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第124話 吾輩は魚を愛でるのである①
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今日は商店街のルート営業。
その合間を見て新規飛び込みをと。
何か珍しい……もとい、何処か新しい営業先でもないものか?
キョロつく我輩は、裏手へ一本入った細い道である店を発見。
〝珍しい熱帯魚あります〟
魚屋か!
入り口はガラスの扉となっており、左右には大きな生簀が!
巨大な魚達が中で泳いでいるのをガラスの扉越しでも見て取れる!
それにしても初めて目にする魚ばかりではないか!
中には鱗がメープル金貨程のしゃくれ顎や泳ぐ包丁みたいな異形の魚も!
こんなヤツ、いつもの魚屋では見たことがないぞ?
これは飛び込み営業の価値ありと、誰か人間が扉を開けるのを只管待つ。
同時に侵入するのだ……あ!
いかんいかん!
ニャン吉カラーにするのを忘れておったわ!
そんな訳で一旦家へ。
―― 六時間後 ――
家で寝てしまい、すっかりと遅くなってしまった。
辺りは暗くなり、道行く人々は家路を急ぐ。
そんな中、我輩は昼間発見した魚屋へ。
この店は夜になると賑わうのか、店の中には既に複数の人間が!
グヌヌ、出遅れてしまった事は否めない!
寝坊のペナルティーとして、ここは待つ事を甘んじて受け入れよう。
そう思った矢先、一人の客が来店。
なんとバイク屋のゴミ虫ではないか!?
確かにヤツの家は魚を食べる事が多い。
となれば、今日はゴミ虫自ら買い出しか?
真相を確かめるべく、ヤツに気付かれぬようそーっと後をついて入店。
この時点で我輩は今日の仕事などどうでもよくなっていた。
{ウイィィーン}
我輩では反応しない自動扉が小太りのゴミ虫によって開かれた。
閉まる前に素早くスススッと……
「あっ! お客さん、ペットの持ち込みは困りますっス!」
「はぁ?」
ニャニャッ!?
速攻見つかる我輩。
今捕まればゴミ虫に正体がバレてしまう!
それは非常にマズい!
結局自動扉が開いて中へ入ったのは一瞬だけ。
閉まる前にダッシュで外へ!
そのまま店の裏側へ逃げ隠れる事に。
しかし諦めないからな!
首を洗ってまっていろよゴミ虫!
― 店内にて ―
「あの猫は俺のじゃないぞ?」
「あー、そうだったんスか。すいやせんね。なにせ取り扱ってるのが魚ですんで……。いや、確かにウチの店にはよく三毛猫が来るんですが、いつも裏手に来るんスよ。結構可愛いとこあって、つい魚の餌とかをあげちゃうんスよねー。てっきりアイツかと思ったけど、その割には毛艶が良いし、顔だけハチワレでなんかしでかしそうな顔してたし……まあ、可愛かったっスけど」
「ほほう、魚の餌を食うのか猫は? いいこと聞いたな。しかしハチワレと言えばウチの近所にもいてな、これがまた憎ったらしいのなんの! さらにムカつくのが見てくれだけは愛らしいんだよ! あいつ等卑怯だよな! そうは思わんかね店員さんよ?」
「僕もそう思うっス!」
「熱帯魚屋で猫の話もないわな。ウワッハッハッハ!」
「そうっスね! アハハハハ!」
この時はまだのどかな熱帯魚屋であった。
その合間を見て新規飛び込みをと。
何か珍しい……もとい、何処か新しい営業先でもないものか?
キョロつく我輩は、裏手へ一本入った細い道である店を発見。
〝珍しい熱帯魚あります〟
魚屋か!
入り口はガラスの扉となっており、左右には大きな生簀が!
巨大な魚達が中で泳いでいるのをガラスの扉越しでも見て取れる!
それにしても初めて目にする魚ばかりではないか!
中には鱗がメープル金貨程のしゃくれ顎や泳ぐ包丁みたいな異形の魚も!
こんなヤツ、いつもの魚屋では見たことがないぞ?
これは飛び込み営業の価値ありと、誰か人間が扉を開けるのを只管待つ。
同時に侵入するのだ……あ!
いかんいかん!
ニャン吉カラーにするのを忘れておったわ!
そんな訳で一旦家へ。
―― 六時間後 ――
家で寝てしまい、すっかりと遅くなってしまった。
辺りは暗くなり、道行く人々は家路を急ぐ。
そんな中、我輩は昼間発見した魚屋へ。
この店は夜になると賑わうのか、店の中には既に複数の人間が!
グヌヌ、出遅れてしまった事は否めない!
寝坊のペナルティーとして、ここは待つ事を甘んじて受け入れよう。
そう思った矢先、一人の客が来店。
なんとバイク屋のゴミ虫ではないか!?
確かにヤツの家は魚を食べる事が多い。
となれば、今日はゴミ虫自ら買い出しか?
真相を確かめるべく、ヤツに気付かれぬようそーっと後をついて入店。
この時点で我輩は今日の仕事などどうでもよくなっていた。
{ウイィィーン}
我輩では反応しない自動扉が小太りのゴミ虫によって開かれた。
閉まる前に素早くスススッと……
「あっ! お客さん、ペットの持ち込みは困りますっス!」
「はぁ?」
ニャニャッ!?
速攻見つかる我輩。
今捕まればゴミ虫に正体がバレてしまう!
それは非常にマズい!
結局自動扉が開いて中へ入ったのは一瞬だけ。
閉まる前にダッシュで外へ!
そのまま店の裏側へ逃げ隠れる事に。
しかし諦めないからな!
首を洗ってまっていろよゴミ虫!
― 店内にて ―
「あの猫は俺のじゃないぞ?」
「あー、そうだったんスか。すいやせんね。なにせ取り扱ってるのが魚ですんで……。いや、確かにウチの店にはよく三毛猫が来るんですが、いつも裏手に来るんスよ。結構可愛いとこあって、つい魚の餌とかをあげちゃうんスよねー。てっきりアイツかと思ったけど、その割には毛艶が良いし、顔だけハチワレでなんかしでかしそうな顔してたし……まあ、可愛かったっスけど」
「ほほう、魚の餌を食うのか猫は? いいこと聞いたな。しかしハチワレと言えばウチの近所にもいてな、これがまた憎ったらしいのなんの! さらにムカつくのが見てくれだけは愛らしいんだよ! あいつ等卑怯だよな! そうは思わんかね店員さんよ?」
「僕もそう思うっス!」
「熱帯魚屋で猫の話もないわな。ウワッハッハッハ!」
「そうっスね! アハハハハ!」
この時はまだのどかな熱帯魚屋であった。
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