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番外編
ユリスが媚薬を盛られる話①(レギオン視点)
しおりを挟むユリスと結ばれてからの日々は、毎日幸せだった。
仕事があるのでどうしても会えない時はあるが、業務の役割分担など見直して、少し早く仕事を終わらせる事が出来るようになった。
ユリスに早く会いたい、そう思うと以前より効率よく業務をこなせた。
ユリスには本を読む時間が減るのは困ると言われたが、私の腕の中で読んでいればいい。
ソファに腰かけ、足の間にユリスを座らせる。ユリスのお腹に腕を回し、ぎゅっと抱きしめると、それだけで幸せな気分になる。
愛する弟の健全な趣味を奪う気はない。最初こそ困惑されたが今では大人しく私の腕の中で本を読んでいる。
たまにユリスの身体をまさぐって悪戯したくなるが、それもちゃんと我慢している。ちゃんと最後まで我慢できると頭を撫でてくれるからだ。
渋々といった感じだが、私が強く言えば大体の場面で2人きりで居ることを許してくれる。食事も一緒に食べてくれる。
風呂と就寝が別である以外に不満はない。
…いや、不満ではないが気になることが1つある。
夜の営みの事だ。
ユリスは私の大切な可愛い弟であるが、それと同時に愛おしい恋人でもある。
体調が悪い時以外は絶対にするというルールだ。これだけは譲れない。本音を言えば毎日だってしたいくらいだが、仕事やユリスの体調を考えて我慢している。
最初の約束通り1週間に1度、週末の夜に恋人らしく身体を重ね合う生活をしている。
私はこの時間が1週間で一番の楽しみなのだ。
場所は私の寝室。天蓋ベッドのカーテンの中に閉じられた2人きりの甘い世界。
一回り小さなその身体と深く繋がり、抱き合い、1週間我慢していた愛情を全て注ぎこむ。我慢を重ねた分、気持ち良さが増す。
揺らすごとに気持ちよさそうに跳ねる身体、誘うような甘い嬌声、快楽で蕩けて何も考えられなくなっている可愛い顔。それを私だけが知っている。月夜にすらそれを見せない。
こんな心地よい優越感と幸福感、他に知らない。
初めて繋がった日から1週間後の夜、ユリスがちゃんと言われた通りに私の寝室に来るか少し不安だった。
まあもし来ずに夜逃げでもすれば、何を使ってでも捕まえて1週間ほど私のベッドに監禁してしまおうと思っていた。1週間毎日気絶するまで愛し続ければ分かってくれるだろうと。
分かってくれなければ期間を延ばせばいい。
だが驚いた事にちゃんとユリスは私の寝室に来て扉をノックしてくれた。
逃げないからちゃんと優しくしてほしいと涙目でお願いされ、ああ、お前はちゃんと私を受け入れてくれたのだと安心したものだ。
惚れた者の弱みというやつだ、ユリスと私の間には体力差があるが、ちゃんとユリスに合わせて愛してあげた。
最初は少々物足りない状態で終わることもあったが、ユリスが慣れてきてからはそれもほぼなくなった。ユリスの身体が私に合わせて変化していっているその感覚もたまらない。
私にはもう不満はない。私には…
ただおそらく、ユリスにとっては違う。
「逃げないから今回も優しくしてください…気持ち良くしてください…」
毎回震えた声でそう言ってくるのだ。おねだりや我儘というより懇願に近い。
触れ合い始める時も毎回身体が緊張で固い。怯えるように震える身体をゆっくりと時間をかけてほぐしていく。そして1、2回ほど射精した後は緊張が解けてトロトロになってよがってくれる。
ユリスのためなら前戯に時間がかかろうと私はかまわない。それだけ触れ合える時間も増えるのだから。
だがユリスの精神に負担をかけていると思うと何とかしてあげたい気持ちになる。
最初の負担の軽減方法を考え、最初から快楽を受け入れられる状態にすればいいのではないかと考えた。
具体的に言えば、最初から欲しくて欲しくてたまらない状態。
だから今日はユリスに内緒で特別な薬を仕入れてきた。
なかなか高額だったがユリスのためなら惜しくない。無味無臭のその薬は、夜の営みの時間に一番強い効果を発揮するはずだ。
「ユリス、愛しているよ」
私はユリスの夕食のスープにそれを混ぜた。
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