1 / 154
闇-1
しおりを挟む
「この、生意気な顔をして!役立たず!!私は、庭のバラは赤にするようにとしたでしょう!それが、こんなみっともない黄色のバラを植えるなんて!!!!!」
金切り声と一緒に茶色の髪、薄茶色の瞳で最近ふくよかになりつつある継母の平手打ちが右頬へ炸裂する。今日は楽なほうだ。
「申し訳ございません。もう一度、植え替えを…」
「当たり前でしょう!!」
継母はテラスから室内へ戻り、メイドに八つ当たりをしながら午後のティータイムの支度を指示した。
「本当に、ツキヨはグズね。笑ってしまうわ」明るい茶色の髪、紅茶色の瞳の背の高い娘が笑うと「メリーアンお姉様の言う通り、笑ってしまいますわ。お母様がお優しいからこんなグズでも男爵家に住み続けることができるのだから感謝しないと」と暗い茶色の髪、濃い紅茶色の瞳の少女も笑う。
「私とミリアンもお茶にするわ。バラはさっさと植え替えなさい」
「はい、メリーアン様、ミリアン様。申し訳ございません」
もう一度、頭を下げるとメリーアンとミリアンの2人はクスクスと笑いながらテラスを後にした。
「金色に輝くような黄色がいいと言ったのは誰だったっけ?」
ツキヨは右頬をさすりバラの苗を新たに納入するために本数を数えた。
-ツキヨ・ドゥ・カトレア 17才
下位ではあるが比較的裕福な領地を持つカトレア男爵家の娘である。
父のマルセル・ドゥ・カトレア男爵の4年前に亡くなった妻オリエの残した一人娘だ。
マルセルが妻のいない毎日に耐えられなくなり、友人の紹介で2年前に再婚をした子爵家の未亡人マリアンナ・ドゥ・アイリスの連れ子のメリーアン19才とミリアン18才が加わり三姉妹となった。
…なったはずだった。
マリアンナはツキヨの黒い髪、黒い瞳に嫌悪を示し「魔物の国のゴドリバー帝国の卑しい魔物の娘!」と蔑み、罵り続けツキヨを娘として遠ざけた。
娘たちも「魔物の子」と罵るが、マルセルも黒髪、黒い瞳は遠い遠い東国の血をひく先妻オリエの血筋だと何度も説明をするが彼女たちに理解をさせることができず、ツキヨには敷地内の庭師の住んでいた小屋へ一旦住まわせて、彼女たちが落ち着いてから屋敷へ迎え入れようとした。
しかし、マリアンナたちは一切理解をせず、今日現在もツキヨは小屋に住み、挙句の果てには「魔物に食わせるエサはない。エサが必要なら自分で稼げ」と使用人以下の扱いになった。
ツキヨの住むエストシテ王国は金や茶色の髪、青や緑、茶色の瞳を持つものがほとんどであるせいか黒髪、黒い瞳が不吉な「魔物の子」として忌み嫌う傾向がある。
忌み嫌うのは、エストシテ王国の西側のボル川を国境として魔族、魔物たちの住まうゴドリバー帝国があるためだ。
二つの国は過去に何度も大きな戦を繰り返し、ついに約200年前に帝国と王国は商業や勉学などの交流と1年に1回エストシテ王国で帝国主催の条約締結記念の大舞踏会を行うという条約を締結した。
ただ、大舞踏会は帝国側の要望で王国で開催、主催を帝国とすることとなった。また、実際は帝国側からは皇帝などは参加せず使者を立てるのみで魔族として参加するのは商業など関わりがあったり物見遊山的な魔族がほとんどだった。
マルセルが黒髪を忌み嫌わないのはオリエのせいでもあるが、商業的に領地内の農作物の取引で魔族と交流があるためだった。
人と同じく、酒を飲み冗談を言い合うそんな魔族と付き合いがあり、それがマリアンナたちのドレスなどになっていることを知ったら彼女は卒倒するだろう。
金切り声と一緒に茶色の髪、薄茶色の瞳で最近ふくよかになりつつある継母の平手打ちが右頬へ炸裂する。今日は楽なほうだ。
「申し訳ございません。もう一度、植え替えを…」
「当たり前でしょう!!」
継母はテラスから室内へ戻り、メイドに八つ当たりをしながら午後のティータイムの支度を指示した。
「本当に、ツキヨはグズね。笑ってしまうわ」明るい茶色の髪、紅茶色の瞳の背の高い娘が笑うと「メリーアンお姉様の言う通り、笑ってしまいますわ。お母様がお優しいからこんなグズでも男爵家に住み続けることができるのだから感謝しないと」と暗い茶色の髪、濃い紅茶色の瞳の少女も笑う。
「私とミリアンもお茶にするわ。バラはさっさと植え替えなさい」
「はい、メリーアン様、ミリアン様。申し訳ございません」
もう一度、頭を下げるとメリーアンとミリアンの2人はクスクスと笑いながらテラスを後にした。
「金色に輝くような黄色がいいと言ったのは誰だったっけ?」
ツキヨは右頬をさすりバラの苗を新たに納入するために本数を数えた。
-ツキヨ・ドゥ・カトレア 17才
下位ではあるが比較的裕福な領地を持つカトレア男爵家の娘である。
父のマルセル・ドゥ・カトレア男爵の4年前に亡くなった妻オリエの残した一人娘だ。
マルセルが妻のいない毎日に耐えられなくなり、友人の紹介で2年前に再婚をした子爵家の未亡人マリアンナ・ドゥ・アイリスの連れ子のメリーアン19才とミリアン18才が加わり三姉妹となった。
…なったはずだった。
マリアンナはツキヨの黒い髪、黒い瞳に嫌悪を示し「魔物の国のゴドリバー帝国の卑しい魔物の娘!」と蔑み、罵り続けツキヨを娘として遠ざけた。
娘たちも「魔物の子」と罵るが、マルセルも黒髪、黒い瞳は遠い遠い東国の血をひく先妻オリエの血筋だと何度も説明をするが彼女たちに理解をさせることができず、ツキヨには敷地内の庭師の住んでいた小屋へ一旦住まわせて、彼女たちが落ち着いてから屋敷へ迎え入れようとした。
しかし、マリアンナたちは一切理解をせず、今日現在もツキヨは小屋に住み、挙句の果てには「魔物に食わせるエサはない。エサが必要なら自分で稼げ」と使用人以下の扱いになった。
ツキヨの住むエストシテ王国は金や茶色の髪、青や緑、茶色の瞳を持つものがほとんどであるせいか黒髪、黒い瞳が不吉な「魔物の子」として忌み嫌う傾向がある。
忌み嫌うのは、エストシテ王国の西側のボル川を国境として魔族、魔物たちの住まうゴドリバー帝国があるためだ。
二つの国は過去に何度も大きな戦を繰り返し、ついに約200年前に帝国と王国は商業や勉学などの交流と1年に1回エストシテ王国で帝国主催の条約締結記念の大舞踏会を行うという条約を締結した。
ただ、大舞踏会は帝国側の要望で王国で開催、主催を帝国とすることとなった。また、実際は帝国側からは皇帝などは参加せず使者を立てるのみで魔族として参加するのは商業など関わりがあったり物見遊山的な魔族がほとんどだった。
マルセルが黒髪を忌み嫌わないのはオリエのせいでもあるが、商業的に領地内の農作物の取引で魔族と交流があるためだった。
人と同じく、酒を飲み冗談を言い合うそんな魔族と付き合いがあり、それがマリアンナたちのドレスなどになっていることを知ったら彼女は卒倒するだろう。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
辺境伯と幼妻の秘め事
睡眠不足
恋愛
父に虐げられていた23歳下のジュリアを守るため、形だけ娶った辺境伯のニコラス。それから5年近くが経過し、ジュリアは美しい女性に成長した。そんなある日、ニコラスはジュリアから本当の妻にしてほしいと迫られる。
途中まで書いていた話のストックが無くなったので、本来書きたかったヒロインが成長した後の話であるこちらを上げさせてもらいます。
*元の話を読まなくても全く問題ありません。
*15歳で成人となる世界です。
*異世界な上にヒーローは人外の血を引いています。
*なかなか本番にいきません
追放された王女は、冷徹公爵に甘く囲われる
vllam40591
恋愛
第三王女エリシアは、魔力も才覚もない「出来損ない」として、
婚約破棄と同時に国外追放を言い渡された。
王家に不要とされ、すべてを失った彼女を保護したのは、
王家と距離を置く冷徹無比の公爵――ルシアン・ヴァルグレイヴ。
「返すつもりだった。最初は」
そう告げられながら、公爵邸で始まったのは
優しいが自由のない、“保護”という名の生活だった。
外出は許可制。
面会も制限され、
夜ごと注がれるのは、触れない視線と逃げ場のない距離。
一方、エリシアを追放した王家は、
彼女の価値に気づき始め、奪い返そうと動き出す。
――出来損ないだったはずの王女を、
誰よりも手放せなくなったのは、冷徹公爵だった。
これは、捨てられた王女が
檻ごと選ばれ、甘く囲われていく物語。
国宝級イケメンとのキスは、最上級に甘いドルチェみたいに私をとろけさせます♡ 〈Dulcisシリーズ〉
はなたろう
恋愛
人気アイドルとの秘密の恋愛♡コウキは俳優やモデルとしても活躍するアイドル。クールで優しいけど、ベッドでは少し意地悪でやきもちやき。彼女の美咲を溺愛し、他の男に取られないかと不安になることも。出会いから交際を経て、甘いキスで溶ける日々の物語。
★みなさまの心にいる、推しを思いながら読んでください
◆出会い編あらすじ
毎日同じ、変わらない。都会の片隅にある植物園で働く美咲。
そこに毎週やってくる、おしゃれで長身の男性。カメラが趣味らい。この日は初めて会話をしたけど、ちょっと変わった人だなーと思っていた。
まさか、その彼が人気アイドル、dulcis〈ドゥルキス〉のメンバーだとは気づきもしなかった。
毎日同じだと思っていた日常、ついに変わるときがきた。
◆登場人物
佐倉 美咲(25) 公園の管理運営企業に勤める。植物園のスタッフから本社の企画営業部へ異動
天見 光季(27) 人気アイドルグループ、dulcis(ドゥルキス)のメンバー。俳優業で活躍中、自然の写真を撮るのが趣味
お読みいただきありがとうございます!
★番外編はこちらに集約してます。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/411579529/693947517
★最年少、甘えん坊ケイタとバツイチ×アラサーの恋愛はじめました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/411579529/408954279
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる