくれなきゃ、」
「だから、どうぞ」
「……おかし、は……?」
「泣くな! あるから泣くな!」
涙ぐまれて、用意していた洋菓子のバスケットを渡してしまった。
「わぁーありがとう!」
彼女は早速リビングに広げ出した。
こいつは食べてきた後じゃないのか。そう思うも蛍は笑顔で、どれから食べようか吟味している。
仕方がない。飲み物でも用意するか。築島はコーヒーと紅茶を一つずつ用意しに行った。
ソファに座ってコーヒーを飲みながら、マドレーヌを頬張る蛍を眺める。
しかし不本意だ。
お菓子をくれなきゃいたずらをしません、なら喜んで出すのだが……
「さっき……何て言ってた?」
「え? お菓子をくれなきゃ、いたずらをしますって」
築島は手を出す。
「僕には?」
「えええっ。だって先生は、お菓子なんて食べないでしょ」
「辛党だからといって、参加資格がないわけではないだろう」
蛍は慌てて探す。周りにはいま先生からもらったお菓子しかない。
そうだと思い出して、カバンから棒付き飴をさっと出す。
「それはさっき玄関先で中西くんからもらったものだろう」
「……」
見られていたか。
「彼女には喜んでいたずらをしない。で、きみからは?」
「……用意してない」
築島は嬉しそうにため息をついた。
「また一つ、大義名分を手に入れてしまった」
彼は立ち上がって、蛍の手を引いた。
「ま、まだ、食べてるし、」
「どうせ散々食べて来たんだろう。今度はこっちの腹を満たしてもらおうじゃないか」
「紅茶、入ったとこだし、」
「終わったら、また入れてやる」
「やぁ、痛いのはいやぁ、」
「そのうち慣れる」
~Trick or Treat~
相手がきみなら、いたずらを取る。
* * *
本編に続き、ここまでお付き合い頂きありがとうございましたm(_ _*)m
10月だったので、ベタにハロウィンネタにしてみました笑
またふと思い付いたら(?)、番外編を書こうと思っています~
ではではその日まで(*´ω`)ノ
途中蛍に、”面倒だ、だるい、つまらない”などとメールしながらも、結局最後まで職務を果たした。
蛍はその間近くの本屋や喫茶店で待っており、メールには毎回”がんばって、あとちょっと”と返し、築島が終わってから一緒に帰宅した。
帰りのタクシーは、渋滞に巻き込まれることなくスムーズに進んだ。
普段なら食事でもしてから帰るが、蛍はこの後、先輩たちとのハロウィンパーティがある。彼女は築島の家に帰ると、先日買ってもらった仮装に着替え、そして築島に車で足立家まで送ってもらった。
ちょっと派手じゃないかな。
そう心配しながらも、浮き足立って玄関に向かう。彼女が呼び鈴を押すと、ガバッとドアが開いた。
「「ハッピーハロウィン!」」
英里香は小悪魔、華は黒猫の仮装をしている。二人とも露出度が高く、蛍とはまた違ったタイプの仮装であったが、彼女たちにはよく似合っていた。
「英里香さんも華さんも、かっこいい~!」
「わー、蛍ちゃん、よく似合ってる!」
「先生ロリっ……もにょもにょ……ぴったりね!」
先生ロリータコンプレックスをこじらせているからぴったりね! というセリフは飲み込まれる。
「ろり?」
「さっそくロリーポップあげるー♡」
「わぁ!」
”美容液っ”
”そうでしたっ”
「入って入って~ 私の家じゃないけど」
「もうみんな集まってるよ」
足立宅は、小沢たちが言っていたように広々としていた。リビングの真ん中には手料理やケータリングが用意されている。南瓜が丸ごとくり抜かれて作られたカボチャプリンに、蛍は目を輝かせた。
「はーい、じゃあみんな集合~ 写真撮るよ」
フランケンシュタインやミイラ男のような定番から、マッドハッターやマクドナルドなどの個性派が揃い、全員で並ぶとさらに見栄えがした。一部の者は写真をインスタに上げ、一部の者は食事を取り始めた。
「そうそう、みなさん~ 例のあれは一部五千円ですから」
「あと今日のわたしは、一見千円で~」
英里香はテスト前に過去問のコピーをあげた見返りに現金を要求し、華は本日胸元と脚をチラ見した者には鑑賞料を取っていた。
「おまえの仮装は、悪魔じゃなくて死神だ」
「元々が小悪魔だっつうの」
「金取るくらいなら、そんな服着るなよっ」
「何言ってるのよ、徴収するために着てきたんだから」
そして蛍は、築島先生をちゃんと連れて行ったことを褒められた。
「偉かったねー」
「えへへ」
一通り写真も撮り終わり、食事も平らげると、あとは普通の大学生の飲み会だ。
「蛍ちゃんは、どんなひとがタイプなの~?」
「うーん、タイプ……なんだろう……」
「じゃあ、男の人のどんなところにドキドキする? 何されたら嬉しい?」
質問されて、蛍は一考する。
「声、とか」
先生に囁かれるの、ドキドキするな。
(できればどんな声が具体的に……)
(俺、低くない? 低いっていいよね?)
(僕は高い気がする……)
(築島先生ってどんな声してたっけ)
「あと膝に乗せてもらえたら、嬉しいな」
先生のお膝に乗るの、好きだな。
(終わった……)
(蛍ちゃん、軽そうだし乗るんじゃね?)
(身長はセーフ。だけどガタイ的にはどうだろ……)
(先生なら、確かに余裕でしょうね)
「それと、ごはんを作ってくれる人が好き!」
甘いフレンチトースト作ってくれる先生、大好き!
(レッツ・クックパッド)
(料理ね、料理)
(あーそういや先生、料理上手だったわ)
(築島先生、餌付けか……!)
精神的に死亡する者若干名、新しいネタを手に入れたと喜ぶ者二名を生み出し、彼らのお酒はさらに進んだ。
* * *
「ただいまぁ!」
ドアを開けると、若干頬を染めた蛍が立っていた。黒いコートをきているから目立たないが、裾からは水色の仮装が覗く。
薄着の築島は、彼女を入れてすぐドアを閉めた。
「おかえり」
「とっても楽しかったよー」
「そうか」
「先輩たちはね、夜の街に繰り出しに行ったの。ハシゴするんだって」
「あいつらはどれだけ飲めば気が済むんだ」
「わたしも誘ってもらったけど、やめておいた」
「正解だな。酔って潰れて、道端で寝るのは嫌だろう」
「うん、いや」
リビングに戻るなり、築島は裾を引かれた。
「ねぇ、先生……」
「なんだ」
一体、足立の家で何があったんだ。
そう危惧するほど真剣で。
「お菓子をくれなきゃ、いらずらをします」
蛍はその表情のまま、ただ単純に菓子を求めた。
「……どうぞ」
「? お菓子をくれなきゃ、」
「だから、どうぞ」
「……おかし、は……?」
「泣くな! あるから泣くな!」
涙ぐまれて、用意していた洋菓子のバスケットを渡してしまった。
「わぁーありがとう!」
彼女は早速リビングに広げ出した。
こいつは食べてきた後じゃないのか。そう思うも蛍は笑顔で、どれから食べようか吟味している。
仕方がない。飲み物でも用意するか。築島はコーヒーと紅茶を一つずつ用意しに行った。
ソファに座ってコーヒーを飲みながら、マドレーヌを頬張る蛍を眺める。
しかし不本意だ。
お菓子をくれなきゃいたずらをしません、なら喜んで出すのだが……
「さっき……何て言ってた?」
「え? お菓子をくれなきゃ、いたずらをしますって」
築島は手を出す。
「僕には?」
「えええっ。だって先生は、お菓子なんて食べないでしょ」
「辛党だからといって、参加資格がないわけではないだろう」
蛍は慌てて探す。周りにはいま先生からもらったお菓子しかない。
そうだと思い出して、カバンから棒付き飴をさっと出す。
「それはさっき玄関先で中西くんからもらったものだろう」
「……」
見られていたか。
「彼女には喜んでいたずらをしない。で、きみからは?」
「……用意してない」
築島は嬉しそうにため息をついた。
「また一つ、大義名分を手に入れてしまった」
彼は立ち上がって、蛍の手を引いた。
「ま、まだ、食べてるし、」
「どうせ散々食べて来たんだろう。今度はこっちの腹を満たしてもらおうじゃないか」
「紅茶、入ったとこだし、」
「終わったら、また入れてやる」
「やぁ、痛いのはいやぁ、」
「そのうち慣れる」
~Trick or Treat~
相手がきみなら、いたずらを取る。
* * *
本編に続き、ここまでお付き合い頂きありがとうございましたm(_ _*)m
10月だったので、ベタにハロウィンネタにしてみました笑
またふと思い付いたら(?)、番外編を書こうと思っています~
ではではその日まで(*´ω`)ノ
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる