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第1章.檸檬ネコのテト
第004愛.アイベラ半島にて③
しおりを挟むココ、見晴らしの丘があるのはアイルランドのアイベラ半島。なので、この地に即した公用語に翻訳してみる事にするネ。
独立後、アイルランド政府はアイルランド語の使用を奨励してるヨ。なのでアイルランド語が第1公用語、英語が第2公用語になってるそうネ。
『◎△$♪×¥●&%#?!』
「こっちに来るんじゃ、おチビちゃん達」
勿論、アタイもピンクフクロウも言葉の意味はちゃあ~んと理解出来てるネ。素直に応じ、お爺ちゃんの許に跳び寄ったヨ。
にゃ~♡
ほホ~♡
この老人、悪いヒトじゃ無いネ。そう判断したのか……アタイ達は2匹とも素直に、気持ち良さそうにお爺ちゃんの頭ポンポンに応じたのヨ。
「ええか? そこにロープが引いてあるじゃろ。そこから先へは行くんで無いぞ。帰って来れなくなるからの」
体躯に絡み付いた残りのごみ袋も、お爺ちゃんに綺麗に取って貰ったネ。お礼に、普通の動物はしない“ぺっこりお辞儀”してその場を去ったヨ。
キョロ……キョロキョロ。
キョロキョロ……キョロ。
お爺ちゃんの姿が見えなくなった所で、アタイ達は改めて張られたロープに近付いたネ。ロープにぶら下がるハ、『進入禁止』の警告標識。
それ見て、再びコクンと頷き合ったネ。アタイ達が宇宙から飛来してまで、地球にやってきた理由……それがこのロープの向こうにあるのヨ。
ロープの先に広がってるもの……それは一面、低木の生え茂る藪の密林なのネ。侵入を拒む“何者か”の意志がヒシヒシと感じられるのヨ。
でも、低木の高さはちょうど人間の腰と同じ位ネ。考えられる仮想敵は軍隊や傭兵、若しくはスパイ? これ絶対、人間を想定してるネ。
だから、まさかネコとフクロウが自分の意志で堂々と侵入して来るなんて想定に入れて無いネ。逆に言うと、これが人間の思考の限界なのヨ。
ガサッ、ザッザッザッ!
ガサッ、ガサッ、ガサッ!
でも、アタイ達には関係無いのネ! だってアタイはネコ、地を這う様に駆けるアタイの視界ならその意志を避けて藪の下を潜り抜けれるヨ。
ふわっ、スィーっ。
フヒュウッ、スィーっ。
また、ピンクフクロウはセレーションと呼ばれる独特の羽根のギザギザが空気を拡散させるネ。だから藪を越して、音無く飛空出来るヨ。
そしてアタイとピンクフクロウがこの薮の密林を抜けるとその先、急に視界が開けて行ったネ。ン、目前のあれ……ナニ?
ほー、ほホー!
【ターゲットはココよ】
にゃ、ニャン!
【間違い無さそうネ】
……へッ!??
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