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番外編
ゲイ能人の護身術
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***
芸能人(ゲイ能人)である俺は、この世界で生きていくため、護身術を身につけている。それは汚い芸能界で、世渡り上手にやっていくためにだけど――プライベートのオンオフなんて、あるがないの如し。どこにいてもウザいくらいに、人の視線が俺自身を追ってくる。
今だって克巳さんと楽しくランチしているのに、気がついたらコッソリと撮影されている。
『葩御稜がどこどこで、男と食事してるよ!』
なぁんていう情報をネットで流すバカが、実際に何人もいる。それゆえに芸能人に限らず一般人に対しても、注意が必要な身分なんだ。
(だからこそ、護身術を使わなきゃならない……)
その人が放っている雰囲気や喋り方、服装や小道具に至るところまで瞬時に確認して、人柄を判断していた。
「忙しいときにごめんね、克巳さん。モーニングコール、すっごく助かったよ♪」
目の前に用意されているのは、美味しそうに湯気を立てているコーンスープ付きの、熱々のステーキ定食だった。ぱくりとお肉を一口食べる。
ジューシーな肉汁が、ぶわっと口の中に広がっていった。うーん、至福のひとときと言ったところだ。
「正直あれは、モーニングコールとは言えないだろ。ただの長電話になっていたし」
克巳さんが仕事中だとわかっていたけど、朝方帰宅したせいで、絶対に起きることができないであろうと予測した俺は、モーニングコールを午前11時半にお願いした。
「だって、克巳さんの声を聞いていたかったんだもん」
「嘘つきだな、本当に。あと五分、いや十分寝かせてくれって言って、無駄に時間を食うように、ひたすらウダウダしていただけじゃないか。困ったコだ」
日替わりランチ弁当のご飯を美味しそうに頬張りながら、くどくど文句を言われてしまった。
だけどそんな迷惑そうな顔も、大好きな恋人だと素敵に見えちゃうから不思議。ずっと見ていたいからって写真を撮ったら、すっごく怒らせちゃうかもね。
「しょうがないでしょ。克巳さんがもっと優しい声で起こしてくれたら、一発で目が覚めたのにさ。『起きろ稜、遅刻するよ』なぁんていう、色気のない起こし方じゃダメなんだってば♪」
耳元で囁くような愛の言葉なら、一気に覚醒できちゃうよ。ま、違った意味でだけど――。
「ふう……。職場から電話をかけてる時点で、そんなワガママはお受けできません。それよりも、時間は大丈夫なのか?」
「大丈夫♪ エッチするときみたいに克巳さんがしつこく迫ってくれたから、ちょっとだけ自分の時間が確保できているんだ」
「迫っちゃいない。陵が起きられるように、粘り強く説得しただけなのに」
微笑む俺を目の前にして渋い表情を浮かべ、額に手を当てながら低い声でうんうん唸る。確かに俺ってば、なかなか起きられなかったもんな。
「起きないとしてあげないって言葉で、バッチリ目が覚めたけどね」
「君の操縦法は心得てる。アレは最終兵器になるから」
やっぱり俺のことを理解してるなぁと感心しつつ、温かいコーンスープを口にしたとき、通路を横切っていくその人に、自然と目が奪われた。
ガッシリした長身の体形に、短く切りそろえられた栗色の髪型を彩るような、堀が深くてやけに整った顔立ちの男――後方にいる華奢な体つきをした男を気にしながら、ゆっくりと歩いている。
『ゲイ能人の葩御稜が、男の人と食事しているんですよ』
その男からすぐに視線を外したけど、華奢な男が俺の存在に気がついたらしい。彼が俺の存在を伝えると、長身の男も横目で俺を見た。
目が合った瞬間、滲み出るモノがひしひしと伝わってくる。
――目は口ほどに毒を吐く――
優男が一転、般若のように目を吊り上げて俺を一瞥した。そんなマイナス感情をモロに受けても、なんのその♪
背中まで伸びてしまった髪を優雅に耳にかけるなり、華奢な男に向かって、ひらひらと小さく手を振ってみせる。すると長身の男は楽しげな俺の様子を見るなり、睨み据えるような視線をがんがん飛ばしてきた。
(そんな顔してたら、後ろのカレシに嫌われちゃうぞ。あからさまな態度をとるなっていうの♪)
そんなことを思いながら、余裕でほほ笑み返してやった。
『ほら、行くよ。ウェートレスさんを待たせてる』
手を振り返してきた華奢な男の腕を強く引きながら、低い声色で告げた長身の男。いい感じに怒っているのが、思いっきり態度に出ている。
俺の視線から逃れるように、足早に消えていく大きな背中に向かって、思わず呟いた。
「偏ってるね、あの人――」
頬杖をついて言うと、向かい側にいた克巳さんが、わざわざ腰を上げて通路側を覗き込む。
「……後ろにいるあの細いコのこと? どことなく、フワフワした感じに見えるが」
「ふわふわしてるのは、目の前にイケメンの男がいるから。骨の髄までしゃぶられて、骨抜きにされちゃったんだろうね」
かわいそうにと心を込めて告げてから、お肉を一口食べる。そんな俺を克巳さんは何度か目を瞬かせて、不思議そうに眺めた。
「……どうして一瞬見ただけで、そんなことまでわかるんだ?」
「俺の中にある動物的な勘。ヤバそうなモノには嫌がらせをして、徹底的に排除してやるんだ。これ以上、こっちに近寄らせないようにするためにね」
「そんな嫌がらせをしても、楽しそうに付き合ってる人がいるだろう?」
ますますわからないと書いてある克巳さんの顔に、思わず笑みが零れてしまう。そんな素直な感情がすぐに読み取れてしまうから、心の底から安心できてしまうんだ。
人としても恋人としても、さいこー♪
「ああ、それはこっちの意図とは違う態度をとるから、無駄におもしろくてね。俺だって完璧じゃないんだから、その人の全部がわかるわけがないでしょ」
ヤバそうなニオイを嗅ぎとった臭覚を頼りに距離をおいたら、なぜか向こうが近づいてきて、結果的には仲良くなった人もいる。実際に付き合ってみて、はじめてわかることだって、たくさんあるんだ。
「さっきのイケメンは、見た目と中身が偏ってる。両極端だなって思った」
残った肉の塊を頬張り、目の前にいる克巳さんを見ると既に食べ終わっていた。
(いつの間に……。俺ってばそんなに、ダラダラしながら食べていたっけ?)
「じゃあそのイケメンくんの後ろにいた細い彼は、ギャップでやられちゃったって感じなのか?」
カップに残されたコーンスープを飲み干し、手を合わせてご馳走様をする。
さっき見かけたとき、華奢な男の着ているTシャツの襟元から、くっきりと咬み痕が見えてしまった。痕は、それひとつじゃなく――だから骨の髄までっていう、表現にしてみたんだけどね。
「うーん。多分ギャップには、気づいてないんじゃないかな。恋は盲目って言うし、熱すぎる想いは身を焦がして、毒をはらむ物だからさ」
みずから、それを体験してるからこそ言える。今となっては、いい思い出になってるけど、そこにいきつくまでには、かなりの時間がかかった。
「見た目が大人なクセに、中身があんなふうに子ども染みていたら、付き合っていくのは大変だろうな。押しつぶされなきゃいいけど」
華奢な身体に秘めている心の器は、どれくらいの大きさをしているかわからない。見えないものだからこそ、量れないのは確かだ。
「人の心配よりも、自分の心配したらどうだ。時間……」
「うわぁホントだ! まったり語ってる場合じゃなかったよ」
慌てて立ち上がり、ボストンバックを手に取ると、伝票を持った克巳さんが空いてる手をそっと差し出してきた。
(久しぶりの逢瀬だったのに、他人の話ばっかして、俺ってば恋人としてさいてー)
差し出された手を見つめて、ちょっとだけ反省した。躊躇してたら、あたたかい手が進んで、恋人繋ぎをしてくる。
「ほら、行くよ。照れてる場合じゃないだろ」
「照れてないよ、そんなんじゃなく――」
俺の苦情もなんのその。克巳さんはぎゅっと握りしめて、引っ張って歩き出した。
目の前の大きな背中に思わず縋りつきたくなってしまうのは、常に俺のことを考えて優しさに包んでくれるから。
――さっきのカップルは、どんなもので繋がってるんだろうな――
光を放つものは、自然と人の目を惹きつける。俺もあのイケメンもそういう存在だけどそれをわかった上で、気をつけて行動しなきゃいけないのにね。
あからさまな態度は大事な彼氏や周囲を、無駄に傷つけるだけなのに……。
そんな下世話なことを考えながら、克巳さんの後ろを安心して引っ張られながら歩いた。きっとこれが、未来永劫続く俺たちの姿なんだ♪
芸能人(ゲイ能人)である俺は、この世界で生きていくため、護身術を身につけている。それは汚い芸能界で、世渡り上手にやっていくためにだけど――プライベートのオンオフなんて、あるがないの如し。どこにいてもウザいくらいに、人の視線が俺自身を追ってくる。
今だって克巳さんと楽しくランチしているのに、気がついたらコッソリと撮影されている。
『葩御稜がどこどこで、男と食事してるよ!』
なぁんていう情報をネットで流すバカが、実際に何人もいる。それゆえに芸能人に限らず一般人に対しても、注意が必要な身分なんだ。
(だからこそ、護身術を使わなきゃならない……)
その人が放っている雰囲気や喋り方、服装や小道具に至るところまで瞬時に確認して、人柄を判断していた。
「忙しいときにごめんね、克巳さん。モーニングコール、すっごく助かったよ♪」
目の前に用意されているのは、美味しそうに湯気を立てているコーンスープ付きの、熱々のステーキ定食だった。ぱくりとお肉を一口食べる。
ジューシーな肉汁が、ぶわっと口の中に広がっていった。うーん、至福のひとときと言ったところだ。
「正直あれは、モーニングコールとは言えないだろ。ただの長電話になっていたし」
克巳さんが仕事中だとわかっていたけど、朝方帰宅したせいで、絶対に起きることができないであろうと予測した俺は、モーニングコールを午前11時半にお願いした。
「だって、克巳さんの声を聞いていたかったんだもん」
「嘘つきだな、本当に。あと五分、いや十分寝かせてくれって言って、無駄に時間を食うように、ひたすらウダウダしていただけじゃないか。困ったコだ」
日替わりランチ弁当のご飯を美味しそうに頬張りながら、くどくど文句を言われてしまった。
だけどそんな迷惑そうな顔も、大好きな恋人だと素敵に見えちゃうから不思議。ずっと見ていたいからって写真を撮ったら、すっごく怒らせちゃうかもね。
「しょうがないでしょ。克巳さんがもっと優しい声で起こしてくれたら、一発で目が覚めたのにさ。『起きろ稜、遅刻するよ』なぁんていう、色気のない起こし方じゃダメなんだってば♪」
耳元で囁くような愛の言葉なら、一気に覚醒できちゃうよ。ま、違った意味でだけど――。
「ふう……。職場から電話をかけてる時点で、そんなワガママはお受けできません。それよりも、時間は大丈夫なのか?」
「大丈夫♪ エッチするときみたいに克巳さんがしつこく迫ってくれたから、ちょっとだけ自分の時間が確保できているんだ」
「迫っちゃいない。陵が起きられるように、粘り強く説得しただけなのに」
微笑む俺を目の前にして渋い表情を浮かべ、額に手を当てながら低い声でうんうん唸る。確かに俺ってば、なかなか起きられなかったもんな。
「起きないとしてあげないって言葉で、バッチリ目が覚めたけどね」
「君の操縦法は心得てる。アレは最終兵器になるから」
やっぱり俺のことを理解してるなぁと感心しつつ、温かいコーンスープを口にしたとき、通路を横切っていくその人に、自然と目が奪われた。
ガッシリした長身の体形に、短く切りそろえられた栗色の髪型を彩るような、堀が深くてやけに整った顔立ちの男――後方にいる華奢な体つきをした男を気にしながら、ゆっくりと歩いている。
『ゲイ能人の葩御稜が、男の人と食事しているんですよ』
その男からすぐに視線を外したけど、華奢な男が俺の存在に気がついたらしい。彼が俺の存在を伝えると、長身の男も横目で俺を見た。
目が合った瞬間、滲み出るモノがひしひしと伝わってくる。
――目は口ほどに毒を吐く――
優男が一転、般若のように目を吊り上げて俺を一瞥した。そんなマイナス感情をモロに受けても、なんのその♪
背中まで伸びてしまった髪を優雅に耳にかけるなり、華奢な男に向かって、ひらひらと小さく手を振ってみせる。すると長身の男は楽しげな俺の様子を見るなり、睨み据えるような視線をがんがん飛ばしてきた。
(そんな顔してたら、後ろのカレシに嫌われちゃうぞ。あからさまな態度をとるなっていうの♪)
そんなことを思いながら、余裕でほほ笑み返してやった。
『ほら、行くよ。ウェートレスさんを待たせてる』
手を振り返してきた華奢な男の腕を強く引きながら、低い声色で告げた長身の男。いい感じに怒っているのが、思いっきり態度に出ている。
俺の視線から逃れるように、足早に消えていく大きな背中に向かって、思わず呟いた。
「偏ってるね、あの人――」
頬杖をついて言うと、向かい側にいた克巳さんが、わざわざ腰を上げて通路側を覗き込む。
「……後ろにいるあの細いコのこと? どことなく、フワフワした感じに見えるが」
「ふわふわしてるのは、目の前にイケメンの男がいるから。骨の髄までしゃぶられて、骨抜きにされちゃったんだろうね」
かわいそうにと心を込めて告げてから、お肉を一口食べる。そんな俺を克巳さんは何度か目を瞬かせて、不思議そうに眺めた。
「……どうして一瞬見ただけで、そんなことまでわかるんだ?」
「俺の中にある動物的な勘。ヤバそうなモノには嫌がらせをして、徹底的に排除してやるんだ。これ以上、こっちに近寄らせないようにするためにね」
「そんな嫌がらせをしても、楽しそうに付き合ってる人がいるだろう?」
ますますわからないと書いてある克巳さんの顔に、思わず笑みが零れてしまう。そんな素直な感情がすぐに読み取れてしまうから、心の底から安心できてしまうんだ。
人としても恋人としても、さいこー♪
「ああ、それはこっちの意図とは違う態度をとるから、無駄におもしろくてね。俺だって完璧じゃないんだから、その人の全部がわかるわけがないでしょ」
ヤバそうなニオイを嗅ぎとった臭覚を頼りに距離をおいたら、なぜか向こうが近づいてきて、結果的には仲良くなった人もいる。実際に付き合ってみて、はじめてわかることだって、たくさんあるんだ。
「さっきのイケメンは、見た目と中身が偏ってる。両極端だなって思った」
残った肉の塊を頬張り、目の前にいる克巳さんを見ると既に食べ終わっていた。
(いつの間に……。俺ってばそんなに、ダラダラしながら食べていたっけ?)
「じゃあそのイケメンくんの後ろにいた細い彼は、ギャップでやられちゃったって感じなのか?」
カップに残されたコーンスープを飲み干し、手を合わせてご馳走様をする。
さっき見かけたとき、華奢な男の着ているTシャツの襟元から、くっきりと咬み痕が見えてしまった。痕は、それひとつじゃなく――だから骨の髄までっていう、表現にしてみたんだけどね。
「うーん。多分ギャップには、気づいてないんじゃないかな。恋は盲目って言うし、熱すぎる想いは身を焦がして、毒をはらむ物だからさ」
みずから、それを体験してるからこそ言える。今となっては、いい思い出になってるけど、そこにいきつくまでには、かなりの時間がかかった。
「見た目が大人なクセに、中身があんなふうに子ども染みていたら、付き合っていくのは大変だろうな。押しつぶされなきゃいいけど」
華奢な身体に秘めている心の器は、どれくらいの大きさをしているかわからない。見えないものだからこそ、量れないのは確かだ。
「人の心配よりも、自分の心配したらどうだ。時間……」
「うわぁホントだ! まったり語ってる場合じゃなかったよ」
慌てて立ち上がり、ボストンバックを手に取ると、伝票を持った克巳さんが空いてる手をそっと差し出してきた。
(久しぶりの逢瀬だったのに、他人の話ばっかして、俺ってば恋人としてさいてー)
差し出された手を見つめて、ちょっとだけ反省した。躊躇してたら、あたたかい手が進んで、恋人繋ぎをしてくる。
「ほら、行くよ。照れてる場合じゃないだろ」
「照れてないよ、そんなんじゃなく――」
俺の苦情もなんのその。克巳さんはぎゅっと握りしめて、引っ張って歩き出した。
目の前の大きな背中に思わず縋りつきたくなってしまうのは、常に俺のことを考えて優しさに包んでくれるから。
――さっきのカップルは、どんなもので繋がってるんだろうな――
光を放つものは、自然と人の目を惹きつける。俺もあのイケメンもそういう存在だけどそれをわかった上で、気をつけて行動しなきゃいけないのにね。
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