仕事猫ニャゴロー

どてかぼちゃ

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第194話 吾輩は社会見学に出かけるのである ③

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 家具屋で気分をリフレッシュした猫御一行様。
 そんな中、次の目的地に到着したのだった。

 
 ここは商店街から少し外れた場所にあるも、学生達でいつも賑わっているな。
 そう、知らないうちに猛威を振るっていたカフェ。
 あの苦くて酸っぱい泥水を売りにしている店。

 強気な価格帯とは裏腹に、奇抜な発想での品々。
 勿論中には正統派な店もあるぞ。
 まあ、学生が多いところを見ると、オシャレといっただけで受けていのかも。
 
 しかもこのゾーンは意図的に作られているのだ
 その証拠にありとあらゆるテイクアウトスタイルのカフェが集まっている。
 
 スターニャックスやニャニャール、それにカフェドニャリエなど。
 他にもニャリーズやコーヒーニャーンなどのマイナー店までもある。
 我が国へ進出している全ての外資系カフェは疎か、自国企業も続々と出店。
 まさに激戦区と言えよう。

 ニャゴロー一行様はカーヒーストリートに到着。
 人目につかない場所で集まっていた。

 
 それにしても沢山あるな。
 専門店街にすれば大成功するといった見本ではないか。
 ともあれ今日は慰安会。
 各々方にストレス解消してもらうため、この場を選んだ我輩。

 しかしこの数でうろつくのは非常に危険。
 いつ何時保健所に通報されるやもしれない。
 それならば数班に分けて行動するのがベストだろうて。

 ニャン吉リーダーの1班。
 ニャン太郎ヘッドの2班。
 ニャー吉頭の3班。
 そして我輩が御領主の4班。

 この時メス全てが我輩の班は不公平だと文句を言ったニャン太郎へお仕置きを。
 肛門ではイマイチ効きが悪かった唐辛子を右目に擦り込んでやる。

 「ニギャアァァァァァァッ!」
 
 嫌がるかと思いきや、転がりまわって嬉しさを体現。
 やはりハバネロ以上でないと罰にはならないのかも。
 
 出来ることならキャロライナかモルガを仕入れておきたいのだが……
 今度またゴミ虫の所へ収穫に行くとするか。

 さて、余興はこれぐらいにしてそろそろ店へ入るとしよう。
 他の猫達もうずうずしているようだしな……。
 
 ……猫如きが何を飲むのかって?
 チッチッチ。
 あんな泥水など飲むか!
 心を休める方法はなにもそれだけではなかろう?
 人間達とは違うのだよ。

 こうして数班に分かれた猫達御一行様。
 彼等は思い思いの店へと消えて行った。


 この直後、カーヒーストリートは戦場となった。
 一部の店舗でコーヒー豆の入った袋を猫がムチャクチャにしたのだ。
 
 床一面は焦げ茶色に彩られ、いつものように糞尿爆弾投下。
 流れ出る液体はオシッコかコーヒーなのか区別できない始末!

 しかも袋に入ったクッキーやスコーンを全て開封。
 質の悪いことに食べるのではなく、破る行為を楽しんでいたようにも。

 どうやら狙われた店舗は繁盛店の大きいところばかり。
 その為か、その後の対応は見事!
 社員教育をしっかりとしている模様ですぐに四方八方へ連絡。
 保険所や警察が出動して鎮圧にも左程時間を要さなかった、

 だが、それは騒いでいた人間達に収拾がついただけで根本的な解決ではない。
 なぜならこの時点で既に犯猫は姿をくらましていたのだから。
 複数いたにも係わらず、一匹たりとて犯猫確保に至らなかった悲しき結末。
 その引き際の良さも素晴らしいと言わざるをえまい。

 ハッキリとは言えないが、集団ごとに陣頭指揮しているヤツがいたとの噂も。
 しかも組織立っていて、その頂点には服を着た猫がいたそうな。

 その後まことしやかにある噂が商店街を中心に町中で囁かれる。
 今回の首謀者はパン屋の向かいにある喫茶店ではないかと。
 理由は簡単、今回の事件で一番利益を得るのはあそこだけ。
 それに服を着た猫はよくその近辺で見かけられるからだとか……
  
 ※正確には喫茶店付近の八百屋や肉屋、そして魚屋
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