お題:一万字で、薬草を手に入れること。

razor777

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第17話(前に進まない)

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「やはり、なにかご存知なのですね。征士郎さんは」

「つぅーか、お前さんは、だれだよ? 初対面だよな? 顔に見覚えがねぇ」

なにかを探ってこようとする、少女に征士郎は質問をぶつける。

「勇者です。大災害の……、私が貴方達を殺しました」

「ふ~ん、お前が噂のバケモノか。それは、手間をかけさせたな」

まるで、落し物でも届けただけのような会話。

「はい、話が早くて助かります。予想はしてましたが、正直拍子抜けました」

「勇者、お前の感想はどうでもいい。で、なんの用だ?」

殺した殺されたの話題に関心が無いようで、用件を急かす征士郎。本人の意識は、薬草と山落ちの正体に向いている様子だ。

「せっかちですね」

勇者は、出されていた紅茶に口をつける。

「やはり、冷めてますね。美味しくない」

勇者はカップをテーブルのソーサーに戻すと、征士郎を見つめ質問した。

「私たちとで、ブラザーと名乗りました。貴方には、この意味がわかりますね?」

親愛なる兄弟ブラザーかよ……」

頭を抱えて項垂れる征士郎。一方、肩の荷が下りたと穏やかな表情になる勇者。

「これで、世界の終焉は間逃れました。貴方に話した瞬間に、7対の翼が世界を灼尽す映像未来が消えました」

「7対? 増えてるじゃねぇか、あのリア龍めっ」

征士郎は、知りたくなかった新情報に苛立ちの叫びを上げて、立ち上がった。

「ろくでなし? 話は終わったです? かいしょうなしのところです?」

ずっと黙っていたノイエンスが話が終わったと判断したのか、立ち上がった征士郎に話しかける。
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