33 / 218
第33話 吾輩は愛嬌一杯なのである!
しおりを挟む
「ウニャン?」
腹を見せてクリっとした目で見つめながらこのひと鳴きでイチコロ。
営業支配されているとも知らずに、人間とはバカな生き物である。
その後、我輩の支配下に置けば最早腰を曲げなくとも自然と得意先に。
次回からは通常業務で攻めたくるのである。
日々各家々へと飛び込み営業する我輩。
実際これで飯を食っていると言っても過言ではない。
(間違いなく過言)
そんなワケで、先ずは駄菓子屋へ。
「ニャ~ン?」
死臭漂う駄菓子屋婆様に背骨の折れるほど強く抱きしめられる。
この報酬として〝おいしい棒〟一本ゲット。
チッ!
メンタイ味よりチーズが良かった。
濃すぎるんだよメンタイはっ!
次は魚屋を訪問。
「ニャニャン?」
主人の手にはマグロが!
ブンブンとコバエが飛び回る黒っぽいマグロの切り身はなんたる美味!
ペロリと縁起のいい三(身)切れ平らげる。
当然今度は肉屋へ顔を出す。
「ウニャニャン?」
今日の大将は少し渋い顔。
あまり売れなかったのか、我輩の顔程もある豚肉を出してきた。
その袋には〝薬物汚染で廃棄〟とシールが。
漢字は読めるも、意味はまだ理解できない我輩にはチンプンカンプン。
だが、据え膳食わぬは野良猫の恥、ここぞとばかりにがっついた。
その結果、少々食べ過ぎたのか、お腹がグルグルする。
少しだけ嫌な予感が……。
そして早く死んでほしいジジイのいる八百屋へ。
「ニャン?」
有無も言わさず肛門に葱を突っ込まれた。
確かにお腹の調子は悪いが、我輩風邪などひいておらんぞ!?
しかし刺激も相俟って、商品の一面を下痢便の海へ。
それでもまだグルグル言ってる我輩のお腹。
棒を持っていつまでも追いかけてくる八百屋のジジイを後に猛ダッシュ。
幾ら我輩が可愛いからと言って、そこまで熱く追いかけてこなくてもいいのに。
本来ならパン屋へ営業をかける我輩。
しかし今はまだお腹に不安が残る。
仕方ないから飛ばして最後のバイク屋へ顔を出し、そのまま直帰しよう。
「ブリュリュリュリュリュリュゥゥゥッッッ!」
しまった!
バイク屋店内で寝ころんだ瞬間、後ろの口から激しい鳴き声がっ!
やはり調子が悪いな。
てなワケで、ピッカピカに光る道具達を黄色に染めて今日の仕事は終業とする。
最後に店の外で仕事をしている主人に……
「ウニャァン?」
「お、なんだニャゴロー。今日はやけに体を擦りつけて来るな? 特に肛門を……あっ! お前ウンコ擦りつけてんだな!? コラァーッ!」
眉間にシワを寄せまくるその赤ら顔の何たる幸せそうな事か!
憎々しいバイク屋ゴミ虫でもそんな顔をされると我輩としても喜ばしいぞ!
戻って店内のお土産を見れば、きっと彼もこの上なく大満足となるであろう。
今日もいい仕事しましたねぇー。
腹を見せてクリっとした目で見つめながらこのひと鳴きでイチコロ。
営業支配されているとも知らずに、人間とはバカな生き物である。
その後、我輩の支配下に置けば最早腰を曲げなくとも自然と得意先に。
次回からは通常業務で攻めたくるのである。
日々各家々へと飛び込み営業する我輩。
実際これで飯を食っていると言っても過言ではない。
(間違いなく過言)
そんなワケで、先ずは駄菓子屋へ。
「ニャ~ン?」
死臭漂う駄菓子屋婆様に背骨の折れるほど強く抱きしめられる。
この報酬として〝おいしい棒〟一本ゲット。
チッ!
メンタイ味よりチーズが良かった。
濃すぎるんだよメンタイはっ!
次は魚屋を訪問。
「ニャニャン?」
主人の手にはマグロが!
ブンブンとコバエが飛び回る黒っぽいマグロの切り身はなんたる美味!
ペロリと縁起のいい三(身)切れ平らげる。
当然今度は肉屋へ顔を出す。
「ウニャニャン?」
今日の大将は少し渋い顔。
あまり売れなかったのか、我輩の顔程もある豚肉を出してきた。
その袋には〝薬物汚染で廃棄〟とシールが。
漢字は読めるも、意味はまだ理解できない我輩にはチンプンカンプン。
だが、据え膳食わぬは野良猫の恥、ここぞとばかりにがっついた。
その結果、少々食べ過ぎたのか、お腹がグルグルする。
少しだけ嫌な予感が……。
そして早く死んでほしいジジイのいる八百屋へ。
「ニャン?」
有無も言わさず肛門に葱を突っ込まれた。
確かにお腹の調子は悪いが、我輩風邪などひいておらんぞ!?
しかし刺激も相俟って、商品の一面を下痢便の海へ。
それでもまだグルグル言ってる我輩のお腹。
棒を持っていつまでも追いかけてくる八百屋のジジイを後に猛ダッシュ。
幾ら我輩が可愛いからと言って、そこまで熱く追いかけてこなくてもいいのに。
本来ならパン屋へ営業をかける我輩。
しかし今はまだお腹に不安が残る。
仕方ないから飛ばして最後のバイク屋へ顔を出し、そのまま直帰しよう。
「ブリュリュリュリュリュリュゥゥゥッッッ!」
しまった!
バイク屋店内で寝ころんだ瞬間、後ろの口から激しい鳴き声がっ!
やはり調子が悪いな。
てなワケで、ピッカピカに光る道具達を黄色に染めて今日の仕事は終業とする。
最後に店の外で仕事をしている主人に……
「ウニャァン?」
「お、なんだニャゴロー。今日はやけに体を擦りつけて来るな? 特に肛門を……あっ! お前ウンコ擦りつけてんだな!? コラァーッ!」
眉間にシワを寄せまくるその赤ら顔の何たる幸せそうな事か!
憎々しいバイク屋ゴミ虫でもそんな顔をされると我輩としても喜ばしいぞ!
戻って店内のお土産を見れば、きっと彼もこの上なく大満足となるであろう。
今日もいい仕事しましたねぇー。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる