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第47話 吾輩は毒にそこそこ耐性があるのである
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「ニャゴロー今日は美味しい物あげるね」
どういった風の吹き回しか?
美也殿が我輩に食べ物をよこすだと?
もしやアトニャンティス大陸が隆起する前触れかなにかでは?
「生のブドウは毒らしいから、干したものをあげる」
ブドウだと?
そのしわくちゃヨボヨボの黒い物体が?
ハハァーン、さては我輩を騙そうと企んでいるのだな?
その手に握る物はどう見てもシカの糞。
そこまでバカではないぞ?
「ほらニャゴロー、お口開けて!」
しかしガッチリ体全体を押さえられている我輩。
抵抗虚しくシカの糞をを口の中へ大量に押し込められる。
「グルニャ……ニャン?」
ムム?
結構いけるではないか?
甘酸っぱい味に半生のソフトな食感。
シカの糞もバカにしたものではないな。
美味しさのあまり、すこぶるガッツいていた我輩。
ここで美也殿の熱い視線に気づく。
「…………」
フッ。
我輩のルックスも大したものだな。
あの暴君美也殿まで虜にしてしまうとは。
「おかしいなぁ? 外国では結構症例の報告があるんだけどな?」
「ニャーン?」
早口で僅かに彼女から聞き取れた言葉は〝おかし〟と〝結婚しよう〟のみ。
それを踏まえて考えるに、美也殿は結婚したいと言いたいのか?
もしかして我輩と?
そして毎日ご飯はお菓子をくれるって?
最高ではないか!
いっそ毎日このシカの糞でもいいのだぞ?
などと言っているうちに与えられた30粒ほどを全て平らげる。
ヒジョーに美味であった。
{グルルルルル}
「グ……グルニャ……」
ここで緊急事態発生!
お腹がグルグル言い出した。
これは間違いなくピーピーシャーシャー。
「お! やっと来たみたいねニャゴロー。部屋汚すといけないから暫くお家に入ったら駄目だからね!」
我輩は美也殿に首の皮を掴まれて敢え無く外へ。
なにがなにやらサッパリちんぷんかんぷん?
「これで干しブドウも猫には毒なのがハッキリしたわね。なら次はコーヒーでも飲ませてみるか」
お腹に全神経が集中していたため、彼女が何を言っていたのかは聞き取れない。
だがしかーし!
現在我輩自体がエマージェンシーなのはハッキリしている!
肛門に力を入れて、よろめきつつへっぴり腰で移動を開始する我輩。
意図せぬ脱糞から生ずる汚名を防ぐためにも、庭園までなんとか耐えなければ!
ゴミ虫がとても大切にしている、バイク屋裏の手入れされたあの庭園まで!
{ぶしゃーっびちびち……}
しかしその思いも虚しく、玄関横に停めてあった小織殿の自動車に大噴射!
最後の最後で車内へと辿り着いたのは褒めて頂きたいものだ。
どうやって入ったかだって?
冷房が効かない彼女の車は、今の時期いつもガラスが半開きになっておるのだ。
一応付いてはいるらしいのだがな。
古い車は何かと不便だな。
おっと、序に前の部分にある銀色のベロベロを爪でガリガリしておくか。
フニャフニャで直ぐ潰れるから面白いんだなこれが。
※カーエアコンのコンデンサー(フィンが潰れると冷房が効かなくなる)
それにしても素晴らしい仕上がりだ。
外から見ると改めて思う。
趣を変えて黄色いシートのインテリアもオツなモノではないか小織殿よ。
染料が下痢便なのを差し引いても相当に工賃が取れる仕事ではなかろうか?
我輩のコーディネイトと思って恩に着るのだ!
次の日、肛門をコーキングされた赤色交じりの白黒ハチワレ猫が、近所のあちらこちらで歩く姿を目撃されたのだった。
どういった風の吹き回しか?
美也殿が我輩に食べ物をよこすだと?
もしやアトニャンティス大陸が隆起する前触れかなにかでは?
「生のブドウは毒らしいから、干したものをあげる」
ブドウだと?
そのしわくちゃヨボヨボの黒い物体が?
ハハァーン、さては我輩を騙そうと企んでいるのだな?
その手に握る物はどう見てもシカの糞。
そこまでバカではないぞ?
「ほらニャゴロー、お口開けて!」
しかしガッチリ体全体を押さえられている我輩。
抵抗虚しくシカの糞をを口の中へ大量に押し込められる。
「グルニャ……ニャン?」
ムム?
結構いけるではないか?
甘酸っぱい味に半生のソフトな食感。
シカの糞もバカにしたものではないな。
美味しさのあまり、すこぶるガッツいていた我輩。
ここで美也殿の熱い視線に気づく。
「…………」
フッ。
我輩のルックスも大したものだな。
あの暴君美也殿まで虜にしてしまうとは。
「おかしいなぁ? 外国では結構症例の報告があるんだけどな?」
「ニャーン?」
早口で僅かに彼女から聞き取れた言葉は〝おかし〟と〝結婚しよう〟のみ。
それを踏まえて考えるに、美也殿は結婚したいと言いたいのか?
もしかして我輩と?
そして毎日ご飯はお菓子をくれるって?
最高ではないか!
いっそ毎日このシカの糞でもいいのだぞ?
などと言っているうちに与えられた30粒ほどを全て平らげる。
ヒジョーに美味であった。
{グルルルルル}
「グ……グルニャ……」
ここで緊急事態発生!
お腹がグルグル言い出した。
これは間違いなくピーピーシャーシャー。
「お! やっと来たみたいねニャゴロー。部屋汚すといけないから暫くお家に入ったら駄目だからね!」
我輩は美也殿に首の皮を掴まれて敢え無く外へ。
なにがなにやらサッパリちんぷんかんぷん?
「これで干しブドウも猫には毒なのがハッキリしたわね。なら次はコーヒーでも飲ませてみるか」
お腹に全神経が集中していたため、彼女が何を言っていたのかは聞き取れない。
だがしかーし!
現在我輩自体がエマージェンシーなのはハッキリしている!
肛門に力を入れて、よろめきつつへっぴり腰で移動を開始する我輩。
意図せぬ脱糞から生ずる汚名を防ぐためにも、庭園までなんとか耐えなければ!
ゴミ虫がとても大切にしている、バイク屋裏の手入れされたあの庭園まで!
{ぶしゃーっびちびち……}
しかしその思いも虚しく、玄関横に停めてあった小織殿の自動車に大噴射!
最後の最後で車内へと辿り着いたのは褒めて頂きたいものだ。
どうやって入ったかだって?
冷房が効かない彼女の車は、今の時期いつもガラスが半開きになっておるのだ。
一応付いてはいるらしいのだがな。
古い車は何かと不便だな。
おっと、序に前の部分にある銀色のベロベロを爪でガリガリしておくか。
フニャフニャで直ぐ潰れるから面白いんだなこれが。
※カーエアコンのコンデンサー(フィンが潰れると冷房が効かなくなる)
それにしても素晴らしい仕上がりだ。
外から見ると改めて思う。
趣を変えて黄色いシートのインテリアもオツなモノではないか小織殿よ。
染料が下痢便なのを差し引いても相当に工賃が取れる仕事ではなかろうか?
我輩のコーディネイトと思って恩に着るのだ!
次の日、肛門をコーキングされた赤色交じりの白黒ハチワレ猫が、近所のあちらこちらで歩く姿を目撃されたのだった。
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