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第142話 吾輩は芸術家である
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ニャゴロー画伯は今日も行く。
芸術とはこうあるものと説いて回る多忙の日々。
最近ゴミ虫が車を購入した。
箱型のバンで、仕事兼用のようだ。
時折後部荷台にバイクを載せて何処かへ出かけて行く。
今日は出番がないらしく、車庫へと納められている。
完全防備の車庫。
至る所にカメラが仕掛けられ、蟻一匹入る隙間もない。
しかも出入り用シャッターのみで、窓一つ見当たらない完全密室状態。
余程この車が大事と見える。
しかし我輩を侮るべからず。
シャッターとコンクリの床にピンポン玉程の石ころを仕掛けておいた。
思った通り、そこには隙間が。
フフフ、猫の頭蓋骨の小ささを舐めるなよ?
これだけの隙間があれば侵入など余裕よヨユー!
そんな訳で侵入。
多少砂だらけになったものの、簡単に中へと入ることが出来た。
しかし油断してはならない!
カメラがあるのだ!
先ずは死角となる壁際を移動。
柱を伝って少し上にある箱へ。
ふう、到着。
この箱をそーっと開けてと……。
そこには数個のスイッチが並んでいる。
以前三河家が雷で停電したとき、御屋形様が同じような箱を弄っていた。
するとあら不思議!
家中の電気が灯ったではないか!
となればだ、その逆もあるだろう。
ここ数日散歩のフリして車庫を観察していた我輩。
昨日遂にそのありかを発見。
一晩経過した今日に実行へと移したワケである。
カチカチカチーっとな。
お、カメラについている赤いランプが全部消えおった!
シメシメ~っと。
猫の特技、軽業でポンポンポーンと瞬く間に車の前へ。
先ずはぐるりと一周して様子を伺う。
真っ黒だな。
チンピラか葬儀屋しかこんな色を好まないはず。
ゴミ虫は何を考えているのだ?
そんな訳で、なぜか近くに置いてあるペンキの缶をひっくり返す。
我輩の好きな黄色がドロドロとコンクリの床一面を覆った。
その上をペタぺたーっと。
そして今度は車にペタペタ―っと。
魂を注ぎ込む事五時間半!
黒いキャンパスが黄色の芸術で埋まって行く!
ポップアートのドット絵ををも彷彿とさせる肉球アート!
今ここに偉大なる作品が完成を迎える!
これこそ芸術だ!
我輩を敬え愚民どもめがっ!
暫し完成作品に見とれていた我輩。
ここで大事件が!
…………。
油断があったんだな。
まさかこんなことになるとは……。
調子に乗って全ての足にペンキをつけた我輩。
一か所へと留まる事に依り、完全に乾いて床に肉球が張り付いてしまった。
最早どうすることも出来ず、助けを待つのみの状態。
ハアアアァァァァ~~~。
数時間後、固まった状態の我輩はゴミ虫に発見され助け出されることに。
ペンキと思っていたのは速乾ボンドで、至る所がバキバキになった我輩。
その間抜けな姿に怒る気も失せたと、この後ゴミ虫は御屋形様のもとへ。
刃こぼれして切れ味最悪なバリカンで所々出血した我輩を抱きかかえて。
その後どうなったかだって?
よく分からないが我輩は空を飛べるようになったぞ?
どーゆー訳か、御屋形様の手にしたミンチ肉から目が離せないままにな。
今日はハンバーグかな?
芸術とはこうあるものと説いて回る多忙の日々。
最近ゴミ虫が車を購入した。
箱型のバンで、仕事兼用のようだ。
時折後部荷台にバイクを載せて何処かへ出かけて行く。
今日は出番がないらしく、車庫へと納められている。
完全防備の車庫。
至る所にカメラが仕掛けられ、蟻一匹入る隙間もない。
しかも出入り用シャッターのみで、窓一つ見当たらない完全密室状態。
余程この車が大事と見える。
しかし我輩を侮るべからず。
シャッターとコンクリの床にピンポン玉程の石ころを仕掛けておいた。
思った通り、そこには隙間が。
フフフ、猫の頭蓋骨の小ささを舐めるなよ?
これだけの隙間があれば侵入など余裕よヨユー!
そんな訳で侵入。
多少砂だらけになったものの、簡単に中へと入ることが出来た。
しかし油断してはならない!
カメラがあるのだ!
先ずは死角となる壁際を移動。
柱を伝って少し上にある箱へ。
ふう、到着。
この箱をそーっと開けてと……。
そこには数個のスイッチが並んでいる。
以前三河家が雷で停電したとき、御屋形様が同じような箱を弄っていた。
するとあら不思議!
家中の電気が灯ったではないか!
となればだ、その逆もあるだろう。
ここ数日散歩のフリして車庫を観察していた我輩。
昨日遂にそのありかを発見。
一晩経過した今日に実行へと移したワケである。
カチカチカチーっとな。
お、カメラについている赤いランプが全部消えおった!
シメシメ~っと。
猫の特技、軽業でポンポンポーンと瞬く間に車の前へ。
先ずはぐるりと一周して様子を伺う。
真っ黒だな。
チンピラか葬儀屋しかこんな色を好まないはず。
ゴミ虫は何を考えているのだ?
そんな訳で、なぜか近くに置いてあるペンキの缶をひっくり返す。
我輩の好きな黄色がドロドロとコンクリの床一面を覆った。
その上をペタぺたーっと。
そして今度は車にペタペタ―っと。
魂を注ぎ込む事五時間半!
黒いキャンパスが黄色の芸術で埋まって行く!
ポップアートのドット絵ををも彷彿とさせる肉球アート!
今ここに偉大なる作品が完成を迎える!
これこそ芸術だ!
我輩を敬え愚民どもめがっ!
暫し完成作品に見とれていた我輩。
ここで大事件が!
…………。
油断があったんだな。
まさかこんなことになるとは……。
調子に乗って全ての足にペンキをつけた我輩。
一か所へと留まる事に依り、完全に乾いて床に肉球が張り付いてしまった。
最早どうすることも出来ず、助けを待つのみの状態。
ハアアアァァァァ~~~。
数時間後、固まった状態の我輩はゴミ虫に発見され助け出されることに。
ペンキと思っていたのは速乾ボンドで、至る所がバキバキになった我輩。
その間抜けな姿に怒る気も失せたと、この後ゴミ虫は御屋形様のもとへ。
刃こぼれして切れ味最悪なバリカンで所々出血した我輩を抱きかかえて。
その後どうなったかだって?
よく分からないが我輩は空を飛べるようになったぞ?
どーゆー訳か、御屋形様の手にしたミンチ肉から目が離せないままにな。
今日はハンバーグかな?
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