俺を処刑するはずのヤンデレ兄様に溺愛されるなんて聞いてない【本編完結】

ノノノ

文字の大きさ
12 / 15
番外編

ユリスが媚薬を盛られる話①(レギオン視点)

しおりを挟む
 
 ユリスと結ばれてからの日々は、毎日幸せだった。
 仕事があるのでどうしても会えない時はあるが、業務の役割分担など見直して、少し早く仕事を終わらせる事が出来るようになった。ユリスに早く会いたい、そう思うと以前より効率よく業務をこなせた。

 ユリスには本を読む時間が減るのは困ると言われたが、私の腕の中で読んでいればいい。ソファに腰かけ、足の間にユリスを座らせる。ユリスのお腹に腕を回し、ぎゅっと抱きしめると、それだけで幸せな気分になる。
 愛する弟の健全な趣味を奪う気はない。最初こそ困惑されたが今では大人しく私の腕の中で本を読んでいる。たまにユリスの身体をまさぐって悪戯したくなるが、それもちゃんと我慢している。ちゃんと最後まで我慢できると頭を撫でてくれるからだ。

 渋々といった感じだが、私が強く言えば大体の場面で2人きりで居ることを許してくれる。食事も一緒に食べてくれる。
 風呂と就寝が別である以外に不満はない。



 ……いや、不満ではないが気になることが1つある。
 夜の営みの事だ。

 ユリスは私の大切な可愛い弟であるが、それと同時に愛おしい恋人でもある。体調が悪い時以外は絶対にするというルールだ。これだけは譲れない。本音を言えば毎日だってしたいくらいだが、仕事やユリスの体調を考えて我慢している。
 最初の約束通り1週間に1度、週末の夜に恋人らしく身体を重ね合う生活をしている。

 私はこの時間が1週間で一番の楽しみなのだ。
 場所は私の寝室。天蓋ベッドのカーテンの中に閉じられた2人きりの甘い世界。一回り小さなその身体と深く繋がり、抱き合い、1週間我慢していた愛情を全て注ぎこむ。我慢を重ねた分、気持ち良さが増す。
 揺らすごとに気持ちよさそうに跳ねる身体、誘うような甘い嬌声、快楽で蕩けて何も考えられなくなっている可愛い顔。それを私だけが知っている。月夜にすらそれを見せない。こんな心地よい優越感と幸福感、他に知らない。

 初めて繋がった日から1週間後の夜、ユリスがちゃんと言われた通りに私の寝室に来るか少し不安だった。
 まあもし来ずに夜逃げでもすれば、何を使ってでも捕まえて1週間ほど私のベッドに監禁してしまおうと思っていた。1週間毎日気絶するまで愛し続ければ分かってくれるだろうと。分かってくれなければ期間を延ばせばいい。

 だが驚いた事にちゃんとユリスは私の寝室に来て扉をノックしてくれた。逃げないからちゃんと優しくしてほしいと涙目でお願いされ、ああ、お前はちゃんと私を受け入れてくれたのだと安心したものだ。
 惚れた者の弱みというやつだ、ユリスと私の間には体力差があるが、ちゃんとユリスに合わせて愛してあげた。最初は少々物足りない状態で終わることもあったが、ユリスが慣れてきてからはそれもほぼなくなった。ユリスの身体が私に合わせて変化していっているその感覚もたまらない。

 私にはもう不満はない。私には……
 ただおそらく、ユリスにとっては違う。

「逃げないから今回も優しくしてください……気持ち良くしてください……」

 毎回震えた声でそう言ってくるのだ。おねだりや我儘というより懇願に近い。触れ合い始める時も毎回身体が緊張で固い。怯えるように震える身体をゆっくりと時間をかけてほぐしていく。そして1、2回ほど射精した後は緊張が解けてトロトロになってよがってくれる。
 ユリスのためなら前戯に時間がかかろうと私はかまわない。それだけ触れ合える時間も増えるのだから。だがユリスの精神に負担をかけていると思うと何とかしてあげたい気持ちになる。

 最初の負担の軽減方法を考え、最初から快楽を受け入れられる状態にすればいいのではないかと考えた。
具体的に言えば、最初から欲しくて欲しくてたまらない状態。

 だから今日はユリスに内緒で特別な薬を仕入れてきた。
 なかなか高額だったがユリスのためなら惜しくない。無味無臭のその薬は、夜の営みの時間に一番強い効果を発揮するはずだ。

「ユリス、愛しているよ」

 私はユリスの夕食のスープにそれを混ぜた。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した

あと
BL
「また物が置かれてる!」 最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…? ⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。 攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。 ちょっと怖い場面が含まれています。 ミステリー要素があります。 一応ハピエンです。 主人公:七瀬明 幼馴染:月城颯 ストーカー:不明 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話

あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」 トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。 お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。 攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。 兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。 攻め:水瀬真広 受け:神崎彼方 ⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。 途中でモブおじが出てきます。 義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。 初投稿です。 初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

処理中です...