お題:一万字で、薬草を手に入れること。

razor777

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第16話

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「喜んでいるところ悪いが、群生地にが現れて、ナワバリにしている」

「はっ? 山落ちだと?」

山落ちとは、龍のことだ。各地に龍峰と呼ばれる高い山がいくつも存在する。一つの山に支配者は一体、争いに敗れた龍は山を下る。そして、低い山に雌伏する。元支配者の手負いの龍を示す隠語だ。

「だから、今回、『異界の勇者』たちに調査を依頼した。……したんだが」

「あの、そこからは、わたしが話します」

ギルマスに視線で促された少女が喋り出した。

「赤い龍でした」

「赤い龍? 見たのか? よく無事だったな」

赤い龍は気性が荒い。下級種なら、異世界チート持ちにとってなら美味しい素材モンスター枠になる。しかし、上位種なら話は別になる。実質、魔王なんかより強い存在である。

はい、その龍ははい、その龍はを解し、私たちは逃がされましたを解し、私たちは逃がされました

喋る龍か喋る龍か……」

「?? ろくでなし? なんの話をしてるです?」

「あっ? あぁ、すまない。山落ちがしゃべるらしい」

征士郎は、ノイエンスの頭を撫でると、重要なことだけを伝えた。

「しゃべるですか、かなりの古代種です」

「しかも、赤いらしい」

「そういえば、最初にそんなこと言ってましたです」

そう言って、顎に手を当て考え込むような仕草をするノイエンス。一方、征士郎の表情はすぐれない。

「赤くて、しゃべるとは、かいしょうなしみたいです」

笑うように言うノイエンス。征士郎の表情がかたまった。

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