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第6話 翌日の真実
しおりを挟む翌日。
大学のキャンパスの並木道を歩いていると、佐久間が息を切らして駆け寄ってきた。
「凛ーー!! やべぇことになってるぞ!」
「……また夢でも見てるんじゃないの?」
突き出されたスマホには、昨日のライブ。
異世界の光景、そして――私が「これは仕掛けだ!」と叫ぶ姿。
「……ちょっと待って、あんた撮影してたの!?」
「お、おう! 布教のためだからな! 俺はSNS戦士だ!」
呆れつつも、数字に目が釘付けになる。
再生数:120万
「……嘘……」
「ホントだ! しかも俺、事務所のスタッフにスカウトされて、公式SNS担当に抜擢だ!」
コメント欄をスクロール――そこに伸びていたのは、ひとつの言葉。
《探偵アイドル、爆誕!?》
「……探偵アイドル?」
その時、背後から声がした。
「そう。昨日の凛ちゃんは、もう“探偵アイドル”だったんだよ」
振り返ると、そこに立っていたのは天音ほのか。
昨日は巫女のように神々しかった彼女が、今日は淡いワンピース姿。
けれど並木道の木漏れ日に照らされる彼女は、やっぱりステージと同じくらい輝いて見えた。
その隣には、スーツ姿の壮年男性。
ほのかが紹介する。
「この方は私たちの事務所の社長さん。昨日からずっと話したがってたんです」
社長は一歩進み出て、まっすぐに私を見つめた。
「我々は本気だ。君をスカウトしたい」
――異世界なんてなかった。
けれど、この現実はもっとあり得ない。
そして私は、否応なく物語の渦中へと召喚されていた。
……ん!?
探偵アイドル!?
いやいやいや、探偵でもないし、アイドルでもない!
ダンスなんて踊れないし、体育は赤点スレスレだったし!!
無理無理無理、絶対ムリーーー!!!
頭を抱える私に、ほのかがそっと笑いかけた。
その巫女のような微笑みに、鼓動が跳ね上がる。
――けれど耳に残ったのはただ一つの言葉。
探偵アイドル。
それはもう、私の名前になってしまったみたいだった。
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