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プロフェッショナルベースボーラーれつだん選手の生涯

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 東京ドームでヤクルトスワローズ対ソフトバンクホークスの試合が行われた。ホークスの一軍先発投手であるれつだんがマウンドに立つ。れつだんの表情は緊張している。それもそのはず、れつだんは36歳にしてこれが初の一軍の試合である。それまではずっと二軍で糊口を凌いでいた。

「さあ始まりました、ヤクルト対ホークス。実況は私実況する造、解説は解説する男さんでお送りします。さて解説さん、先発のれつだんはどうでしょう」
「うーん、緊張していますが、防御率18%とまずまずです。二軍では18勝28敗という素晴らしい記録も出してます。これはホークスベンチも期待せざるを得ないでしょうな」

 バッターは打率8割5分、ホームラン99本、101打点を上げた打田打伸。打田がバッターボックスに立つと、ヤクルトの応援が飛んだ。
「ダンダンダン、ダンダンダン、そーれ行け行け打田ー! 打たなーきゃ瞼をまつり縫い! かっとばせー打田!」
 ホークスの監督である鷹山鷹彦が立ち上がり、れつだんにサインを送る。
「解説さん、これはどういうサインでしょう」
「うーん、フォアボールしろというサインですかね。打田は打ちますから、次のバッターで勝負せよということです」
 れつだん、指示通りフォアボール。1塁に打田が着く。
 そしてヤクルトの監督である乳酸菌太郎が右手をバシッと天に上げ、「代走! ダ・イソウ!」と叫んだ。

「なるほど、打田は足が遅いですから、ここで韓国一足が速いという噂でヤクルト入りしたダ・イソウを走らせるわけですな。ダ・イソウは68盗塁してますから、期待できます」
「うーん、しかし代走は1試合で3回しか使えません。1回の表で使ってしまってよいのか」
 れつだんが投げ、ストライク3回を得る。ダ・イソウが走り、1アウト3塁というピンチの局面に。
 乳酸菌太郎が代打を宣言し川理似宇津太がバッターボックスに立つ。川理似は送りバントをし3塁のダ・イソウがホームに戻ってヤクルトが1点を得た。その隙をついて川理似が2塁へ走り込む。

「これは乳酸菌監督、ナイスな指示ですね」
「うーん、れつだんは交代でしょうね。先発が1回表で1点取られて交代はかなり良い成績と言えます」

 その後、なんやかんやでれつだんは9回を投げきり、バッターに助けられ18対0で完全勝利した。


(著者は野球のルールを全く知らないため、すべて想像で書いています。なので怒っちゃやーよ)
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