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act:痺れ薬・略奪
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「君がどんなに理子さんを想っても、俺たちは別れる気はないし渡すつもりもない!」
小さい頃の約束を果たすために、芸能人になって目の前に現れた彼。理子さんを想ってる自分の好きという気持ちより、彼の想いが上回っているかもしれない。だけどどうしても負けたくなかったから、気持ちをしっかりと込めて強く告げてやった。
そのせいか、鼓動がいつもよりドキドキする。
「克巳さん、俺はずっと理子ちゃんだけ想って、今まで頑張ってきたんだ……ってあれ、なんだか顔が赤いけど大丈夫?」
(顔が赤い――?)
ポケットからハンカチを取り出して、額から投げれ出る汗を慌てて拭った。
変化は顔だけじゃなく、なんだか躰全体までもが熱くなってきている。こんな急激な変化は、なにかのウイルスにでも感染したのだろうか? ライバルの家で、無様に倒れるワケにはいかない……。
必死に平静を装っていたが、次第に躰の奥から熱が上がってきた。そのせいで呼吸がどんどん荒くなる。これはヤバいかも――。
そんな俺を、彼は心配そうな表情を浮かべながらじっと見つめて、目の前から消えた。すぐさま戻ってきて、手にしていたペットボトルを目の前に揺らしながら掲げる。
「これ、新製品で貰った水なんだけど、飲みますか克巳さん?」
「あ? ああ、済まない……」
躰の熱をどうにかしたくてペットボトルに手を伸ばしたのに、さっと取り上げながら意味深な笑みを浮かべて、じっと見下ろされる。
「この水が欲しければ、くれてやるよ?」
彼は瞳を細めて艶っぽく微笑みながら、キャップを開けて口に含むと、俺の頬を両手で包み込んで唇を合わせる。拒否しようにも、躰が痺れたように動かない。それこそ、指一本も動かせない状態だった。
一瞬の出来事に反応できないまま、口の中に甘くて冷たい水が勢いよく流れ込んできた。急病のせいでぼんやりとしていたとはいえ、なにをやってるんだ。
「……んんっ、うっ」
目を白黒しながら与えられる水を全部飲み干すと、ゆっくりと唇が解放される。
「ああ、もぅ零してるね」
その言葉に、口を拭おうと右手を上げた瞬間にすぐさまそれが押さえつけられ、彼の舌が濡れた口元から顎のラインを下から上へペロリと舐めとった。その舌使いが、妙にイヤラしい。
「ちょっ、君はいったい、なにをしてるんだっ!?」
同性に口移しや顔を舐めるなんて、信じられない行為だった。
「んもぅ、そんなに怒らないでよ。具合が悪そうだから、積極的に介抱してあげてるのにさ」
「だからって君は――」
「君じゃなく稜って呼んでよ。克巳さん♪」
長い黒髪をふわりと揺らして小首を傾げると、今度は俺のネクタイをいそいそと外しはじめた。
「なな、なにしているんだ?」
「顔がそんだけ赤いから、躰が相当熱いんだろうなぁと思って。ささ、次は背広を脱いじゃいましょうか」
しれっとした態度で外したネクタイを腕にかけつつ、背広もさっさと脱がし、手際よくハンガーにかける。まるで世話焼き女房みたいな手際の良さに、呆気にとられてしまった。
しかも躰が重だるくて抵抗する気にもなれず、されるがままの俺。話し合いをするつもりが、彼に介抱をされる羽目になんてな……。
小さい頃の約束を果たすために、芸能人になって目の前に現れた彼。理子さんを想ってる自分の好きという気持ちより、彼の想いが上回っているかもしれない。だけどどうしても負けたくなかったから、気持ちをしっかりと込めて強く告げてやった。
そのせいか、鼓動がいつもよりドキドキする。
「克巳さん、俺はずっと理子ちゃんだけ想って、今まで頑張ってきたんだ……ってあれ、なんだか顔が赤いけど大丈夫?」
(顔が赤い――?)
ポケットからハンカチを取り出して、額から投げれ出る汗を慌てて拭った。
変化は顔だけじゃなく、なんだか躰全体までもが熱くなってきている。こんな急激な変化は、なにかのウイルスにでも感染したのだろうか? ライバルの家で、無様に倒れるワケにはいかない……。
必死に平静を装っていたが、次第に躰の奥から熱が上がってきた。そのせいで呼吸がどんどん荒くなる。これはヤバいかも――。
そんな俺を、彼は心配そうな表情を浮かべながらじっと見つめて、目の前から消えた。すぐさま戻ってきて、手にしていたペットボトルを目の前に揺らしながら掲げる。
「これ、新製品で貰った水なんだけど、飲みますか克巳さん?」
「あ? ああ、済まない……」
躰の熱をどうにかしたくてペットボトルに手を伸ばしたのに、さっと取り上げながら意味深な笑みを浮かべて、じっと見下ろされる。
「この水が欲しければ、くれてやるよ?」
彼は瞳を細めて艶っぽく微笑みながら、キャップを開けて口に含むと、俺の頬を両手で包み込んで唇を合わせる。拒否しようにも、躰が痺れたように動かない。それこそ、指一本も動かせない状態だった。
一瞬の出来事に反応できないまま、口の中に甘くて冷たい水が勢いよく流れ込んできた。急病のせいでぼんやりとしていたとはいえ、なにをやってるんだ。
「……んんっ、うっ」
目を白黒しながら与えられる水を全部飲み干すと、ゆっくりと唇が解放される。
「ああ、もぅ零してるね」
その言葉に、口を拭おうと右手を上げた瞬間にすぐさまそれが押さえつけられ、彼の舌が濡れた口元から顎のラインを下から上へペロリと舐めとった。その舌使いが、妙にイヤラしい。
「ちょっ、君はいったい、なにをしてるんだっ!?」
同性に口移しや顔を舐めるなんて、信じられない行為だった。
「んもぅ、そんなに怒らないでよ。具合が悪そうだから、積極的に介抱してあげてるのにさ」
「だからって君は――」
「君じゃなく稜って呼んでよ。克巳さん♪」
長い黒髪をふわりと揺らして小首を傾げると、今度は俺のネクタイをいそいそと外しはじめた。
「なな、なにしているんだ?」
「顔がそんだけ赤いから、躰が相当熱いんだろうなぁと思って。ささ、次は背広を脱いじゃいましょうか」
しれっとした態度で外したネクタイを腕にかけつつ、背広もさっさと脱がし、手際よくハンガーにかける。まるで世話焼き女房みたいな手際の良さに、呆気にとられてしまった。
しかも躰が重だるくて抵抗する気にもなれず、されるがままの俺。話し合いをするつもりが、彼に介抱をされる羽目になんてな……。
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