塔の魔術師と騎士の献身

倉くらの

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6話 塔の魔術師と騎士の愛

12*(完)

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 帰還先は塔の一室だった。
 ここへ戻ってくるのは一ヵ月半ぶりだ。随分と長い旅だった気がする。
 しばらく無言で考え込んでいたからか、アゼリアが恐る恐るという感じで聞いてくる。

「エーティアちゃん、勝手に過去に送っちゃって、たくさんひどい目に遭ったから怒ってる?」

「いや……。過去への旅は俺にとって必要なものだったのだろう」

 過去の出来事、フレンを失ったあの経験がなければ、俺は自分の気持ちを認めようとせずいつまでも大切なことに気付けずにいただろう。
 だからあれで良かったのだと思う。

「それよりお前は良かったのか? 過去に渡るという貴重な魔術を俺のために使ってしまって」

 一度きりしか過去へ渡ることができないので、アゼリアが今後過去に渡りたいと思ってももうあの術は使えないのだ。

「ふふっ。全力で今を生きる私にはやり直したい過去はないもの。それより大好きなお友達のエーティアちゃんのために使いたかったのよ。喜んでもらえて良かった!」

「……変わった奴だな。だがまあ、感謝している。大きな魔術を連発して疲れただろうから家に帰って休むといい」

 アゼリアが口元を手で押さえ顔を真っ赤にする。そして体をぶるぶると震わせている。

「ふああぁぁん。エーティアちゃんがやさしい⁉ やりましたぁ! とうとうアゼリアちゃんに対してもデレ期がやってきました‼ ツンツンツンの後のデレ! とんでもない破壊力よ。ありがとうございますぅ!」

 何とまあうるさい奴だ。
 感謝したことを後悔する勢いだな。

「何だ、デレ期って。言い換えよう、うるさいからさっさと帰れ」

 しっしっと手を振って追い払う仕草をすると「やっぱりいつもの塩対応! でもそんなエーティアちゃんも好き!」と騒ぎながらアゼリアが帰って行った。
 見送りをしていたエギルも目を眠そうにしょぼしょぼとさせている。

「ぼく……眠くなっちゃったです。目を開けてられないです……」

 向こうでは一ヵ月半経過していたが、こちらでは俺がいなくなって五日ほどだという。
 エギルは俺がいなくなってからというもの食事が美味しくなくて食べられなかったと言っていたから、睡眠も同様にあまり取れていなかったのかもしれない。小さな体にはきつかろうと思う。

「ゆっくり休んで来い」

「はい。ぼくが起きてもエーティアさま、いなくならないですか?」

「ああ。ちゃんとここにいるから安心しろ」

 不安げに見上げてくるエギルに頷いてやると、黒い瞳がきらきらと輝いた。



 エギルが自分の寝床へと帰って室内にはフレンと二人残される。
 静寂を先に破ったのはフレンだった。
 背後から抱き締められる。

「ご無事で良かった……エーティア様。……エル様」

 ハッと息を呑む。
 俺を『エル』と呼ぶのは過去のフレンだけだ。もちろん今のフレンからはその呼び名で呼ばれたことはない。
 それなのにあえてそう呼ぶということは……。

「記憶が……戻っている、のか?」

「はい。これまで何も語ることができずにいて申し訳ありませんでした。過去に飛ぶ前のあなたが俺に対して怒りを覚えたのも無理はありません。少し、話を聞いていただけますか?」

 色々あって記憶が薄れかけていたが、確かに過去に飛ぶ前の俺はフレンとぎくしゃくしていた。
 何かを言いたげなのにそれを言わないフレンに対して苛々もしていた。それがきっかけで過去に飛ぶことになったわけだが……。
 ようやくそれを話してくれるという。

「分かった」

 体を反転させてフレンへと向き直る。
 こうして見ると過去のフレンよりも身長が伸びたんだな……と実感する。

「俺の記憶が戻ったのは、アゼリア様がアリシュランドを乗っ取った事件の際です。あの時の俺はアゼリア様の術によって記憶や人格を変えられていました。そしてアゼリア様が術を解いた際に、全ての記憶が戻ったのです」

「五年前にかけられた術も同時に解かれたということか……!」

「そのようです。ただその時は色々と記憶が混乱していて、五年前のことはそれが現実に起きたものなのか夢の中の出来事なのか理解できずにいました」

 全ての記憶が押し寄せてきたのだろうから、無理もない事だろうと思う。

「日を経るごとに頭の中が落ち着いてくると、五年前の出来事は現実に起こったものなのだと受け入れることができました。しかしその段階ではまだエーティア様が過去に飛んだ様子がなかったので……どうしても言い出すことができませんでした」

「なるほどな。確かに……あらかじめ過去に飛ぶかもしれないと分かっていたら、俺はきっと抵抗しただろうな」

「はい。エーティアさまが過去へ行かないとこの世界も今とは違ったものになっていたでしょう。何もお話しすることができず申し訳ありませんでした」

「いや、もういい。俺もあの時はお前に対してよくない態度だったと思っている……うわっ」

 思わず声が出てしまったのは改めて正面からきつく抱き締められたせいだ。
 抱き締めるというより縋りつくといった方が正しいかもしれない。

「エーティア様と塔でお会いするまでの五年間は……何かが欠けたように感じていました。俺はずっと心のどこかであなたを探していたようです。魔王討伐の旅に出ているエーティア様を城でお見掛けする度に何故か良い感情を抱けなかったのも、心のどこかで『俺が愛したエーティア様ではない』と感じていたせいです。そして塔でお会いし魔力を失い涙を流すエーティア様を見た時あれほど心を揺さぶられたのは……俺のために涙を流す過去のあなたの姿が重なったからだ」

 俺の中でも二人のフレンが重なり合った。
 過去のフレンとも再会できたのだと思った。

「ようやく…あなたにお会いできました……」

 唇をくっつけてきたフレンを受け入れる。たぶんもう少し遅かったら俺の方からくっつけていただろう。
 触れ合うだけの唇はやがてすぐに舌を絡め合うものに変わる。

「んん……」

 魔力を流されているわけでもないのに、気持ちがいい。
 愛を自覚したせいなのだろう。
 いつまでもこうして唇をくっつけていたくなる。夢中になって舌を吸い合っていたせいかいつの間にか壁際まで追い詰められていた。
 背中に壁の感触が伝わって気付く。
 フレンもそのことに気付いたのか唇が離れてしまって、名残惜しくて見上げると熱を孕んだ瞳で見下ろされた。

「あなたを愛させてください」

 返事の代わりに腕をフレンの首に巻き付けた。


 なだれ込むようにして寝室のベッドの上へと移動する。
 肌を撫でられながら衣類を剥かれて、フレンが覆いかぶさってきた。
 色々自覚したせいで頬がいつもよりも熱くてたまらない。

 それに……この一ヵ月半というもの過去のフレンを見慣れてしまったせいで、より逞しく成長したフレンの姿が見慣れなくて仕方がない。
 過去のフレンは若々しくて、爽やかな好青年という感じだった。
 だが今目の前にいるフレンは滴り落ちるような色気を伴っていて、真正面から見つめているとくらくらとしてくる。

(俺の番……)

 これまで人の美醜など興味がないと思っていたのに、意識し出した途端に自分の番はとんでもない美形だったのだと気付いた。
 いつまでも見つめていたくなる。

 これではまるで初恋に夢中になる若者だ。それも相手は百歳以上も年の離れた若い男に。それなのに不思議と馬鹿馬鹿しいとは思わないのだから、とうとう俺も色ボケてしまったようだ。

 フレンを引き寄せて再び口づけを交わす。
 お互いの息すら奪い合うような口づけの合間に愛撫を加えられる。
 手の平と指で俺の胸をやわく揉んだ後で、フレンの舌が胸を這った。

「ふ、あ……」

 ちろちろと舐められもどかしい刺激に体が震えたところで、の先端をぱくりと咥えられる。

「あ、あ、ぁ」

 胸を吸われて喉が引きつる。
 さらに後孔にも指がぬるっと入ってきた。

「……キツイですね。少し慣らしましょう」

 フレンの言葉通り指二本飲み込むので少し苦しい。
 体を強張らせていると反対側の手の平が俺の性器を握り込んでくる。熱い手でそこを扱かれながら内部の感じる部分を指先で押し込まれて、射精感が高まってくるのを感じた。

「はっ、はっ」

 浅く息を吐きながら何とか射精を踏みとどまろうと堪える。

 何だこれ……。

 魔力は注がれていない。それなのに、フレンに触れられた部分がどこもかしこも気持ちがいい。
 これまでだって魔力供給なしに体を重ねたことはある。だけど今日はその時の比ではないぐらい体が敏感になっている気がする。気を抜いたらあっという間に達してしまいそうだ。
 中を柔らかくするために行き来していた指が抜かれる頃には額にじんわりと汗をかいていた。

「そろそろ中に入れますね」

 後孔に押し当てられた性器が中へと沈み込んで、ゆっくりと進んでくる。

「う、う……っ」

 体を重ねるのは随分と久しぶりな上に、フレンも興奮しているのかいつもより大きい……気がする。

「苦しいですか?」

 気遣わし気にフレンが尋ねてくるが首を横に振った。

「ちが、う。何か……へ、変だ」

 苦しいに違いないはずなのに、それよりも別の感覚が勝っていて俺の頭の中は混乱でいっぱいだ。腹の中がもぞもぞと落ち着きがない。

「あ、んぁ……」

 奥まで入ってきた亀頭で中を掻き回すように揺らされると胸がいっぱいになって、そして歓喜するように中が収縮した。それに連動するように俺の性器から白濁が飛び散る。

「ひ、あぁあっ……う、え、え……⁉」

 入れられただけで達してしまった。

 たったこれだけで……。

 いくらなんでも早すぎるだろう……。
 反射的にフレンのものを抜いて体を横向きにしてぷるぷると困惑と羞恥に震えた。

 何でだ、何でだ……?

「ううう……」

「感じやすいことは恥ずべきものではありませんよ。俺は嬉しいです。もっと見せてください、あなたの感じる姿を」

 背中にフレンの唇が落ちてくる。

「五年前の世界での傷はもうすっかり良くなっていますね。この綺麗な背中に痕が残らなくて良かった」

 横向きになっている俺にフレンが後ろから重なって、片足を持ち上げられると再び性器をぐっと挿入される。

「う、あ……っ」

「もう少しだけあなたの中にいたい」

 穴の中を擦り上げられて奥を突かれると、力をなくしていた自身の性器が持ち上がるのが分かった。淫液を垂らしながらはしたなく揺れているのが見えてしまって「う…ン…」と呻き声を上げる。
 あやすようにうなじに唇を落とされて、中を揺らされると羞恥は溶けて消えてもう気にならなくなった。快感だけを追う。

「あ、あ、ァ、ん、ん……」

「エーティア様、エーティア様……っ」

 うわ言みたいに俺の名を繰り返し呼びながら中を穿たれる。低く落ちてくる声が耳をくすぐってぞくぞくと震える。
 フレンの雄は若いので一段と大きくその存在を主張してきた。

 この一つになる感覚、以前フレンが魔力供給関係なしに俺に触れたいと言っていたその理由が、ようやく分かった気がする。
 性欲……はもちろん伴っているが、それだけではない、この行為は魂が繋がり合っているのだと感じる。

 愛を交わすとはよく言ったものだ。
 胸がじんじんと熱くなるような、満ち足りた気分だ。
 気を抜いたら目から涙が落ちてきそうだ。

 肩越しに振り向いてフレンと唇を合わせる。ゆっくりとした抜き差しによって生まれる感じ入る声は全て口の中に吸い込まれていってしまう。
 やがて互いに達しても、離れるのが惜しくて幾度か体位を変えながら繋がり合った。

 もう一度正面から抱き合った時には胸元に口づけられて、その際にチクンと痛みが走った。

「あ……何、だ?」

 小さく痛みの走った箇所を見れば赤い花びらのような痕が残されている。

「エーティア様が俺のものであるという証です。ずっとこうしてみたいと思っていました」

「ほう……」

 あんまり嬉しそうにしているので、俺もやってみたくなった。
 何故ならフレンもまた俺のものだからだ。
 唇をくっつけただけだと上手くいかなくて、試行錯誤の末にちゅうっと吸ってみたら綺麗な花びらがフレンの胸元に付いた。

「上手くいったぞ」

 達成感のあまりふふっと笑ってしまう。するとお返しとばかりにまたしても胸元に痕を残されて、繋がったままの体が揺すられた。

「ふあ……っ」

「本当にあなたは可愛らしい方です。今日は離せそうにありません。いつまでも抱いていたい」

「ん……離さなくていい」

 俺達は思う存分に『愛し合った』。



 夜が終わって朝を告げる太陽が昇り始めた頃には二人揃ってベッド上でまどろんでいた。
 精液はもう出ない……というところまで行き着いて、体は気だるいのに何だか眠るのが惜しい気がして、額を合わせたり、唇をくっつけ合ったりしている。

「心から愛しています、エーティア様」

 唇を離したフレンが言った。

「俺もだ。俺も愛している」

 自然と口からその言葉が零れ落ちてきた。
 今までは返せなかった言葉をようやく返すことができた。

「―――……っ」

 驚いたようにフレンが息を呑む。

「今まで悪かったな。お前からの愛の言葉に対して何も返してやれなくて」

 たぶん俺がフレンの立場だったら、何も返してくれない相手に対して苛立ちを覚えて呪いの魔術でもかけていただろうと思う。
 自分がそうであるから、これまで不満を抱くことなく愛を囁き続けてくれたフレンはとても我慢強い奴なのだと改めて思った。

 ところが思いもかけないことをフレンが言い出した。

「実は……エーティア様からの愛は感じていました」

「何、だと……⁉」

 驚きすぎて上半身をベッドから起こした。
 俺ですらほとんど自覚できていなかった愛を、フレンは感じていたというのか⁉
 同じように上半身を起こしたフレンと向き合う。

「言葉が全てではなくて、エーティア様は態度に表わしてくださるので……恐らく愛されているのだろうなと思っていました。ですがいざ言葉にしていただくととても嬉しいです」

「む……そうなのか」

 言葉にされていなくとも察するというやつか……。

「恋愛上級者、だな……」

 むー、と知らず知らずのうちに閉ざした口が曲がっていくのを感じる。

 分かってはいるのだ。
 離れていた五年間、俺にとってはあっという間のその時間が、若いフレンにとってはとても長いもので、色んな経験を経たであろうことも理解できる。
 だけどやっぱり面白くない。

「経験がないとは言えません。俺もそれなりの年齢の男であり、闇の魔力を浄化するためにはそういう行為も必要でしたので……」

 そうだな。
 あの頃は魔王のいた時代だ。魔王の眷属であるモンスターを倒せば体の中に闇の魔力が蓄積してしまう。蓄積したその闇の魔力を浄化をしなければモンスター化を免れない。

 それは騎士団でモンスターを倒していたフレンも例外ではなかっただろう。
 浄化のために過去に俺以外の相手がいたとしても……それは仕方がない。

「ですが一つ、今だから言えることをお伝えしておきます。俺の初恋も、初めての口づけの相手もエーティア様です。俺にだけ甘えて懐いてくるあなたが可愛くてたまらず、愛さずにはいられませんでした」

 フレンの告白に眉を上げる。

「そうだったのか……」

「はい。寝ぼけているエーティア様にいきなり口づけられて、あの時はドキドキしました」

 現在のフレンと過去のフレンを間違えて唇を奪ってしまったんだったな……俺が。まさかあの時がフレンの初めてだったとは。

「う、何か……悪かったな」

「いいえ。あの時エーティア様に奪っていただいて良かったと思います。記憶のない離れていた間の五年間はどうあっても変えられませんが、これから先の人生、俺の全てをエーティア様に捧げます」

 フレンが俺の手を握って、その甲に口づけを落とした。

「随分と重苦しい愛の告白だな。いや……前にもお前はそうやって愛を誓ってくれたな」

「ええ。五年前の記憶がある分、俺の愛はとても重たいと思いますよ。覚悟してください」

 俺に向かって覚悟してくださいと言い切るフレンにくつくつと笑いが止まらなくなる。

「ふ、ふふ。果たして白き翼の一族の愛とどちらが重たいのだろうな。お前こそ覚悟するといい。言っておくが……俺の愛も相当なものだぞ?」

 これまでの俺とは違い、何せ愛を自覚したのだ。
 俺の愛が重たいことを思い知るといい! 返品は不可だ。
 フレンが目を細めて幸せそうに笑う。

「それは楽しみです」

 そして俺達は何度目か分からない口づけを交わした。





END
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