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後編*
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朝起きると、僕の体はまだ人型のままだった。
人化していられる時間も長くなってきたのかもしれない。
レギウスの様子を見ようともぞもぞ動くが、抱き込まれていたのでちっとも動けない。
「ううぅん」
何とか抜け出そうと四苦八苦していると、目の前にあったレギウスの瞳がパチッと開いた。
『れき!』
昨日はぼんやりしていたけれど、今日はいくらか目の焦点が合っている。それに少しだけ顔色も良くなった。
レギウスの口がぱくぱくと動いた。
『………? すまない』
お前が助けてくれたのか? すまない。たぶんそんな感じの言葉を言われている気がする。だから、うんうんと頷いた。
こちらに巻き付いていたレギウスの腕が外れ、体を起こそうとするが、まだ瘴気の影響が残っているのだろう、ふらついた。
いくらレギウスの体が頑丈だとしても、起き上がれるわけがない。体を休めていないと。
必死で首を振って、レギウスをその場に寝かせた。
『れき、ねて。いいこ、かわいいね、いいこよ』
覚えている言葉を一生懸命伝えて、何とかその場に留めようとする。
『かわいい……?』
不可解という表情を浮かべるレギウスだったけれど、こちらの意図は伝わったみたい。
ため息を吐いて、寝っ転がった。
その後はオルカが彼に事情を説明してくれた。
僕とオルカが協力してレギウスを洞窟へと運んで手当てしたことを。
事情を知るとレギウスは手を伸ばして僕の頭を撫でてくれた。
『ありがとう』
瞳がやわらかく細められて、ああ、笑ったのだと分かった。すごくやさしい笑顔だ。
ぼーっとしていると、オルカがバサバサと翼を動かしたのでハッと我に返る。
「僕、レギウスの仲間達がこの辺りにいないか探して来るよ」
そうだね。
きっと仲間の人達もレギウスのことを探しているに違いないもの。
でも、残念ながらその日、仲間達は見つからなかった。
そしてレギウスの体調も良くならなかったから、僕達は洞窟にしばらくの間こもることになる。
三日ぐらい洞窟で過ごしていると、以前よりもっとレギウスの言葉が理解できるようになってきた。ゆっくり話してくれるので分かりやすい。話す方は……まあ、少しずつといったところ。
『アティス、おいで』
レギウスはくっついて過ごすのが好きみたいで、よく僕を抱き締めて眠る。温かいものね。
この間オルカも一緒にくっついて寝ようって誘ってみたけれど、レギウスもオルカもすごい嫌そうな顔をして首を横に振っていた。
何でだろう。二人は仲が悪いという訳ではないけれど、たまにこういうところがある。
ようやく体を起こせるまでに回復したレギウスは、この日は僕を膝の上に乗せて過ごしていた。
その間オルカはレギウスの仲間を探しに行ってくれている。
膝に乗せられていると鳥型の時とは違って人型だから重くないか心配だ。
『だいじょぶ?』
『ああ』
問題ない、心配するなって感じで頭を撫でられる。
レギウスに撫でられるのは好きだ。鳥の姿だったら、嬉しさのあまりぴょんぴょんと飛び跳ねていたことだろう。
人間の姿だと飛び跳ねられないから、代わりにレギウスにすりすりと頬をすり寄せた。
『……いいか?』
レギウスが何かしゃべって、最後に「いいか?」って聞いてきた。
何を言っているのかは分からないけれど、たぶんこれは『お願い』に違いない。僕に何かして欲しいのだ。
もちろん僕にできることなら何でもしてあげたい。だからこくこくと頷いた。
一体どんなお願い事かな?
次の言葉を待っていると、降ってきたのは言葉じゃなくてレギウスの唇だった。僕の唇と重なる。
びっくりして固まっていたら、二度、三度と繰り返し重なった。
これって……これって―――。
「う…ん」
今度はレギウスの舌が口の中に入ってきた。
何かを探るように。舌を舐められて、舌同士が絡まり合う。初めての感覚に頭がぽわぽわとする。
僕はレギウスが何をして欲しいのか理解した。
ご飯が欲しいんだ、きっと。
僕には子育ての経験がないから分からない。でも、これは雛が一生懸命ご飯を求めている姿に似ている気がした。
『れき、まつ、ない、ない』
ご飯を準備するから待って、そう告げようとしたがレギウスの指が自分のものと絡んで、握り込まれる。
とてもお腹が空いているみたいで、レギウスはさらに深く口の中を探ってくる。ぴちゃ、と湿った音がした。
「ひゃ……」
体の奥の方がムズムズする。僕、なんだか変な感じがする。
どうしてなのか分からなくて、小さく震えた。
「ピキーッ!」
鳴き声が響いた次の瞬間、オルカが洞窟の中に飛び込んできてレギウスに体当たりした。
くっついていた唇が離れていき、はあっと大きく息を吸い込んだ。
『コラッ、ダメ、ダメーッ!』
ぷんぷんとオルカは怒っている。
チッ、とレギウスから音がして、『……ッ!』と何かぶつぶつ言いながらオルカに抗議していた。
それからオルカは僕の肩の上に止まって、鳥の言葉で話しかけてきた。
「大丈夫だった、アティス? レギウスにハムッて食べられそうになっていなかった? 人間って、人間を食べたりするのかなぁ。僕、びっくりしちゃった」
『だいじょぶ。れき、ごはんほしい』
この体だと鳥の言葉が話せないから、人間の言葉で返す。
レギウスはお腹が減ってご飯を欲しがっているだけ、と伝えた。
『違う……』
首を横に振って、深いため息をレギウスは吐いていた。
「そうそう、アティス。僕勇者の仲間達を見つけて連れてきたんだ! もうすぐここへ来るよ」
ほどなくしてレギウスの仲間達が洞窟の中に入ってきた。
『レギウス!』
無事で良かった、そんな感じの言葉を言いながら仲間達が満面の笑顔でレギウスを抱き締めている。
仲間達も無事で、良かった。
彼らとレギウスが合流できて嬉しい。
その気持ちは本物だ。それなのに……どうしてかな。
嬉しいのに、何だか少しだけ寂しい。
仲間達がここに来たということは、この洞窟での暮らしが終わるということだからだ。
レギウスはこれから魔王を倒しに行かなくちゃならなくて、僕はそこについていけない。
『れき……』
寂しくてたまらなくなった時、ぽふんと音がして僕は鳥へと姿が戻った。仲間達がびっくりした顔でこちらを見ている。
あ、どうしよう。
何枚もマントを出して切っていたから、その影響で首から背中にかけて羽毛がごっそりと抜け落ちていた。
自分がしたことに後悔はないけど、この姿をレギウスに見られるのはちょっとだけ恥ずかしい気がした。
『アティス』
名前を呼ばれる。驚いている仲間達とは違って、レギウスが驚いている様子はない。
僕が鳥の獣人だって気付いていたの?
レギウスは少し苦しそうに目を細めて、僕の方へと手を伸ばした。そして禿げてしまった背中の辺りを撫でられる。羽毛がなくなってしまったから肌が敏感になっているみたい。ソワソワする。
『ありがとうな……すまない』
ピィ、と鳴いて返事する。
謝らないで。
だって僕はレギウスに助けてもらった恩返しをしたかったんだから。これぐらいどうってことはない。
レギウスが腕につけていた飾りを外して僕の足に嵌めた。
不思議なことにそれはしゅるしゅると小さくなって僕の足にぴったりとはまる。
金色の綺麗な飾りだ。
飾りを身に着けていると、心なしかほかほかと体が温かい。羽毛のない部分も冷えることはない。
どういう訳か、レギウスの仲間達はその飾りを見て驚いている。
どうしてこれを僕に?
「アティスにあげるって。それは守りの魔法がかかっているから、持っていて欲しいってレギウスは言ってるよ。助けたお礼みたいな感じかなぁ?」
オルカが通訳してくれる。
お礼が欲しくてレギウスを助けた訳じゃないけど、ありがたくもらうことにした。
レギウスと僕を繋ぐ思い出の品として。
これがあれば離れていても寂しくないような気がするんだ。
光にあてると金の飾りがきらきらと輝いた。
***
レギウス達は魔王を倒すために再び旅立っていった。
オルカに通訳してもらったところによると、もうすぐ戦いは終わるそうで、レギウスは魔王を倒したらすぐにエレンデールという町に向かうからそこで待っていて欲しいという。
またレギウスに会えるという事実に胸が震えた。
無事で帰って来て欲しい。早く会いたい。
「オルカ。僕、気付いたんだ。レギウスのことが好きだって」
僕がレギウスの後をどこまでも追いかけていたのは、恩返しのためだけじゃなくて、傍にいたかったからなんだ。
「そっかぁ。何となくそうかなって思っていたよ。レギウスとツガイになりたいんだね」
「うんっ!」
そう、僕はレギウスとツガイになりたい。
離れることなく、ずっと、傍にいたい。
それでゆくゆくは巣を作って、子供を育てるんだ。
獣人と人間の間でだって子供は授かれるよね、きっと。そうじゃなくても、レギウスと一緒にいられたらそれだけでいいやって思える。
「だからレギウスが戻って来たら、求愛してみる」
「わあ…! アティス、すごいや。僕応援するね。きっと大丈夫だよ、レギウスも求愛を受け入れてくれるよ」
「そうだったら嬉しいなぁ」
数日後。
レギウス達がエレンデールの町に戻ってきた。もちろん、魔王を倒してきたのだ。
レギウスが戻って来る日を今か今かと待ち続けて空を飛んでいた僕は、眼下にレギウス達の姿を見つけて慌てて降りて行った。
『れきうしゅ!』
『アティス! おいで』
元気そう。怪我もしていない。良かった!
レギウスは僕を見つけるなり、嬉しそうに微笑んだ。
僕がレギウスに会いたいと思っていたみたいに、レギウスもそうだったらいいなと思う。
もしかしたら、もしかしたら―――。
僕と同じ気持ちを持っていてくれるんじゃないかってそう思える。
レギウスの肩に止まる。
ドキドキしながら、息を吸い込んで、歌い出した。
お願い、僕の気持ちを受け入れて。祈るような気持ちでレギウスへ求愛の歌を贈る。
結果を言うと……、レギウスは僕の求愛に応えてくれなかった。
求愛の歌に、歌って応えてくれなければツガイ関係は成立しないのだ。
レギウスは穏やかに笑っていたけれど、僕の気持ちには応えてくれないみたい。
どうしてなのか理由を聞いてみたい。でも、上手く言葉にできないし、怖い。
高揚していた気持ちは、すっかりとしぼんでしまった。
ピ……、と涙が出てくる。
すると様子を見にきてくれたオルカが、こちらを見てびっくりする。
「アティスー! え、えっ、泣いてる。もしかして求愛に応えてくれなかったの。おのれレギウス……!」
オルカの頭の毛が怒りでボフッと逆立ち、レギウスめがけて急下降した。
くちばしでレギウスの肩の辺りをちくりとする。
オルカったら何てことを。
『うわっ⁉』
刺されたレギウスが声を上げて、僕はオルカの前に立ち塞がった。
「やめて、オルカ!」
「アティス、行こう。レギウスから離れて!」
あまりにもオルカの剣幕がすごくて、放って置いたらレギウスを攻撃し続けてしまうかもしれない。だからオルカを連れてこの場を離れることにした。
ううん、そんなのは言い訳。
本当のところは振られてしまったからレギウスの傍にいるのが辛いんだ。
「レギウスめぇ。アティスをこんな姿にしておきながら求愛を蹴るなんて許されないことだぞ!」
町の外にある木の上に止まってからも、オルカの頭の毛はまだ怒りで逆立っている。こんな姿に、というのは羽毛が抜けて禿げてしまった自分の姿のことだろう。
「そんなこと言わないで。これは僕が勝手にやったことだもの。それにレギウスを攻撃するのは駄目だよ。だって僕はあの人のことが大好きだから。振られたってその気持ちが変わることはないんだ。だからレギウスには傷ついて欲しくない。それに、オルカだって怪我をしてしまうかもしれない。そんなの嫌だよ」
「う、うん。そうだね。ごめんねアティス。僕、ついカッとなっちゃってさ。次にレギウスに会ったら謝るよ」
「うん」
「あの、あのさぁ。ちょっと思ったんだけど、僕達鳥の獣人と人間の求愛の仕方が違うってことないかなぁ? だってどう考えてもアティスが振られるなんておかしいもの。アティスは歌も上手くって、村で一番綺麗な僕の自慢の友達だもの」
「求愛の仕方が違う?」
オルカの言葉に涙を止めて、目を瞬かせる。
「そう。人間と僕達って姿も全然違うでしょ。だから求愛の仕方も違うんじゃないかって僕は思うんだよ。といっても、人間の求愛の仕方は僕も知らないんだけどさ」
「そんなこと考えたこともなかった……」
もしもオルカの言う通りだとしたら、まだレギウスと番になれるチャンスはあるのかもしれない。
「レギウスにきちんと聞いて確かめたいな……。あの、オルカ。一緒についてきてくれる? 僕、一人で行くのはちょっと怖くて」
「もちろん、いいよ! これから一緒に行こう」
レギウス達は冒険の功績を称えられて、お城に呼び寄せられたらしい。
お城に向かう途中で、オルカが「えええっ」と声を上げた。
「どうしたのオルカ?」
「たたた、大変だよアティス。通りすがりの人間の言葉が聞こえてきたんだけど、レギウスがお城のお姫様と結婚するかもしれないって!」
「……っ⁉」
オルカの言葉に自分の全身の羽毛がぶわっと逆立つのを感じた。
「お、お姫様と結婚……」
「うん。魔王を倒したご褒美として、お姫様との結婚が許可されたとか何とか町の人が言ってる」
「そ、そんな……」
レギウス、お姫様と結婚してしまうの?
だから僕の求愛を受けてくれなかったの?
頭がぐらぐらとしてくる。
「アティス、しっかりして。本当にお姫様と結婚するのかちゃんとレギウスに確かめなくちゃ! ……もし本当だったら目に穴を開けてやる……」
最後の方はぼそぼそ言っていて聞こえなかったけど、オルカの言葉にハッとさせられる。
そうだ。僕は人間の言葉があまり分からないからこそ、レギウス自身にきちんと確かめないといけない。
お城の中に入ると僕らを捕まえようと兵士達が追いかけてくる。
捕まったら外に追い出されてしまうだろうから、必死で逃げてレギウスを探す。
そしてとうとうレギウスと仲間達を大きな広間で見つけた。
『れきうしゅ!』
レギウスの名前を呼ぶと、彼がこちらを振り返って驚いた表情を浮かべた。
『アティス!』
あともう少しでレギウスのところに辿り着く、というところで兵士に捕まってしまった。両手で体を握られる。ジタバタ暴れるが抜けられない。
『はなして!』
『何だこのみすぼらしい鳥は! 毛が抜けてしまっているじゃないか。病気でも持っているのか⁉』
兵士はすごく怒っていて、何か叫んでいる。早口すぎてよく分からない。だけど……。
『みす…ぼらし……?』
雰囲気で酷い事を言われているっていうことは分かる。
『コノォォォ』
オルカの頭の毛が逆立って、くちばしをクワッと広げる。
オルカが兵士を攻撃するより先に、兵士の手を払ったのはレギウスだった。
『アティスを離せ!』
地面に落ちそうだった僕の体は、レギウスの手の平に受け止められる。
『れき』
助けてくれるの?
『ぼく、みす…ぼらし?』
だからレギウスの傍に来たらいけないの?
『違う、そんなことを言わないでくれ。君はみすぼらしくなどない。アティスは可愛い。俺の大切な小鳥だ』
僕が聞き取れるようにゆっくりと話してくれる。
抜けてしまった羽毛の部分をやさしくそっと撫でられた。宝物でも触るみたいに。
『かわいい、たいせつ……』
レギウスの言葉を反芻する。
かわいい、知っている言葉だ。いい意味で使う。たいせつ。これもそう、いい意味で使う言葉。
レギウスからもらう温かい言葉が胸の中に降り積もる。
やっぱり僕はレギウスのことが好き。諦められないよ――。
気がつけば人化していて、僕はレギウスに抱きつく形で立っていた。
広間がざわざわとざわめいている。
『れき、ぼく、うたうたった。きゅーあいのうた』
一生懸命言葉を伝える。
『でも、れき、しらんぷり。ぼく、ふられた』
言葉が間違っているかもしれないから、レギウスに伝わっているかは分からない。でも、これはオルカ経由じゃなくて自分自身で伝えないと駄目だと思ったんだ。
『ぼく、れきとつがい、なる。なりたい。だめ?』
レギウスを見上げると、顔が近づいてきて唇が落ちてきた。ちゅっと重なる。
これってお腹が減った時の合図?
どうしてこんな時に?
『れき、ごはん?』
『違うよ。これは人間の求愛だ。きゅうあい、分かるか?』
『きゅーあい……!』
これが人間の求愛!
オルカが言っていた通りだ。人間と鳥獣人の求愛の仕方は違っていたんだ。
ということは、洞窟の中で僕はレギウスの求愛を受けていたということなんだね。
だからあの時、頭がぽわぽわと幸せな気持ちになったんだ。
『アティスの求愛に気付けなくてすまなかった。素敵な歌だったよ』
求愛の歌に応えてくれなかったのは、そういう理由だったのか。僕は振られてなかった。
『れき、うれしい』
人間の求愛、それを真似してちゅっちゅっとレギウスの唇に唇をくっつけた。
『きゅーあい、まね。ぼく、れきにきゅーあい』
『………!』
何だか周りがざわざわしてる。
色んな人がしゃべっているから、よく聞き取れない。
「あ~なるほどなるほど。お姫様との結婚話は一方的に出ていただけみたい。レギウスは『心に決めた人がいるから』って断ったんだって」
オルカが通訳してくれる。
「しかもアティスがもらった金の飾りはレギウスの宝物なんだって。色んな魔力がこもっているから、それがあればアティスの身を守ってくれるらしいよ。なあんだ、ちゃんと好き同士だったんだねぇ」
びっくりして足首を飾る金の飾りに目を落とした。
『これ、れきのたからもの? だいじょぶ?』
こんなすごいものをもらってしまってもいいのかな。
『君に持っていて欲しい。俺の宝物はアティスだから』
『ぼく、たからもの?』
『そうだ。だから俺はアティスと一緒にいたい』
レギウスに手を引かれる。どこかに行くのかな?
広間を出て行く前にレギウスがぺらぺらっと話して仲間達に何かを伝えた。
「レギウスはアティスと二人きりになりたいんだって。仲間達も好きにしてくれってやれやれとした顔しているね。えっ、僕も行っちゃいけないの。むううう」
オルカが頬を膨らませた。
「でも、いいよ。僕はレギウスを突いてしまったからね。反省して待っていることにするよ。あ、でもこれだけはレギウスに言っておかないと。『アティス泣かせたらダメダメーッ!』」
最後の部分だけ人間の言葉でレギウスに伝えていた。
『れき、いじわるちがう。ぼく、なかない』
レギウスはやさしいから、僕を泣かせることなんてしないと思う。
そうだよね、という意味を込めてレギウスを見上げると少しの間があって、それから『善処する』って難しい言葉で答えた。
ぜんしょする、ってどういう意味かな。
宿屋につくと、ちゅっちゅっと唇をくっつけて何度もレギウスに求愛された。
僕も嬉しくなって真似をして舌でぺろぺろと口の中を舐め返した。
人間の求愛って素敵だな。
すごく気持ちがいい。
服を脱げるか聞かれて、しゅるしゅると布を引っ込めるとレギウスの舌が唇から離れて肌の上まで落ちてきた。胸の先の突起を吸われる。
「ひゃっ」
ゾクゾクした感覚に驚いて声を上げる。
『れき、きゅーあい? これ、きゅーあい?』
先ほどまでの求愛とは少し違うような気がして、首を傾げる。
『求愛の延長戦のようなものだ』
『えんちょ…せん』
服を脱いだレギウスの肌が、僕の肌に重なる。足の付け根の方に違和感。硬い!
びっくりしてはふっとため息を吐く。
これって…これって―――。
交尾するということ? レギウスは僕と卵が作りたいの?
僕達鳥獣人は、求愛して、巣作りして、それから卵を作るから一足飛びした展開に頭がくらくらしてきた。
人間って気が早いんだ。
『れき、たまごほしい? ぼくとれきのたまご』
『卵? ……もしかして産めるのか?』
こくんと頷く。
どうしてそんなことを聞くんだろう。僕達は男でも女でもどちらでも卵を産めるけど、人間は違うのかな。
『そうなのか』
レギウスの頬が赤くなっている。
『卵も欲しいと思うが、それだけじゃない。人間はこうやって愛を確かめ合うんだ。だから、いいか?』
少し言葉が難しいけど、レギウスにとって必要な行為だというのなら、僕も受け入れたい。
足の付け根の方にある硬いものが人間の生殖器らしい。
硬くなったそれがお腹の奥の方にぬぐっと入ってきた。大きい。すごい。
少し苦しくて、はっはっ、と息を吐く。
『大丈夫か?』
レギウスはとても気遣ってくれて、僕のお腹が苦しくなくなるまで、顔や首にちゅっちゅっと唇を落としてくれる。
『いいこだ、かわいい。好きだ』
あ…よく知ってる言葉。いいこ、かわいい。褒める時に使う。好きだもきっとそう。
レギウスに褒められるのは嬉しい。
両手でレギウスのほっぺたを挟んで僕も言葉を返す。
『れきもいいこね、かわいいね。しゅき』
レギウスが堪え切れなくなったように、深くため息を吐いた。
『君という子は……。すまないが、動いてもいいか』
こくんと頷くと、レギウスが腰を動かし始めた。性器で中を擦られると甘い疼きが走った。
『れき、あ、あっ、んん……ッ』
お腹が熱い。すごく変な感じ。
レギウスの手は大きくて、硬い。いつも剣を握っていたからなのかな。その大きな手の平が足の付け根に生えた僕の性器を包んだ。
腰を動かしながら、ぬちぬちって性器を擦られる。
『れき、それ、やっ』
目の前のレギウスの胸を押す。
『嫌か?』
『おなか、へん、あつい』
お腹が熱くて変な感じがするって一生懸命伝えているのに、レギウスはふっと笑って『大丈夫だ、もう少しだけ』って言って手を止めてくれない。
どうしよう、すごくすごく気持ちがいい。
『ふ、うぅ、れき……』
涙がぽろんと落ちてきて、胸を押していた手を止めて、レギウスの首にしがみついた。
『しゅき、しゅき』
『アティス……』
レギウスの顔からも余裕がなくなって、動きが速くなった。
『あ、あっ、んああっ……!』
お腹の中に熱いものが入ってきて、僕もレギウスの手の平にぴゅくぴゅくと白いものを放っていた。
これが人間の精子。
気持ちがよくて、頭がぽーっとして、何も考えられなくなってしまう。
『ぼくとれきのたまご、できるね』
卵、産まれるかな。
嬉しくてにこにこしていたら、またレギウスが覆いかぶさってきた。
『すまない。かわいすぎて我慢ができそうにない』
ちゅっちゅっと唇をくっつけて、何度も求愛された。
あの後、僕は気持ちよさのあまりレギウスによっていっぱい泣かされることになる。
アティスを泣かせたらダメ、と言ったオルカの言葉にレギウスが一瞬ためらっていた意味がようやく分かった。
あの時の行為を思い出すと、僕の頭はぽわぽわとしてしまう。
人間ってすごいや。
次の日オルカが僕の目元が赤いことに気がついて『おのれ、レギウス……!』と頭の毛を逆立たせた。
レギウスを追いかけて突きまわし、僕はオロオロしながら二人を止めることになるのだった……。
***
それから。
僕はレギウスを連れて故郷へと戻った。もちろんオルカも一緒に。
そうしてそのまま村の片隅に巣――家を建ててレギウスと暮らしている。
「えへへ。僕も一緒に住みたいなぁ。駄目かなぁ?」
オルカは翼をゆらし、もじもじしながら、一緒に住みたいと訴えてきた。
僕はとてもいい考えだと思った。レギウスとオルカ、大切な二人と暮らせるなんて素敵なことだから。
レギウスは何かを言いかけて、僕があまりにもにこにこしているせいか、その言葉を飲み込んでしまった。
『まあ、いいか。アティスが喜んでいることだし。ただし、俺達の生活の邪魔だけはするなよ』
『ヘーキだ! オルカはおとなしくてかわいいペットみたいなものだ!』
『よく言うよ……』
胸を反らして得意げなオルカに対して、レギウスは肩をすくめて首を横に振った。
レギウスは畑を耕して、村の食料を増やす役目を担っていて僕とオルカも時々その手伝いをしている。
村のみんなはよく働く人間のレギウスのことが大好きで、興味津々。
「レギウスってよく働くねぇ」
「アティスの旦那さんは、すごいや。いい人を見つけたね。私達の村に住んでくれて嬉しいねぇ」
そんなことを言いながら、みんなは家の外の木に止まってピチピチとおしゃべりしたり、歌を歌ったりしながらのんびり過ごしている。
『みんなまいにちくる。れきのことみてる。れき、きにならない?』
毎日毎日遊びにくるみんなのこと、レギウスは気になったりしないかな?
そういう僕も旅の間ずっとレギウスのことを追いかけ回していたから、今更ながら迷惑だったんじゃないかと心配になってきた。
だから尋ねてみた。でもレギウスはにっこり笑って首を横に振った。
『いいや。君達の声は心を明るくしてくれる。とても賑やかで楽しい。ここはのどかで平和な良い村だ。アティスとここで暮らしていきたい』
それはお世辞でも何でもなくて、魔王を倒す旅が大変だったためか、レギウスは村での暮らしを気に入っているみたいだった。
僕もこの村が大好きだ。
レギウスがいて、友達のオルカもいて、やさしい村のみんながいて、それから―――。
お腹の中には卵もいる。もうちょっとしたら生まれる予定だ。
ああ、早く会いたいなぁ。
『れきうしゅ、しゅき』
僕はしゃべる方がまだ全然得意ではないけど、生まれてくる子供のためにも発音を頑張りたいと思う。お手本にならなくちゃ!
『そのしゃべり方もかわいいから、いいと思うぞ。俺は好きだ』
レギウスはそう言って、僕の頭をたくさん撫でて甘やかしてくれた。
END
人化していられる時間も長くなってきたのかもしれない。
レギウスの様子を見ようともぞもぞ動くが、抱き込まれていたのでちっとも動けない。
「ううぅん」
何とか抜け出そうと四苦八苦していると、目の前にあったレギウスの瞳がパチッと開いた。
『れき!』
昨日はぼんやりしていたけれど、今日はいくらか目の焦点が合っている。それに少しだけ顔色も良くなった。
レギウスの口がぱくぱくと動いた。
『………? すまない』
お前が助けてくれたのか? すまない。たぶんそんな感じの言葉を言われている気がする。だから、うんうんと頷いた。
こちらに巻き付いていたレギウスの腕が外れ、体を起こそうとするが、まだ瘴気の影響が残っているのだろう、ふらついた。
いくらレギウスの体が頑丈だとしても、起き上がれるわけがない。体を休めていないと。
必死で首を振って、レギウスをその場に寝かせた。
『れき、ねて。いいこ、かわいいね、いいこよ』
覚えている言葉を一生懸命伝えて、何とかその場に留めようとする。
『かわいい……?』
不可解という表情を浮かべるレギウスだったけれど、こちらの意図は伝わったみたい。
ため息を吐いて、寝っ転がった。
その後はオルカが彼に事情を説明してくれた。
僕とオルカが協力してレギウスを洞窟へと運んで手当てしたことを。
事情を知るとレギウスは手を伸ばして僕の頭を撫でてくれた。
『ありがとう』
瞳がやわらかく細められて、ああ、笑ったのだと分かった。すごくやさしい笑顔だ。
ぼーっとしていると、オルカがバサバサと翼を動かしたのでハッと我に返る。
「僕、レギウスの仲間達がこの辺りにいないか探して来るよ」
そうだね。
きっと仲間の人達もレギウスのことを探しているに違いないもの。
でも、残念ながらその日、仲間達は見つからなかった。
そしてレギウスの体調も良くならなかったから、僕達は洞窟にしばらくの間こもることになる。
三日ぐらい洞窟で過ごしていると、以前よりもっとレギウスの言葉が理解できるようになってきた。ゆっくり話してくれるので分かりやすい。話す方は……まあ、少しずつといったところ。
『アティス、おいで』
レギウスはくっついて過ごすのが好きみたいで、よく僕を抱き締めて眠る。温かいものね。
この間オルカも一緒にくっついて寝ようって誘ってみたけれど、レギウスもオルカもすごい嫌そうな顔をして首を横に振っていた。
何でだろう。二人は仲が悪いという訳ではないけれど、たまにこういうところがある。
ようやく体を起こせるまでに回復したレギウスは、この日は僕を膝の上に乗せて過ごしていた。
その間オルカはレギウスの仲間を探しに行ってくれている。
膝に乗せられていると鳥型の時とは違って人型だから重くないか心配だ。
『だいじょぶ?』
『ああ』
問題ない、心配するなって感じで頭を撫でられる。
レギウスに撫でられるのは好きだ。鳥の姿だったら、嬉しさのあまりぴょんぴょんと飛び跳ねていたことだろう。
人間の姿だと飛び跳ねられないから、代わりにレギウスにすりすりと頬をすり寄せた。
『……いいか?』
レギウスが何かしゃべって、最後に「いいか?」って聞いてきた。
何を言っているのかは分からないけれど、たぶんこれは『お願い』に違いない。僕に何かして欲しいのだ。
もちろん僕にできることなら何でもしてあげたい。だからこくこくと頷いた。
一体どんなお願い事かな?
次の言葉を待っていると、降ってきたのは言葉じゃなくてレギウスの唇だった。僕の唇と重なる。
びっくりして固まっていたら、二度、三度と繰り返し重なった。
これって……これって―――。
「う…ん」
今度はレギウスの舌が口の中に入ってきた。
何かを探るように。舌を舐められて、舌同士が絡まり合う。初めての感覚に頭がぽわぽわとする。
僕はレギウスが何をして欲しいのか理解した。
ご飯が欲しいんだ、きっと。
僕には子育ての経験がないから分からない。でも、これは雛が一生懸命ご飯を求めている姿に似ている気がした。
『れき、まつ、ない、ない』
ご飯を準備するから待って、そう告げようとしたがレギウスの指が自分のものと絡んで、握り込まれる。
とてもお腹が空いているみたいで、レギウスはさらに深く口の中を探ってくる。ぴちゃ、と湿った音がした。
「ひゃ……」
体の奥の方がムズムズする。僕、なんだか変な感じがする。
どうしてなのか分からなくて、小さく震えた。
「ピキーッ!」
鳴き声が響いた次の瞬間、オルカが洞窟の中に飛び込んできてレギウスに体当たりした。
くっついていた唇が離れていき、はあっと大きく息を吸い込んだ。
『コラッ、ダメ、ダメーッ!』
ぷんぷんとオルカは怒っている。
チッ、とレギウスから音がして、『……ッ!』と何かぶつぶつ言いながらオルカに抗議していた。
それからオルカは僕の肩の上に止まって、鳥の言葉で話しかけてきた。
「大丈夫だった、アティス? レギウスにハムッて食べられそうになっていなかった? 人間って、人間を食べたりするのかなぁ。僕、びっくりしちゃった」
『だいじょぶ。れき、ごはんほしい』
この体だと鳥の言葉が話せないから、人間の言葉で返す。
レギウスはお腹が減ってご飯を欲しがっているだけ、と伝えた。
『違う……』
首を横に振って、深いため息をレギウスは吐いていた。
「そうそう、アティス。僕勇者の仲間達を見つけて連れてきたんだ! もうすぐここへ来るよ」
ほどなくしてレギウスの仲間達が洞窟の中に入ってきた。
『レギウス!』
無事で良かった、そんな感じの言葉を言いながら仲間達が満面の笑顔でレギウスを抱き締めている。
仲間達も無事で、良かった。
彼らとレギウスが合流できて嬉しい。
その気持ちは本物だ。それなのに……どうしてかな。
嬉しいのに、何だか少しだけ寂しい。
仲間達がここに来たということは、この洞窟での暮らしが終わるということだからだ。
レギウスはこれから魔王を倒しに行かなくちゃならなくて、僕はそこについていけない。
『れき……』
寂しくてたまらなくなった時、ぽふんと音がして僕は鳥へと姿が戻った。仲間達がびっくりした顔でこちらを見ている。
あ、どうしよう。
何枚もマントを出して切っていたから、その影響で首から背中にかけて羽毛がごっそりと抜け落ちていた。
自分がしたことに後悔はないけど、この姿をレギウスに見られるのはちょっとだけ恥ずかしい気がした。
『アティス』
名前を呼ばれる。驚いている仲間達とは違って、レギウスが驚いている様子はない。
僕が鳥の獣人だって気付いていたの?
レギウスは少し苦しそうに目を細めて、僕の方へと手を伸ばした。そして禿げてしまった背中の辺りを撫でられる。羽毛がなくなってしまったから肌が敏感になっているみたい。ソワソワする。
『ありがとうな……すまない』
ピィ、と鳴いて返事する。
謝らないで。
だって僕はレギウスに助けてもらった恩返しをしたかったんだから。これぐらいどうってことはない。
レギウスが腕につけていた飾りを外して僕の足に嵌めた。
不思議なことにそれはしゅるしゅると小さくなって僕の足にぴったりとはまる。
金色の綺麗な飾りだ。
飾りを身に着けていると、心なしかほかほかと体が温かい。羽毛のない部分も冷えることはない。
どういう訳か、レギウスの仲間達はその飾りを見て驚いている。
どうしてこれを僕に?
「アティスにあげるって。それは守りの魔法がかかっているから、持っていて欲しいってレギウスは言ってるよ。助けたお礼みたいな感じかなぁ?」
オルカが通訳してくれる。
お礼が欲しくてレギウスを助けた訳じゃないけど、ありがたくもらうことにした。
レギウスと僕を繋ぐ思い出の品として。
これがあれば離れていても寂しくないような気がするんだ。
光にあてると金の飾りがきらきらと輝いた。
***
レギウス達は魔王を倒すために再び旅立っていった。
オルカに通訳してもらったところによると、もうすぐ戦いは終わるそうで、レギウスは魔王を倒したらすぐにエレンデールという町に向かうからそこで待っていて欲しいという。
またレギウスに会えるという事実に胸が震えた。
無事で帰って来て欲しい。早く会いたい。
「オルカ。僕、気付いたんだ。レギウスのことが好きだって」
僕がレギウスの後をどこまでも追いかけていたのは、恩返しのためだけじゃなくて、傍にいたかったからなんだ。
「そっかぁ。何となくそうかなって思っていたよ。レギウスとツガイになりたいんだね」
「うんっ!」
そう、僕はレギウスとツガイになりたい。
離れることなく、ずっと、傍にいたい。
それでゆくゆくは巣を作って、子供を育てるんだ。
獣人と人間の間でだって子供は授かれるよね、きっと。そうじゃなくても、レギウスと一緒にいられたらそれだけでいいやって思える。
「だからレギウスが戻って来たら、求愛してみる」
「わあ…! アティス、すごいや。僕応援するね。きっと大丈夫だよ、レギウスも求愛を受け入れてくれるよ」
「そうだったら嬉しいなぁ」
数日後。
レギウス達がエレンデールの町に戻ってきた。もちろん、魔王を倒してきたのだ。
レギウスが戻って来る日を今か今かと待ち続けて空を飛んでいた僕は、眼下にレギウス達の姿を見つけて慌てて降りて行った。
『れきうしゅ!』
『アティス! おいで』
元気そう。怪我もしていない。良かった!
レギウスは僕を見つけるなり、嬉しそうに微笑んだ。
僕がレギウスに会いたいと思っていたみたいに、レギウスもそうだったらいいなと思う。
もしかしたら、もしかしたら―――。
僕と同じ気持ちを持っていてくれるんじゃないかってそう思える。
レギウスの肩に止まる。
ドキドキしながら、息を吸い込んで、歌い出した。
お願い、僕の気持ちを受け入れて。祈るような気持ちでレギウスへ求愛の歌を贈る。
結果を言うと……、レギウスは僕の求愛に応えてくれなかった。
求愛の歌に、歌って応えてくれなければツガイ関係は成立しないのだ。
レギウスは穏やかに笑っていたけれど、僕の気持ちには応えてくれないみたい。
どうしてなのか理由を聞いてみたい。でも、上手く言葉にできないし、怖い。
高揚していた気持ちは、すっかりとしぼんでしまった。
ピ……、と涙が出てくる。
すると様子を見にきてくれたオルカが、こちらを見てびっくりする。
「アティスー! え、えっ、泣いてる。もしかして求愛に応えてくれなかったの。おのれレギウス……!」
オルカの頭の毛が怒りでボフッと逆立ち、レギウスめがけて急下降した。
くちばしでレギウスの肩の辺りをちくりとする。
オルカったら何てことを。
『うわっ⁉』
刺されたレギウスが声を上げて、僕はオルカの前に立ち塞がった。
「やめて、オルカ!」
「アティス、行こう。レギウスから離れて!」
あまりにもオルカの剣幕がすごくて、放って置いたらレギウスを攻撃し続けてしまうかもしれない。だからオルカを連れてこの場を離れることにした。
ううん、そんなのは言い訳。
本当のところは振られてしまったからレギウスの傍にいるのが辛いんだ。
「レギウスめぇ。アティスをこんな姿にしておきながら求愛を蹴るなんて許されないことだぞ!」
町の外にある木の上に止まってからも、オルカの頭の毛はまだ怒りで逆立っている。こんな姿に、というのは羽毛が抜けて禿げてしまった自分の姿のことだろう。
「そんなこと言わないで。これは僕が勝手にやったことだもの。それにレギウスを攻撃するのは駄目だよ。だって僕はあの人のことが大好きだから。振られたってその気持ちが変わることはないんだ。だからレギウスには傷ついて欲しくない。それに、オルカだって怪我をしてしまうかもしれない。そんなの嫌だよ」
「う、うん。そうだね。ごめんねアティス。僕、ついカッとなっちゃってさ。次にレギウスに会ったら謝るよ」
「うん」
「あの、あのさぁ。ちょっと思ったんだけど、僕達鳥の獣人と人間の求愛の仕方が違うってことないかなぁ? だってどう考えてもアティスが振られるなんておかしいもの。アティスは歌も上手くって、村で一番綺麗な僕の自慢の友達だもの」
「求愛の仕方が違う?」
オルカの言葉に涙を止めて、目を瞬かせる。
「そう。人間と僕達って姿も全然違うでしょ。だから求愛の仕方も違うんじゃないかって僕は思うんだよ。といっても、人間の求愛の仕方は僕も知らないんだけどさ」
「そんなこと考えたこともなかった……」
もしもオルカの言う通りだとしたら、まだレギウスと番になれるチャンスはあるのかもしれない。
「レギウスにきちんと聞いて確かめたいな……。あの、オルカ。一緒についてきてくれる? 僕、一人で行くのはちょっと怖くて」
「もちろん、いいよ! これから一緒に行こう」
レギウス達は冒険の功績を称えられて、お城に呼び寄せられたらしい。
お城に向かう途中で、オルカが「えええっ」と声を上げた。
「どうしたのオルカ?」
「たたた、大変だよアティス。通りすがりの人間の言葉が聞こえてきたんだけど、レギウスがお城のお姫様と結婚するかもしれないって!」
「……っ⁉」
オルカの言葉に自分の全身の羽毛がぶわっと逆立つのを感じた。
「お、お姫様と結婚……」
「うん。魔王を倒したご褒美として、お姫様との結婚が許可されたとか何とか町の人が言ってる」
「そ、そんな……」
レギウス、お姫様と結婚してしまうの?
だから僕の求愛を受けてくれなかったの?
頭がぐらぐらとしてくる。
「アティス、しっかりして。本当にお姫様と結婚するのかちゃんとレギウスに確かめなくちゃ! ……もし本当だったら目に穴を開けてやる……」
最後の方はぼそぼそ言っていて聞こえなかったけど、オルカの言葉にハッとさせられる。
そうだ。僕は人間の言葉があまり分からないからこそ、レギウス自身にきちんと確かめないといけない。
お城の中に入ると僕らを捕まえようと兵士達が追いかけてくる。
捕まったら外に追い出されてしまうだろうから、必死で逃げてレギウスを探す。
そしてとうとうレギウスと仲間達を大きな広間で見つけた。
『れきうしゅ!』
レギウスの名前を呼ぶと、彼がこちらを振り返って驚いた表情を浮かべた。
『アティス!』
あともう少しでレギウスのところに辿り着く、というところで兵士に捕まってしまった。両手で体を握られる。ジタバタ暴れるが抜けられない。
『はなして!』
『何だこのみすぼらしい鳥は! 毛が抜けてしまっているじゃないか。病気でも持っているのか⁉』
兵士はすごく怒っていて、何か叫んでいる。早口すぎてよく分からない。だけど……。
『みす…ぼらし……?』
雰囲気で酷い事を言われているっていうことは分かる。
『コノォォォ』
オルカの頭の毛が逆立って、くちばしをクワッと広げる。
オルカが兵士を攻撃するより先に、兵士の手を払ったのはレギウスだった。
『アティスを離せ!』
地面に落ちそうだった僕の体は、レギウスの手の平に受け止められる。
『れき』
助けてくれるの?
『ぼく、みす…ぼらし?』
だからレギウスの傍に来たらいけないの?
『違う、そんなことを言わないでくれ。君はみすぼらしくなどない。アティスは可愛い。俺の大切な小鳥だ』
僕が聞き取れるようにゆっくりと話してくれる。
抜けてしまった羽毛の部分をやさしくそっと撫でられた。宝物でも触るみたいに。
『かわいい、たいせつ……』
レギウスの言葉を反芻する。
かわいい、知っている言葉だ。いい意味で使う。たいせつ。これもそう、いい意味で使う言葉。
レギウスからもらう温かい言葉が胸の中に降り積もる。
やっぱり僕はレギウスのことが好き。諦められないよ――。
気がつけば人化していて、僕はレギウスに抱きつく形で立っていた。
広間がざわざわとざわめいている。
『れき、ぼく、うたうたった。きゅーあいのうた』
一生懸命言葉を伝える。
『でも、れき、しらんぷり。ぼく、ふられた』
言葉が間違っているかもしれないから、レギウスに伝わっているかは分からない。でも、これはオルカ経由じゃなくて自分自身で伝えないと駄目だと思ったんだ。
『ぼく、れきとつがい、なる。なりたい。だめ?』
レギウスを見上げると、顔が近づいてきて唇が落ちてきた。ちゅっと重なる。
これってお腹が減った時の合図?
どうしてこんな時に?
『れき、ごはん?』
『違うよ。これは人間の求愛だ。きゅうあい、分かるか?』
『きゅーあい……!』
これが人間の求愛!
オルカが言っていた通りだ。人間と鳥獣人の求愛の仕方は違っていたんだ。
ということは、洞窟の中で僕はレギウスの求愛を受けていたということなんだね。
だからあの時、頭がぽわぽわと幸せな気持ちになったんだ。
『アティスの求愛に気付けなくてすまなかった。素敵な歌だったよ』
求愛の歌に応えてくれなかったのは、そういう理由だったのか。僕は振られてなかった。
『れき、うれしい』
人間の求愛、それを真似してちゅっちゅっとレギウスの唇に唇をくっつけた。
『きゅーあい、まね。ぼく、れきにきゅーあい』
『………!』
何だか周りがざわざわしてる。
色んな人がしゃべっているから、よく聞き取れない。
「あ~なるほどなるほど。お姫様との結婚話は一方的に出ていただけみたい。レギウスは『心に決めた人がいるから』って断ったんだって」
オルカが通訳してくれる。
「しかもアティスがもらった金の飾りはレギウスの宝物なんだって。色んな魔力がこもっているから、それがあればアティスの身を守ってくれるらしいよ。なあんだ、ちゃんと好き同士だったんだねぇ」
びっくりして足首を飾る金の飾りに目を落とした。
『これ、れきのたからもの? だいじょぶ?』
こんなすごいものをもらってしまってもいいのかな。
『君に持っていて欲しい。俺の宝物はアティスだから』
『ぼく、たからもの?』
『そうだ。だから俺はアティスと一緒にいたい』
レギウスに手を引かれる。どこかに行くのかな?
広間を出て行く前にレギウスがぺらぺらっと話して仲間達に何かを伝えた。
「レギウスはアティスと二人きりになりたいんだって。仲間達も好きにしてくれってやれやれとした顔しているね。えっ、僕も行っちゃいけないの。むううう」
オルカが頬を膨らませた。
「でも、いいよ。僕はレギウスを突いてしまったからね。反省して待っていることにするよ。あ、でもこれだけはレギウスに言っておかないと。『アティス泣かせたらダメダメーッ!』」
最後の部分だけ人間の言葉でレギウスに伝えていた。
『れき、いじわるちがう。ぼく、なかない』
レギウスはやさしいから、僕を泣かせることなんてしないと思う。
そうだよね、という意味を込めてレギウスを見上げると少しの間があって、それから『善処する』って難しい言葉で答えた。
ぜんしょする、ってどういう意味かな。
宿屋につくと、ちゅっちゅっと唇をくっつけて何度もレギウスに求愛された。
僕も嬉しくなって真似をして舌でぺろぺろと口の中を舐め返した。
人間の求愛って素敵だな。
すごく気持ちがいい。
服を脱げるか聞かれて、しゅるしゅると布を引っ込めるとレギウスの舌が唇から離れて肌の上まで落ちてきた。胸の先の突起を吸われる。
「ひゃっ」
ゾクゾクした感覚に驚いて声を上げる。
『れき、きゅーあい? これ、きゅーあい?』
先ほどまでの求愛とは少し違うような気がして、首を傾げる。
『求愛の延長戦のようなものだ』
『えんちょ…せん』
服を脱いだレギウスの肌が、僕の肌に重なる。足の付け根の方に違和感。硬い!
びっくりしてはふっとため息を吐く。
これって…これって―――。
交尾するということ? レギウスは僕と卵が作りたいの?
僕達鳥獣人は、求愛して、巣作りして、それから卵を作るから一足飛びした展開に頭がくらくらしてきた。
人間って気が早いんだ。
『れき、たまごほしい? ぼくとれきのたまご』
『卵? ……もしかして産めるのか?』
こくんと頷く。
どうしてそんなことを聞くんだろう。僕達は男でも女でもどちらでも卵を産めるけど、人間は違うのかな。
『そうなのか』
レギウスの頬が赤くなっている。
『卵も欲しいと思うが、それだけじゃない。人間はこうやって愛を確かめ合うんだ。だから、いいか?』
少し言葉が難しいけど、レギウスにとって必要な行為だというのなら、僕も受け入れたい。
足の付け根の方にある硬いものが人間の生殖器らしい。
硬くなったそれがお腹の奥の方にぬぐっと入ってきた。大きい。すごい。
少し苦しくて、はっはっ、と息を吐く。
『大丈夫か?』
レギウスはとても気遣ってくれて、僕のお腹が苦しくなくなるまで、顔や首にちゅっちゅっと唇を落としてくれる。
『いいこだ、かわいい。好きだ』
あ…よく知ってる言葉。いいこ、かわいい。褒める時に使う。好きだもきっとそう。
レギウスに褒められるのは嬉しい。
両手でレギウスのほっぺたを挟んで僕も言葉を返す。
『れきもいいこね、かわいいね。しゅき』
レギウスが堪え切れなくなったように、深くため息を吐いた。
『君という子は……。すまないが、動いてもいいか』
こくんと頷くと、レギウスが腰を動かし始めた。性器で中を擦られると甘い疼きが走った。
『れき、あ、あっ、んん……ッ』
お腹が熱い。すごく変な感じ。
レギウスの手は大きくて、硬い。いつも剣を握っていたからなのかな。その大きな手の平が足の付け根に生えた僕の性器を包んだ。
腰を動かしながら、ぬちぬちって性器を擦られる。
『れき、それ、やっ』
目の前のレギウスの胸を押す。
『嫌か?』
『おなか、へん、あつい』
お腹が熱くて変な感じがするって一生懸命伝えているのに、レギウスはふっと笑って『大丈夫だ、もう少しだけ』って言って手を止めてくれない。
どうしよう、すごくすごく気持ちがいい。
『ふ、うぅ、れき……』
涙がぽろんと落ちてきて、胸を押していた手を止めて、レギウスの首にしがみついた。
『しゅき、しゅき』
『アティス……』
レギウスの顔からも余裕がなくなって、動きが速くなった。
『あ、あっ、んああっ……!』
お腹の中に熱いものが入ってきて、僕もレギウスの手の平にぴゅくぴゅくと白いものを放っていた。
これが人間の精子。
気持ちがよくて、頭がぽーっとして、何も考えられなくなってしまう。
『ぼくとれきのたまご、できるね』
卵、産まれるかな。
嬉しくてにこにこしていたら、またレギウスが覆いかぶさってきた。
『すまない。かわいすぎて我慢ができそうにない』
ちゅっちゅっと唇をくっつけて、何度も求愛された。
あの後、僕は気持ちよさのあまりレギウスによっていっぱい泣かされることになる。
アティスを泣かせたらダメ、と言ったオルカの言葉にレギウスが一瞬ためらっていた意味がようやく分かった。
あの時の行為を思い出すと、僕の頭はぽわぽわとしてしまう。
人間ってすごいや。
次の日オルカが僕の目元が赤いことに気がついて『おのれ、レギウス……!』と頭の毛を逆立たせた。
レギウスを追いかけて突きまわし、僕はオロオロしながら二人を止めることになるのだった……。
***
それから。
僕はレギウスを連れて故郷へと戻った。もちろんオルカも一緒に。
そうしてそのまま村の片隅に巣――家を建ててレギウスと暮らしている。
「えへへ。僕も一緒に住みたいなぁ。駄目かなぁ?」
オルカは翼をゆらし、もじもじしながら、一緒に住みたいと訴えてきた。
僕はとてもいい考えだと思った。レギウスとオルカ、大切な二人と暮らせるなんて素敵なことだから。
レギウスは何かを言いかけて、僕があまりにもにこにこしているせいか、その言葉を飲み込んでしまった。
『まあ、いいか。アティスが喜んでいることだし。ただし、俺達の生活の邪魔だけはするなよ』
『ヘーキだ! オルカはおとなしくてかわいいペットみたいなものだ!』
『よく言うよ……』
胸を反らして得意げなオルカに対して、レギウスは肩をすくめて首を横に振った。
レギウスは畑を耕して、村の食料を増やす役目を担っていて僕とオルカも時々その手伝いをしている。
村のみんなはよく働く人間のレギウスのことが大好きで、興味津々。
「レギウスってよく働くねぇ」
「アティスの旦那さんは、すごいや。いい人を見つけたね。私達の村に住んでくれて嬉しいねぇ」
そんなことを言いながら、みんなは家の外の木に止まってピチピチとおしゃべりしたり、歌を歌ったりしながらのんびり過ごしている。
『みんなまいにちくる。れきのことみてる。れき、きにならない?』
毎日毎日遊びにくるみんなのこと、レギウスは気になったりしないかな?
そういう僕も旅の間ずっとレギウスのことを追いかけ回していたから、今更ながら迷惑だったんじゃないかと心配になってきた。
だから尋ねてみた。でもレギウスはにっこり笑って首を横に振った。
『いいや。君達の声は心を明るくしてくれる。とても賑やかで楽しい。ここはのどかで平和な良い村だ。アティスとここで暮らしていきたい』
それはお世辞でも何でもなくて、魔王を倒す旅が大変だったためか、レギウスは村での暮らしを気に入っているみたいだった。
僕もこの村が大好きだ。
レギウスがいて、友達のオルカもいて、やさしい村のみんながいて、それから―――。
お腹の中には卵もいる。もうちょっとしたら生まれる予定だ。
ああ、早く会いたいなぁ。
『れきうしゅ、しゅき』
僕はしゃべる方がまだ全然得意ではないけど、生まれてくる子供のためにも発音を頑張りたいと思う。お手本にならなくちゃ!
『そのしゃべり方もかわいいから、いいと思うぞ。俺は好きだ』
レギウスはそう言って、僕の頭をたくさん撫でて甘やかしてくれた。
END
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