【完結】ひとつのアイスを二人でかじりながら、駅前を歩きたい

ノエル

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41 ファーストH ※R18

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シャワーを終えた健斗は、腰にバスタオルを巻いて、帰って来た。
さっきの続きで怒られると思って身構えていたら、予想に反して抱きしめられた。


「エイ、愛してる。俺の元に帰ってきてくれて、すげぇうれしい」
「それは俺のセリフだ。健斗だって、あの世から帰ってきてくれた」
「エイに呼ばれたら、どこにいても帰って来るに決まってる。エイに呼ばれなきゃ、今頃俺は三途の川を渡ってた」


俺はそのまま押し倒された。

健斗と情熱的なキスをした。癖になるような健斗のキス。
やはり、俺は健斗のキスじゃなきゃ駄目なんだと思い知った。

目をつぶって、健斗の舌を堪能していると、尻にヒヤッとした感触がした。
するっと、後ろに指が入って来た。え? いきなり?


「俺が入れるという選択肢はないのか?」


無理だとわかっていたけど、ちょっと、反抗してみた。


「それなんだが。エイも俺に入れたきゃ入れていいぜ。でも、あんまり、面白くないと思うぞ?」
「え、どういうこと?」
「俺も、エイがそう言い出すんじゃないかと思ったんだ。だから、ビデオを見て、自分で指を突っ込んで前立腺刺激をしてみた。
どうも俺は、感じねぇ体質みたいなんだ。エイみたいに乳首も何も感じねぇし。まあ、俺はちん〇一点主義だな。
ビデオでも、感じる体質の男と、感じない体質の男がいると言ってただろ?」
「健斗は、ちん〇以外は、感じない体質だったんだな」
「まあね。こういうのって、相手が感じる姿を見て、自分も興奮するってとこがあるじゃん? でも、俺は無反応だから、エイは面白くないと思うぜ? それでも俺に入れたいなら、入れてもいいけどよ」


しゃべりながら、健斗は俺の中で指をごそごそ動かしている。
突然、グリっとされた。

うっ! 俺の身体がびくっと跳ねた、


「よっしゃー! ここだな! エイ、ここ感じるんだろ? 思った通り、エイは感じる方の人間だ。こうしたらどうだ?」


健斗の入れている指が2本になった。
2本でグリグリ押してしてくる。

「健斗! 健斗!」
「どうだ? 気持ちいいだろ? エイが褒めてくれた、親父譲りの器用で長い指だ。おもいっきりサービスするから堪能してくれ」


健斗が長い指で、すりすりと擦ったり押したりする。
身体が熱くなってきた。
はあはあ、ちょっと待って。俺、このままだとどうなるの? 
俺は動揺して涙目で健斗を見た。


「そんな反応を示すということは、あの金髪、アレフと言ったか? アレフとはこんなことはしてないな?」
「アレフじゃなくて、レイフだ。レイフとはキスしかしてないよ。
ねえ健斗、刺激が強すぎる! もう、これ以上は無理だ! 健斗、少し休憩しよう!」
「そうか、キスはしたのか。この浮気者」
「だって、レイフって健斗に雰囲気が似てるじゃないか! あの時の俺は健斗に忘れられたかもしれないと思って、病んでたんだ。毎日泣いて過ごしてたんだぞ」
「そういえば、あの時まわりの奴らも、俺とあの男の雰囲気が似ているといって、騒いでたな。元はと言えば、俺の兄貴のやらかしだし、責めにくくなっちまった」

健斗はちょっとの間考え込んでいたが、油断していた俺の乳首をペロッとなめ上げた。

「うわっ!」
「やっぱり、感じやすい身体だな」


俺が感じたことで、健斗はますます気をよくしたようだ。ノリノリになっている。


「エイをメスイキできるような身体にしてやろうな? そうなったら、エイは俺のことを手離せなくなるし、女なんかに興味が無くなる。もちろん、レイフのことなんか、思い出しもしなくなるぜ」
「なんか、健斗、エロ親父みたいだ」
「いってろ」


指が3本になった。
その指がばらばらに動いてる。
なんて器用な指なんだ!


「はあ……はあ……はあ……」


そのうち、健斗の指が、焦らすような動きに変わった。本当にどうしてこんなに器用な指なんだろう。

焦らされて焦らされて、もう、どうにもならなくなってきた。たまらなくもどかしくて、腰をくねらせながら擦りつけた。

「健斗ぉー」
「エイ、かわいい。そろそろ淹れようか? いい?」

俺は、ただ頷いた。
健斗がゴムをつけている間、ドキドキしながら、うつ伏せで待っていた。

「息を吐いてくれ」と、入り口に押しつけてきたから、言われたようにすると、健斗が後ろから入って来た。

衝撃が走った。

なんだこれは!
すごく気持ちがいい!
鳥肌が立つほど気持ちいい!

健斗はゆっくりとした動きで、腰を抜き差ししてくる。体中がゾクゾクしてきた。
腰を強く引き寄せられて、更に深いところで抜き差しを始めた。

「はあっ……あっ……」

感じるところを擦られて、もう喘ぐしかなかった。
健斗は黙って腰を動かしている。

「うっ……うっ……」

腰を掴む両手に力がこもった。手から健斗の温もりを感じるから、それだけで安心した。

徐々に腰の動きが早くなって、健斗の荒い息遣いが聞こえてきた。

背中に水滴が落ちたような感触がした。
次から次へと水滴が落ちてくる。

俺はハッとした。
まさか、健斗、泣いてるのか? 

健斗が泣くところなど、今まで一度も見たことがない。
健斗でも泣くことがあるんだ? 
俺は激しく動揺した。

だぶん、泣き顔を見られたくないだろう。俺は敢えて振り向かなかった。


「……はあっ……あっ…ああっ……」


泣かない健斗が背後で泣いていると思ったら、どうしようもないほど高ぶって来た。
俺は身体を痙攣させて、限界に達した。
健斗も動きを止め、腰を痙攣させた。達したようだ。

健斗が背後からぎゅっと俺を抱きしめてきた。


「本当に、エイは俺の元に帰って来てくれたんだな」と涙声で言うから、

「俺は健斗から離れるつもりなんて微塵もない。不滅の愛を健斗に捧げてるんだぞ」と返して、もらい泣きしてしまった。

「……その言葉は何よりうれしい。俺はエイを失ったと思っていたから」


健斗は涙声で、またぎゅっと抱きしめ直してしてくれた。

こんなに健斗を悲しませるくらいなら、18歳のあの日、あれこれ考えず帰国して、健斗と直接会って話をすればよかった。

俺は健斗の負担になりたくないと考えすぎて、返って健斗の負担になっていたんだ。

俺は本当に馬鹿だった。





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