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番外編
これから一緒にいるために2
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♡♡♡
『見つけにくい風光明媚な場所特集!』というネットの記事をもとに、成臣くんとバイクデートを重ねている。
お互い仕事の関係で、最近はもっぱらお家デートが多かったのもあり、久しぶりのバイクデートは目的地に向かうだけで楽しかった。大好きな成臣くんに思う存分に抱きつきながら、風を切って走るバイクの爽快感は、本当に気持ちがいい。
「成臣くん、今週号の文藝冬秋なんだけど」
目的地の小さな滝の脇でしゃがみ込み、川に手を入れて水の冷たさを堪能する私の横で、成臣くんは立ったまま、持っているカメラの設定を念入りに調節していた。
「ん? なんか真新しい芸能ネタでもあったっけ?」
「巻頭グラビア、今週号はなんか艶っぽい感じがしたのよね」
「!!」
下から成臣くんを見上げたら、口元を引きつらせた表情が目に映る。私の視線を感じているはずなのに、なぜか焦った顔で設定画面をガン見する彼氏の不穏な行動に、女の勘が冴え渡る!
「成臣くん、グラビアの若いコとなにかあった?」
いつもより低い声で訊ねた私の声に、一瞬だけ体をビクつかせたのを見逃さなかった。
「あるわけないだろ。千草がいるのに……」
私の顔を見下ろす成臣くんの目が微妙に揺れ動いている時点で、嘘が確定したのだった。
「私、毎週かかさず文藝冬秋買って、成臣くんのお仕事チェックしてるのよ。違いくらい、すぐにわかるんだからね!」
(ちゃっかりグラビアを切り取って、しっかりスクラップしてるからこそ、違いがわかるっちゅーの!)
彼氏がグラビアアイドルの写真を撮影する――自分よりも若くて綺麗で、スタイル抜群なアイドルは、嫉妬の対象になるものの、そんなコたちに負けないように、彼女として日々努力を怠らなかった。
だけどずっと付き合っていたら、飽きがくるものなのかもしれないって、今さらながらに気づいてしまったのも事実。
「アキラといい千草といい、どうして俺の心情を、撮影したもので判断できるんだよ……」
力なく私の隣にしゃがみ込み、弱った顔を見せる。
「それで、実際のところはどうなんですか? 一ノ瀬くん!」
わざと名字で呼んでみたら、首を横に振って口を開く。
「本当になにもない。それは信じてくれ。ただ……」
「なぁに?」
顔を近づけて核心に迫ると、すごく嫌そうな面持ちをしながら顎を引いて、距離をとられてしまった。
「……編集長に言われたことを、実行しただけというか」
「いったい、なにを言われたの?」
「頭の中でグラビアアイドルの顔を、彼女に変えて撮ってみろって。今まで俺に物足りないなにかが、それをやることで、絶対に引き出されるだろうって言われてしまった結果がこれさ」
語尾にいくに従い、顔を俯かせて頭を抱える成臣くんに、私は絶叫してしまう。
「成臣くん、見るからにエッチなポーズをさせて、私のことを撮影したかったのぉ?」
恥ずかしさを含んだ私の声が、森の中でいい感じに木霊した。
「そういうわけじゃない。なんていうか、その場のノリだけで、こんな感じのものが撮れてしまったというしか」
「その場のノリって、このグラビアアイドルとイチャイチャしなきゃ、こんなの撮れないでしょ!」
「それは顔を千草に変えていたっていうのもあって、距離感が近くなったのは確かだけど」
言い合いするにしたがって、お互いの顔が近づいた。目の前にある成臣くんの瞳に、怒った私の顔が反射して映る。
「本当にこのグラビアアイドルと、なにもなかったのよね?」
「ない、神に誓ってもいい! なんだったら、アリバイを調べてもいい」
さっきのように瞳孔が揺れ動くことなく、むしろ歯切れよく言い切ったセリフを、一応信じてみようと思った。
「本当に、成臣くんのお仕事は厄介だなぁ」
いい写真を撮るのに、私の顔を思い浮かべなきゃいけないとか心中複雑!
『見つけにくい風光明媚な場所特集!』というネットの記事をもとに、成臣くんとバイクデートを重ねている。
お互い仕事の関係で、最近はもっぱらお家デートが多かったのもあり、久しぶりのバイクデートは目的地に向かうだけで楽しかった。大好きな成臣くんに思う存分に抱きつきながら、風を切って走るバイクの爽快感は、本当に気持ちがいい。
「成臣くん、今週号の文藝冬秋なんだけど」
目的地の小さな滝の脇でしゃがみ込み、川に手を入れて水の冷たさを堪能する私の横で、成臣くんは立ったまま、持っているカメラの設定を念入りに調節していた。
「ん? なんか真新しい芸能ネタでもあったっけ?」
「巻頭グラビア、今週号はなんか艶っぽい感じがしたのよね」
「!!」
下から成臣くんを見上げたら、口元を引きつらせた表情が目に映る。私の視線を感じているはずなのに、なぜか焦った顔で設定画面をガン見する彼氏の不穏な行動に、女の勘が冴え渡る!
「成臣くん、グラビアの若いコとなにかあった?」
いつもより低い声で訊ねた私の声に、一瞬だけ体をビクつかせたのを見逃さなかった。
「あるわけないだろ。千草がいるのに……」
私の顔を見下ろす成臣くんの目が微妙に揺れ動いている時点で、嘘が確定したのだった。
「私、毎週かかさず文藝冬秋買って、成臣くんのお仕事チェックしてるのよ。違いくらい、すぐにわかるんだからね!」
(ちゃっかりグラビアを切り取って、しっかりスクラップしてるからこそ、違いがわかるっちゅーの!)
彼氏がグラビアアイドルの写真を撮影する――自分よりも若くて綺麗で、スタイル抜群なアイドルは、嫉妬の対象になるものの、そんなコたちに負けないように、彼女として日々努力を怠らなかった。
だけどずっと付き合っていたら、飽きがくるものなのかもしれないって、今さらながらに気づいてしまったのも事実。
「アキラといい千草といい、どうして俺の心情を、撮影したもので判断できるんだよ……」
力なく私の隣にしゃがみ込み、弱った顔を見せる。
「それで、実際のところはどうなんですか? 一ノ瀬くん!」
わざと名字で呼んでみたら、首を横に振って口を開く。
「本当になにもない。それは信じてくれ。ただ……」
「なぁに?」
顔を近づけて核心に迫ると、すごく嫌そうな面持ちをしながら顎を引いて、距離をとられてしまった。
「……編集長に言われたことを、実行しただけというか」
「いったい、なにを言われたの?」
「頭の中でグラビアアイドルの顔を、彼女に変えて撮ってみろって。今まで俺に物足りないなにかが、それをやることで、絶対に引き出されるだろうって言われてしまった結果がこれさ」
語尾にいくに従い、顔を俯かせて頭を抱える成臣くんに、私は絶叫してしまう。
「成臣くん、見るからにエッチなポーズをさせて、私のことを撮影したかったのぉ?」
恥ずかしさを含んだ私の声が、森の中でいい感じに木霊した。
「そういうわけじゃない。なんていうか、その場のノリだけで、こんな感じのものが撮れてしまったというしか」
「その場のノリって、このグラビアアイドルとイチャイチャしなきゃ、こんなの撮れないでしょ!」
「それは顔を千草に変えていたっていうのもあって、距離感が近くなったのは確かだけど」
言い合いするにしたがって、お互いの顔が近づいた。目の前にある成臣くんの瞳に、怒った私の顔が反射して映る。
「本当にこのグラビアアイドルと、なにもなかったのよね?」
「ない、神に誓ってもいい! なんだったら、アリバイを調べてもいい」
さっきのように瞳孔が揺れ動くことなく、むしろ歯切れよく言い切ったセリフを、一応信じてみようと思った。
「本当に、成臣くんのお仕事は厄介だなぁ」
いい写真を撮るのに、私の顔を思い浮かべなきゃいけないとか心中複雑!
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