【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました

三園 七詩

文字の大きさ
37 / 107

37.勘違い

しおりを挟む
ほわあああああああああ~!!

私はテオドールお兄様がシリルを自分の布団に引き寄せて二人で寄り添うようにして寝るところを見てしまいひとり興奮していた。

ちょっと前…寝ていたところ近くでボソボソと話し合う声に目を覚ますとテオドールお兄様がシリルとコソコソと話し合っていたのだ…

いつの間にかすごく仲良くなってる!

邪魔をしてはいけないと寝たフリをしながら二人をチラッと見ていると…言葉はよく聞こえないが真剣な顔をして見つめ合っていた。

お兄様とシリルが…確かそんな夢を見ていたような…

どんな会話だろ?

私は集中して聞き耳を立てた。

     ◆

「シリル…可愛いね」

「おにいちゃま…かっこいいです」

「こんなに可愛いと他の奴らがほっとかないな…シリルの事は私が守るよ」

「ぼくもおにいちゃまにみとめられるようにがんばる」

「そんなことしなくてもシリルはそのままでいいんだよ…ほらおいで…」 
(妄想)

まるでそんな会話でも聞こえて来そうだ!

すると眠そうなシリルをテオドールお兄様が布団をかけて引き寄せた…

グッハ!

マリーは興奮しすぎてそのまま意識を失った…



「マリー…マリー…」

心配そうな声が頭の上から聞こえてきた。

うーん…

動こうとすると…

いたっ!頭が痛む、それになんか熱いし息がしずらい…

はぁはぁと息が荒くなり目を開けると…

「マリー…」

心配そうなテオドールお兄様とお父様達の顔が見えた…

「……」(お父様…)

口を動かして声を出そうとしたが声が出ない…口がパクパクと動くだけだった。

すると頭に冷たい布が置かれる、ひんやりとして気持ちがいい…フーっと息を吐くと

「マリー、大丈夫?お熱があるみたいなの…無理して喋らなくていいからゆっくり休みなさい」

優しいお母様の声が今は心配そうに沈んでいた。

目を開こうとするが上手く開かない…そのままスーッとまた眠ってしまった。


「マリー…」

苦しそうなマリーの寝息に見守っていたジェラート達はため息をついた。

いつも周りを明るくしてくれるマリーが寝込んだだけで家は明かりが消えたように沈んでいた…

「ジェラート様!医師が見えました!」

するとトーマスが慌てて呼んだ医師を引っ張って連れたきた!

「トーマス!でかした!早く!早く見てください先生!」

ジェラート達は医師をマリーの前に座らせてその周りを囲むと…

「す、すみませんが離れて貰えます?そんなに見られていると診察出来ませんから…」

医師の男が困惑すると…

「嫌です!マリーのそばを離れるなんて出来ません」

「マリー…」

「お医者様…どうか、どうかマリーを助けて下さい」

「金ならいくらでもだす!今すぐマリーを治してくれ!」

全然話を聞かない家の者に医師はため息をついて諦めると…目の前で顔を赤くしている小さな女の子を見た。

髪をかきあげておでこを触ると少し熱い…確かに熱がある。

近くにいたメイドに頼んで抱き起こして貰うと目と喉の様子を確認する。

「先生…どうでしょうか?」

ジェラートが医師に聞くと…

「ただの風邪ですね」

あっさりとそう診断した。
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜

naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。 しかし、誰も予想していなかった事があった。 「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」 すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。 「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」 ──と、思っていた時期がありましたわ。 orz これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。 おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~

村雨 妖
恋愛
 森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。  ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。  半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。

【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。

櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。 兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。 ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。 私も脳筋ってこと!? それはイヤ!! 前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。 ゆるく軽いラブコメ目指しています。 最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。 小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。

処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ
恋愛
旧題:魔女として処刑された王女は、隣国に転生し聖女となる 生まれ持った「癒し」の力を、民の為に惜しみなく使って来た王女アシュリナ。 しかし、その人気を妬む腹違いの兄ルイスに疎まれ、彼が連れてきたアシュリナと同じ「癒し」の力を持つ聖女ユーリアの謀略により、魔女のレッテルを貼られ処刑されてしまう。 同じ力を持ったまま、隣国にディアナという名で転生した彼女は、6歳の頃に全てを思い出す。 「ーーこの力を、誰にも知られてはいけない」 しかし、森で倒れている王子を見過ごせずに、力を使って助けたことにより、ディアナの人生は一変する。 「どうか、この国で聖女になってくれませんか。貴女の力が必要なんです」 これは、理不尽に生涯を終わらされた一人の少女が、生まれ変わって幸福を掴む物語。

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~

浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。 「これってゲームの強制力?!」 周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。 ※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます。~執着王子から助けてくれた旦那様の為に頑張ります!~

屋月 トム伽
恋愛
第2殿下アーサー様に見初められたリーファ・ハリストン伯爵令嬢。 金髪碧眼の見目麗しいアーサー様だが、一方的に愛され執着するアーサー様が私には怖かった。 そんな押しの強いアーサー様との二人っきりのお茶会で、呪われたお茶が仕込まれていることに気付かずに飲んでしまう。 アーサー様を狙ったのか、私を狙ったのかわからないけど、その呪いのせいで夜が眠れなくなり、日中は目が醒めなくなってしまった。 日中に目が醒めないなら、妃になれば必要な公務も出来ないとなり、アーサー様の婚約者候補としてもなれないのに、あろうことかアーサー様は諦めず、私に側室になって欲しいと望む始末。 そして呪いは解けないままで日中は眠ってしまう私に、帰る事の出来る家はない。 そんな私にある公爵様から結婚の申し込みがきた。 アーサー様と家族から逃げ出したい私は結婚の申し出を受け、すぐに結婚相手のお邸に行く。が…まさかのヘルハウス!? …本当にここに住んでいますか!?お化けと同居なんて嫌すぎます! 序章…呪われた令嬢 第一章…ヘルハウス編 第二章…囚われ編 第三章…帰還編 第4章…後日談(ヘルハウスのエレガントな日常) ★あらすじは時々追加するかもしれません! ★小説家になろう様、カクヨム様でも投稿中

処理中です...