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第22話 吾輩はパフュームが憎いのである
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今日の我輩は昼からの仕事である。
誰もいない三河家で、最初の業務は長女殿が寝泊まりするお部屋のお掃除。
軽やかな足取りで彼女の部屋へ侵入。
大きな鏡のついたテーブル上へごちゃまぜに置いてある様々な小瓶。
どれもこれも強力な異臭を放っている。
手始めにCCと印刷されている小瓶を中身ごと床へぶちまけた。
ナンバーファイブ?
それがどうした!
粛正だ!
ク……黒絵?
我輩は白黒のツートンだ!
こうしてやるっ!
その後もエルなんとかやブルホニャララなどの複数あるトワレだかパルファムなど、意味の分からないものを廃棄し、テーブル上の清掃を終えた。
まぁ、床の汚れはご愛敬という事で。
ここで我輩自身に問題が発生する。
鼻がバカになってしまったのだ。
キツい刺激臭がする液体をぶちまけたおかげか、何も臭わなくなった。
つまり、働きすぎたのである。
この後はもう酷いもの。
鼻が利かないおかげで失敗の連続。
犬ッコロの臭いも感じられずにヤツの小屋へ入ってしまうミス。
食べ物と勘違いして下剤効果満点の長ネギを齧るミス。
オッパイの大きいバイク屋の娘と間違えて美也殿の胸板に飛び込む痛恨のミス。
焼き魚の臭いとオヤジ臭が分からなくなりバイク屋のゴミ虫に抱き着く猫生最大のミス。
あげればキリのない程盛大にやらかしてしまった。
おかげで自信を無くした我輩は、仕事を早めに切り上げて早々に帰宅。
「つーかまえた!」
家に入ると直ぐに長女殿へ捕まってしまう。
臭いが分からない我輩は、彼女の帰宅にも気付かずにいた。
捉えられた意味も分からないから、媚びを売って様子を伺う事に。
『ウニャーン?』
反応どころかピキピキと音がするほど血管が浮き出ていた彼女。
ハテ?
なにかいいことでもあったのだろうか?
あれは喜びの表現では?
「そんな可愛らしい顔して私を見ても無駄よ。お部屋の惨劇はニャゴローちゃんの仕業しょう?」
違った。
どうやら激オコプンスカ怪獣のようだ。
血管が文字になって〝コロス〟と浮かび上がってるし。
我輩は全てを悟り、美也殿を超える超生命体に自らを委ねる。
俎板の鯉ならぬ腹出しの猫は自身をこう表現した。
〝好きにしてくれたまえ〟と。
その後数日間、三河家の玄関には〝黄色いハンカチ〟ならぬ〝赤いシミが大部分を占める白黒のダスターに似たもの〟が貼り付けられていたそうな。
誰もいない三河家で、最初の業務は長女殿が寝泊まりするお部屋のお掃除。
軽やかな足取りで彼女の部屋へ侵入。
大きな鏡のついたテーブル上へごちゃまぜに置いてある様々な小瓶。
どれもこれも強力な異臭を放っている。
手始めにCCと印刷されている小瓶を中身ごと床へぶちまけた。
ナンバーファイブ?
それがどうした!
粛正だ!
ク……黒絵?
我輩は白黒のツートンだ!
こうしてやるっ!
その後もエルなんとかやブルホニャララなどの複数あるトワレだかパルファムなど、意味の分からないものを廃棄し、テーブル上の清掃を終えた。
まぁ、床の汚れはご愛敬という事で。
ここで我輩自身に問題が発生する。
鼻がバカになってしまったのだ。
キツい刺激臭がする液体をぶちまけたおかげか、何も臭わなくなった。
つまり、働きすぎたのである。
この後はもう酷いもの。
鼻が利かないおかげで失敗の連続。
犬ッコロの臭いも感じられずにヤツの小屋へ入ってしまうミス。
食べ物と勘違いして下剤効果満点の長ネギを齧るミス。
オッパイの大きいバイク屋の娘と間違えて美也殿の胸板に飛び込む痛恨のミス。
焼き魚の臭いとオヤジ臭が分からなくなりバイク屋のゴミ虫に抱き着く猫生最大のミス。
あげればキリのない程盛大にやらかしてしまった。
おかげで自信を無くした我輩は、仕事を早めに切り上げて早々に帰宅。
「つーかまえた!」
家に入ると直ぐに長女殿へ捕まってしまう。
臭いが分からない我輩は、彼女の帰宅にも気付かずにいた。
捉えられた意味も分からないから、媚びを売って様子を伺う事に。
『ウニャーン?』
反応どころかピキピキと音がするほど血管が浮き出ていた彼女。
ハテ?
なにかいいことでもあったのだろうか?
あれは喜びの表現では?
「そんな可愛らしい顔して私を見ても無駄よ。お部屋の惨劇はニャゴローちゃんの仕業しょう?」
違った。
どうやら激オコプンスカ怪獣のようだ。
血管が文字になって〝コロス〟と浮かび上がってるし。
我輩は全てを悟り、美也殿を超える超生命体に自らを委ねる。
俎板の鯉ならぬ腹出しの猫は自身をこう表現した。
〝好きにしてくれたまえ〟と。
その後数日間、三河家の玄関には〝黄色いハンカチ〟ならぬ〝赤いシミが大部分を占める白黒のダスターに似たもの〟が貼り付けられていたそうな。
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