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第37話 吾輩はバイク屋へヘルプに入るのである!
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「ミャーミャン?」
「ナーオ……ブニャン?」
「ミャオミャオ……ウミャンミャン」
「アァーウ……ウワアァーオォ」
「ニャーン」
なるほど、理解した。
……んなワケあるかっ!
ちゃんとした言語を用いんかバカモノめがっ!
ニャーニャ―ニャーニャーとうるさいわ!
とはいえ、そこは野良猫。
学問の〝ガ〟の字も知るまいて。
我輩とて美也殿と一緒にテレビなどを見なければ分からなかったであろうな。
あと〝なんとかティーン〟なる如何にもパーなメスが読みそうな雑誌とかも。
知識とは自分を向上させるためにあるものなんだな。
それはさておき、我輩とてやはり猫。
ニャー吉の言っていた言葉が全く分からないでもない。
それでも最近は専ら人語を学んでいたため、結構忘れてしまっているかも……。
おそらくだが、ニャー吉はこう言いたいのだろう。
〝最近バイク屋が左団扇状態らしい〟と。
彼曰く(あくまでも憶測)、商店に新しく宅配寿司屋が出来たのだそうだ。
地元に媚びを売る為、どうやらゴミ虫店へジャイロスクーターを注文したと。
しかもありえないぐらいの大量注文を入れたのだとか。
我輩はほぼ毎日商店街を訪れていたが、まったく知らなかったぞ?
近いうちにみかじめ料の集金に伺うとするか。
まさか逆らわないと思うがな。
その時はその時で……ニャーッハッハ。
とまあ、それはそれで置いといて、仕事師としてこれを見過ごせば名が廃る。
早速ヘルプとしてゴミ虫バイク店へ。
ほほう、頑張っておるなゴミ虫のくせに。
ムム?
あれは荷台部分になるのだろうか?
大きな箱にテープを巻いている。
お手伝いの為、爪を立ててテープを撫でてやる。
綺麗な縦溝がついたようだ。
おぉ?
どうやらその箱を塗装するらしい。
何と言ってもコイツの腕前は確かだからな。
仕上がりは相当なモンであろうさ。
毒キリモクモクの中、作業が終了したのかその場を離れるゴミ虫。
逆に近づく我輩は……
{ドンッ}
「ニギャッ!?」
工具に躓き体当たりをしてしまった。
悲しいかな、箱には間抜けな猫の姿がくっきりと印刷される事に。
イライラした我輩は箱中に肉球マークを捺印。
色のついた前足は近くにある〝新車〟と書かれた単車の椅子にネチッてやった。
勿論爪を立てて。
日中はこれぐらいにして休憩の為一旦帰宅。
体がねちょねちょするのでいつもの様に御子息のベッドへ。
- 夕方 -
迂闊にもそのまま寝過ごしてしまった我輩。
飛び起きて再びバイク屋へ。
ゴミ虫は仕事の詰めに入っているらしい。
何故なら〝ぱそこん〟なる魔法の計算機でカタカタ打ち込んでいから。
毎日最後は決まってそれを使い、何かをしているのだ。
我輩には理解できない複雑な単語が画面に浮かび上がっている。
ぶひん……ついかちゅもん……きゃりぃぼっくす……
どう言う意味なのだ?
仕方がない、とりあえず我輩流で手伝ってやるとしよう。
まずはキーボードの上に飛び乗り、そのまま背を丸くして座る。
「な、なんだニャゴロー、新手のイヤガラセか? さすがにキーボードの上に乗るのだけは勘弁してくれよ。あっ! 言わんこっちゃない! 注文の数が1000になってる……。なぁニャゴロー、これ以上邪魔されるとお前を……しちゃいそうだよ」
思いのほか口数も少なければ反応も薄い。
いつもならば嬉しさのあまり大声で追いかけ回してくるのにな。
それならばこれでどうだ!
我輩の仕事スキルにひれ伏せさせる為、今度はその上で転がりまわってやった!
「ニャニャーン」
この時何故か〝ぱそこん〟の電源が落ちた。
「あわわわ……きょ、強制終了って……もしかしてダブり、いや相当数の注文したんじゃ……」
青い顔して喜ぶゴミ虫へ〝仕事のお礼は結構〟の意味も込めて画面を撫でる。
勿論ここも爪は全開で。
余りの嬉しさに四つん這いで泣き崩れたゴミ虫。
その姿を胸に、やりがいを感じた今日一日であった。
それとお礼はいつでも受け付けておるぞ。
出来ればクサヤがいいかな。
これにて区切りがついたから帰宅するとするか。
時折振り返って見るも、ゴミ虫はいつまでも這いつくばって泣き喜んでいた。
本日も我輩いい仕事しましたねぇ。
「ナーオ……ブニャン?」
「ミャオミャオ……ウミャンミャン」
「アァーウ……ウワアァーオォ」
「ニャーン」
なるほど、理解した。
……んなワケあるかっ!
ちゃんとした言語を用いんかバカモノめがっ!
ニャーニャ―ニャーニャーとうるさいわ!
とはいえ、そこは野良猫。
学問の〝ガ〟の字も知るまいて。
我輩とて美也殿と一緒にテレビなどを見なければ分からなかったであろうな。
あと〝なんとかティーン〟なる如何にもパーなメスが読みそうな雑誌とかも。
知識とは自分を向上させるためにあるものなんだな。
それはさておき、我輩とてやはり猫。
ニャー吉の言っていた言葉が全く分からないでもない。
それでも最近は専ら人語を学んでいたため、結構忘れてしまっているかも……。
おそらくだが、ニャー吉はこう言いたいのだろう。
〝最近バイク屋が左団扇状態らしい〟と。
彼曰く(あくまでも憶測)、商店に新しく宅配寿司屋が出来たのだそうだ。
地元に媚びを売る為、どうやらゴミ虫店へジャイロスクーターを注文したと。
しかもありえないぐらいの大量注文を入れたのだとか。
我輩はほぼ毎日商店街を訪れていたが、まったく知らなかったぞ?
近いうちにみかじめ料の集金に伺うとするか。
まさか逆らわないと思うがな。
その時はその時で……ニャーッハッハ。
とまあ、それはそれで置いといて、仕事師としてこれを見過ごせば名が廃る。
早速ヘルプとしてゴミ虫バイク店へ。
ほほう、頑張っておるなゴミ虫のくせに。
ムム?
あれは荷台部分になるのだろうか?
大きな箱にテープを巻いている。
お手伝いの為、爪を立ててテープを撫でてやる。
綺麗な縦溝がついたようだ。
おぉ?
どうやらその箱を塗装するらしい。
何と言ってもコイツの腕前は確かだからな。
仕上がりは相当なモンであろうさ。
毒キリモクモクの中、作業が終了したのかその場を離れるゴミ虫。
逆に近づく我輩は……
{ドンッ}
「ニギャッ!?」
工具に躓き体当たりをしてしまった。
悲しいかな、箱には間抜けな猫の姿がくっきりと印刷される事に。
イライラした我輩は箱中に肉球マークを捺印。
色のついた前足は近くにある〝新車〟と書かれた単車の椅子にネチッてやった。
勿論爪を立てて。
日中はこれぐらいにして休憩の為一旦帰宅。
体がねちょねちょするのでいつもの様に御子息のベッドへ。
- 夕方 -
迂闊にもそのまま寝過ごしてしまった我輩。
飛び起きて再びバイク屋へ。
ゴミ虫は仕事の詰めに入っているらしい。
何故なら〝ぱそこん〟なる魔法の計算機でカタカタ打ち込んでいから。
毎日最後は決まってそれを使い、何かをしているのだ。
我輩には理解できない複雑な単語が画面に浮かび上がっている。
ぶひん……ついかちゅもん……きゃりぃぼっくす……
どう言う意味なのだ?
仕方がない、とりあえず我輩流で手伝ってやるとしよう。
まずはキーボードの上に飛び乗り、そのまま背を丸くして座る。
「な、なんだニャゴロー、新手のイヤガラセか? さすがにキーボードの上に乗るのだけは勘弁してくれよ。あっ! 言わんこっちゃない! 注文の数が1000になってる……。なぁニャゴロー、これ以上邪魔されるとお前を……しちゃいそうだよ」
思いのほか口数も少なければ反応も薄い。
いつもならば嬉しさのあまり大声で追いかけ回してくるのにな。
それならばこれでどうだ!
我輩の仕事スキルにひれ伏せさせる為、今度はその上で転がりまわってやった!
「ニャニャーン」
この時何故か〝ぱそこん〟の電源が落ちた。
「あわわわ……きょ、強制終了って……もしかしてダブり、いや相当数の注文したんじゃ……」
青い顔して喜ぶゴミ虫へ〝仕事のお礼は結構〟の意味も込めて画面を撫でる。
勿論ここも爪は全開で。
余りの嬉しさに四つん這いで泣き崩れたゴミ虫。
その姿を胸に、やりがいを感じた今日一日であった。
それとお礼はいつでも受け付けておるぞ。
出来ればクサヤがいいかな。
これにて区切りがついたから帰宅するとするか。
時折振り返って見るも、ゴミ虫はいつまでも這いつくばって泣き喜んでいた。
本日も我輩いい仕事しましたねぇ。
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