レツダンセンセイ・グレーテストヒッツ

れつだん先生

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テキサス・チンポ・マサカー(未完)

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テキサス・チンポ・マサカー

 山に囲まれた適砂州(テキサス)。人口も少なく、そして目立った事件も起きることは無かった。昼夜変わらず、家に閉じこもっている。陸の孤島と揶揄されることもしばしあった。外から来る人などほとんどいない。結果、ここの人々は下界を嫌い、独自の世界を作り上げていた。

 若者五人を乗せたライトバンが、適砂州に続く夜の山道を走っていた。あたりは暗く、時折聞こえる獣の声が、孤独を感じさせる。運転をしているのが田中。助手席に座っているのが田中の恋人千鶴、後ろで交わっているのが東とモリリンマンロー。その横で一人外を眺めているのが山岡。目の前には車椅子が畳んでおいてある。
「千鶴、地図は合ってるんのか?」
 田中が、運転しながら横目で千鶴に声をかける。千鶴は地図を眺めながら、たよりなく頷く。
「そうね。もうすぐ適砂州に入るわ」
「とっとと買い物して帰ろうぜ!」
 東が、モリリンと唇を重ねながら叫んだ。山岡は外を見るのをやめ、何やらか足元を探っている。
「買い物、適砂州で何か買うのデスカ?」
 モリリンが、東にしゃべりかける。しかし東はモリリンの体を触ることで頭がいっぱいなのか、それに対して答えようとしない。代わりに山岡が瓶詰めにされたカプセルを見せる。
「こ、これを買いに行くんだよ」
「ちょっと! それって」
 千鶴が山岡の手に乗った瓶を指差しながら、怒りにゆがんだ表情で叫んだ。
「馬鹿、しまえ!」
「お前何やってんだよ!」
 田中と東が山岡に注意をするが、山岡は何のことかわかってない表情で、みなの顔を見渡す。
「それってバイアグラじゃないの!」
 田中の顔を怒りの形相で睨みつける千鶴に、田中は一瞥をくれ、
「これで一攫千金できるんだ。売れた金で、お前と結婚する」
「そんなお金で結婚なんてイヤよ! ……まさかアンタたち、それ使ってないわよね?」
 千鶴の問いに、田中、山岡、東があせった表情でお互いを見つめあう。
「使ってたの……? 最悪!」
 田中は千鶴に声をかけようとするのをやめ、前を向いた。
「ブレーキ! ブレーキ!」
 千鶴が叫ぶ。全員が前を向く。道の真ん中に、男が立っていた。
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