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白熱する選挙戦に、この想いを込めて――
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「大丈夫。一瞬だけど夢を見た。克巳さんに絶対に見せてあげたい、壮大な景色の夢」
「壮大な景色って、まさか……」
俺のセリフだけでそれを悟れちゃうあたり、有能な恋人と言える。
「はっきりと見た。だからこそ克巳さんをそこに連れて行って、直接見せてあげたいと改めて思い知ったよ。だから克巳さん、俺についてきてほしい」
「うわっ!?」
克巳さんの左手を握りしめながら強引に引っ張り、スタッフが用意してくれたお祝いの壇上まで歩いて行く。
「俺ひとりであそこに行かせようとした克巳さんには、お仕置きだよ」
俺が進むと、人混みが自動的に道を作ってくれた。難なく歩けることに感謝しながら小さく頭を下げつつ、急ぎ足で壇上に向かう。
「俺はただの秘書なのに、壇上にあがるわけにはいかないだろ」
「秘書の前に恋人でしょ。つねに俺の隣にいなきゃ困るんだってば。愛してるんだから」
「あまり、目立ちたくないんだが」
そんな文句を言った克巳さんを遠心力を使い、壇上に向かって放り投げた。
「うげっ!」
議員に当選した俺よりも先に壇上に登場した克巳さんを見るなり、報道陣がそろってシャッターを切った。これはこれで、お仕置きになっただろう。
「ぉおお俺はただの秘書です……。葩御はあちらに――」
顔を必死に隠しながら、俺に指を差す克巳さんに向かって、大声で叫んだ。
「克巳さんは目立ちたくないだろうけど、俺の夢は内閣総理大臣だからね。どうしても目立ってしょうがないんだから、そこんとこ諦めてよ!」
腰に手を当てながら堂々と言い放つと、周りからどよめきが起こって、眩しいくらいにカメラのシャッターがたくさん煌めいた。
「陵、議員に当選した途端にその発言。俺の仕事が増えることが、これで確定じゃないか」
げんなりした顔の克巳さんが俺の腕を引っ張り、壇上に登場させる。
改めて目の前を見渡すと、報道陣と一緒に応援してくれた有権者もたくさん混じっていた。しかも事務所に入り切れない人影が、扉の外でうごめくのが見て取れた。
(投票してくれた12万人以上の人たちにも、しっかり感謝しなければだな――)
「陵、挨拶できるか?」
克巳さんの慈愛の眼差しが、俺を射竦める。感動で打ち震えていた心が、一気にしゃんとした。
「できるよ。隣に克巳さんがいれば、どんなことでもやってのける」
本当は、ひとりきりでマイクの前に立って挨拶しなきゃ駄目だろうけど、今このときだけは、この人と一緒にいたい。
克巳さんの左手を握りしめてから、用意されていたマイクの前に立つ。意外な行動に出た俺に、事務所が一瞬だけ水を打ったように静まり返った。だけどすぐに拍手となって、俺たちを祝福してくれた。
鳴り止まない拍手を聞きながら、これからのことを考える。
愛しいこの人と一緒に歩んでいく、棘の道は大変だろう。だけど未来の俺が告げた言葉を実践すれば、きっと願いは叶うハズなんだ。
克巳さんに、あの景色を見せるために――。
おしまい
このあとスペシャルな番外編をお送りいたします!お楽しみくださいね。
「壮大な景色って、まさか……」
俺のセリフだけでそれを悟れちゃうあたり、有能な恋人と言える。
「はっきりと見た。だからこそ克巳さんをそこに連れて行って、直接見せてあげたいと改めて思い知ったよ。だから克巳さん、俺についてきてほしい」
「うわっ!?」
克巳さんの左手を握りしめながら強引に引っ張り、スタッフが用意してくれたお祝いの壇上まで歩いて行く。
「俺ひとりであそこに行かせようとした克巳さんには、お仕置きだよ」
俺が進むと、人混みが自動的に道を作ってくれた。難なく歩けることに感謝しながら小さく頭を下げつつ、急ぎ足で壇上に向かう。
「俺はただの秘書なのに、壇上にあがるわけにはいかないだろ」
「秘書の前に恋人でしょ。つねに俺の隣にいなきゃ困るんだってば。愛してるんだから」
「あまり、目立ちたくないんだが」
そんな文句を言った克巳さんを遠心力を使い、壇上に向かって放り投げた。
「うげっ!」
議員に当選した俺よりも先に壇上に登場した克巳さんを見るなり、報道陣がそろってシャッターを切った。これはこれで、お仕置きになっただろう。
「ぉおお俺はただの秘書です……。葩御はあちらに――」
顔を必死に隠しながら、俺に指を差す克巳さんに向かって、大声で叫んだ。
「克巳さんは目立ちたくないだろうけど、俺の夢は内閣総理大臣だからね。どうしても目立ってしょうがないんだから、そこんとこ諦めてよ!」
腰に手を当てながら堂々と言い放つと、周りからどよめきが起こって、眩しいくらいにカメラのシャッターがたくさん煌めいた。
「陵、議員に当選した途端にその発言。俺の仕事が増えることが、これで確定じゃないか」
げんなりした顔の克巳さんが俺の腕を引っ張り、壇上に登場させる。
改めて目の前を見渡すと、報道陣と一緒に応援してくれた有権者もたくさん混じっていた。しかも事務所に入り切れない人影が、扉の外でうごめくのが見て取れた。
(投票してくれた12万人以上の人たちにも、しっかり感謝しなければだな――)
「陵、挨拶できるか?」
克巳さんの慈愛の眼差しが、俺を射竦める。感動で打ち震えていた心が、一気にしゃんとした。
「できるよ。隣に克巳さんがいれば、どんなことでもやってのける」
本当は、ひとりきりでマイクの前に立って挨拶しなきゃ駄目だろうけど、今このときだけは、この人と一緒にいたい。
克巳さんの左手を握りしめてから、用意されていたマイクの前に立つ。意外な行動に出た俺に、事務所が一瞬だけ水を打ったように静まり返った。だけどすぐに拍手となって、俺たちを祝福してくれた。
鳴り止まない拍手を聞きながら、これからのことを考える。
愛しいこの人と一緒に歩んでいく、棘の道は大変だろう。だけど未来の俺が告げた言葉を実践すれば、きっと願いは叶うハズなんだ。
克巳さんに、あの景色を見せるために――。
おしまい
このあとスペシャルな番外編をお送りいたします!お楽しみくださいね。
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