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第200話 吾輩はゴン太くんの身辺調査を行うのである!③
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これまでニャー吉とニャン太郎に対するゴン太くんの反応を見てきた。
完全に猫二匹の逆恨みという結論に行き届いたのだが……
それでも全て彼等が悪いとも言い切れない。
まだニャン吉の調査が済んでいないからだ。
事実、確かに彼は以前相当な猫的被害を被っていた。
だが、ゴン太くんとて悪気があった訳ではない。
ジャレようとしてただけ。
あれから商店街ではどんなことになっているのか知らないでいる我輩。
なにせ最近は専ら仕事現場が公園だったし。
そんな訳で今日はニャン吉の素性を洗ってみるか。
※素性を洗う……刑事ドラマに影響されて言いたかっただけ
―― 商店街肉屋前 ――
「ウゥゥゥ……ガルルルル!」
「フッシャアァァァァァァァ!」
なんということだ!
あの大人しくて誰にでも愛されるゴン太くんがニャン吉に牙を剥いている!
当のニャン吉も負けじと全身の毛を総立てて威嚇返しをしているではないか!
一体どうした……あ!
そこには泡を吹いて倒れる肉屋店主の姿があった。
しかもその顔は引っ掻き傷だらけの酷い有様。
どう見ても犯人は……いや、犯猫は……
「ニャ~ン?」
そんな時、我輩に声を掛けてきた一匹の猫。
ニャン太郎である。
最初エリザべスカラーで英国貴族と思ったが、よく見ればパラボラアンテナ。
となればニャー吉かニャン太郎しか思い浮かばない。
毛がないとはいえ、その貧相な顔から彼と推測、ビンゴとなった。
今はマダムと買い出しに来ているそうだ。
ニャー吉は寝ていたからほっぽって来たんだと。
そこで今回の一部始終をニャン太郎から聞くこととなる。
……いつものようにニャンニャンと清純派アイドル風の鳴き声はお断りだぞ?
分かりやすい猫語でハッキリと話すんだぞ。
「ニャー……」
{バリッ!}
「フギャッ!」
早速鼻にかけた猫なで声を出したのでバリ掻いてやった。
ほんの少し出血してしまったが大したことはないだろう。
どうせ今は病院で生活しているのだし。
そして彼曰く、マダムと肉屋に訪れた時、主人はまだ元気だったそうだ。
その時ゴン太くんは店の軒先で寝ていたのだと。
そこへニャン吉が登場、あろうことかゴン太くんのキャン玉袋にネコパンチ!
痛さに飛び上がってキャインと大きな悲鳴をあげたそうだ。
驚いた肉屋の主人が店から飛び出したらニャン吉は彼の顔面へとジャンプ!
そこで連続引っ掻きジャブの連打!
それを見ていたゴン太くんは涙目になりながらも店主の救出を試みたそうな。
しかしそこはニャン吉、サッと身をかわし見事に地面へと着地。
この時ゴン太くんは勢い余って店主に体当たり!
肉屋はストッカーの角で頭を打って失神したそうな。
これにはあの優しいゴン太くんも大激怒!
ニャン吉に敵意剥き出しの今となっている。
そして彼は最後にこう付け加えた、
〝全てゴン太くんのせいだ〟と。
……。
そりゃゴン太くんでなくとも怒るわ。
キサマ等のバカさ加減にはホトホト呆れる。
いっぺん卵子からやり直して来た方がいいんとちゃうか?
そうこうしているうちに目覚める肉屋の主人。
二匹は睨み合ってその事に気付いてはいない。
ゆっくりニャン吉の背後へ回る肉屋の親父。
そのままいとも容易く三毛猫ゲットだぜ!
こうしてニャン吉は店の奥へと連れていかれた。
その日の夕方、得体の知れない激安の肉が店頭に並んだのは言うまでもない。
完全に猫二匹の逆恨みという結論に行き届いたのだが……
それでも全て彼等が悪いとも言い切れない。
まだニャン吉の調査が済んでいないからだ。
事実、確かに彼は以前相当な猫的被害を被っていた。
だが、ゴン太くんとて悪気があった訳ではない。
ジャレようとしてただけ。
あれから商店街ではどんなことになっているのか知らないでいる我輩。
なにせ最近は専ら仕事現場が公園だったし。
そんな訳で今日はニャン吉の素性を洗ってみるか。
※素性を洗う……刑事ドラマに影響されて言いたかっただけ
―― 商店街肉屋前 ――
「ウゥゥゥ……ガルルルル!」
「フッシャアァァァァァァァ!」
なんということだ!
あの大人しくて誰にでも愛されるゴン太くんがニャン吉に牙を剥いている!
当のニャン吉も負けじと全身の毛を総立てて威嚇返しをしているではないか!
一体どうした……あ!
そこには泡を吹いて倒れる肉屋店主の姿があった。
しかもその顔は引っ掻き傷だらけの酷い有様。
どう見ても犯人は……いや、犯猫は……
「ニャ~ン?」
そんな時、我輩に声を掛けてきた一匹の猫。
ニャン太郎である。
最初エリザべスカラーで英国貴族と思ったが、よく見ればパラボラアンテナ。
となればニャー吉かニャン太郎しか思い浮かばない。
毛がないとはいえ、その貧相な顔から彼と推測、ビンゴとなった。
今はマダムと買い出しに来ているそうだ。
ニャー吉は寝ていたからほっぽって来たんだと。
そこで今回の一部始終をニャン太郎から聞くこととなる。
……いつものようにニャンニャンと清純派アイドル風の鳴き声はお断りだぞ?
分かりやすい猫語でハッキリと話すんだぞ。
「ニャー……」
{バリッ!}
「フギャッ!」
早速鼻にかけた猫なで声を出したのでバリ掻いてやった。
ほんの少し出血してしまったが大したことはないだろう。
どうせ今は病院で生活しているのだし。
そして彼曰く、マダムと肉屋に訪れた時、主人はまだ元気だったそうだ。
その時ゴン太くんは店の軒先で寝ていたのだと。
そこへニャン吉が登場、あろうことかゴン太くんのキャン玉袋にネコパンチ!
痛さに飛び上がってキャインと大きな悲鳴をあげたそうだ。
驚いた肉屋の主人が店から飛び出したらニャン吉は彼の顔面へとジャンプ!
そこで連続引っ掻きジャブの連打!
それを見ていたゴン太くんは涙目になりながらも店主の救出を試みたそうな。
しかしそこはニャン吉、サッと身をかわし見事に地面へと着地。
この時ゴン太くんは勢い余って店主に体当たり!
肉屋はストッカーの角で頭を打って失神したそうな。
これにはあの優しいゴン太くんも大激怒!
ニャン吉に敵意剥き出しの今となっている。
そして彼は最後にこう付け加えた、
〝全てゴン太くんのせいだ〟と。
……。
そりゃゴン太くんでなくとも怒るわ。
キサマ等のバカさ加減にはホトホト呆れる。
いっぺん卵子からやり直して来た方がいいんとちゃうか?
そうこうしているうちに目覚める肉屋の主人。
二匹は睨み合ってその事に気付いてはいない。
ゆっくりニャン吉の背後へ回る肉屋の親父。
そのままいとも容易く三毛猫ゲットだぜ!
こうしてニャン吉は店の奥へと連れていかれた。
その日の夕方、得体の知れない激安の肉が店頭に並んだのは言うまでもない。
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