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4.保護

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どうしようかと思っているとぐーッと自分の腹が鳴る。

そういえば朝起きて何も食べずにここまで走り飴を食べて余計に腹が減ってきた。

子供をこのままにしておく訳にもいかずに屈んで声をかける。

「家がある場所わかるのか?」

ふるふる…

「一人で帰れないんだな」

こくっ…

「じゃあ俺の今住んでるところに1回来るか?その後準備したらお前が住んでた場所を一緒に探してやろうか?」

子供は少し考えた後に飴をみてから頷いた。

「よし、じゃあ少し歩くけど…歩けるか?」

子供は頷き立ち上がる。
その姿をみて改めて思った。

「小さ…」

自分の腰程もない子だった。

髪はボサボサで肩に少しかかる程度、顔は汚れていて男か女かも分からない。

「じゃあこっちだよ」

賢人が歩き出すと後ろからついてきた。

その様子に賢人は少しゆっくりと歩き出す、目印をつけておいてよかった…目印を確認しながら進みたまに後ろを振り返る。

少し進んだところで後ろを振り返ると子供がかなり後ろの方にいた。
慌ててそばに行くと子供が気がついて慌てた様子で走ってきた。

「どうした?早すぎたか?」

子供は必死に首を振る、よく見れば微かに震えていた。

さすがに小さい子にはこの距離は大変かもしれない。

仕方ないと賢人は子供の脇を抱えて抱っこした。

子供はびっくりしたのか硬直する。

「すまんが少し我慢してくれるか?」

じっとしてるので今のうちにと少し足を早めてテントまで向かった。

テントが見えてきてホッとすると子供を下ろした。

「ここが俺の寝床だ、とりあえず…洗うか…」

子供の汚れ具合をみてさすがにそのまま入ってもらうのは困る。

前日にみた川まで移動してハンカチを濡らしながら子供の顔や頭を濡らした。

パソコンで旅行用のシャンプーとリンス、石鹸にタオルを購入する。

後は服もだよな…

残高をみてため息をつくがこのままはさすがに可哀想だと必死に安い物を探した。

「えー!子供の服ってサイズがあるの?えーと80.90.100......この子いくつだよ?」

石鹸の泡で遊びながら体を洗っている子供を見つめた。

サイズのところに子供の身長も書いてあったのでそれに合わせてサイズ100を購入する。

前に来てたのがワンピースみたいな服だったので同じようなものとスパッツみたいなズボンを買うことにした。

カバンから取り出して確認していると足元に子供がきてじっと服を見つめていた。

「洗い終わったか?」

見ればまだ頭を洗っていなかった。
仕方ないと子供を連れて頭に水をかけてシャンプーを少し手に取る。

「目をつぶってろ」

そう言って頭をガシガシと洗う。
何日洗っていなかったのか髪が絡んで仕方ない、一度流してまた残りのシャンプーをまた使って二回洗うとどうにか手が通った。

も一度流してリンスを付けると髪がサラッとしている。

タオルでよく拭いてやり服を渡すが、子供は戸惑って服を受け取らない。

「お前の服だ、前のは汚いからなこっちにしてくれ」

子供は受けると何だがソワソワしている。

「あっ!」

下着を忘れてた…

賢人は慌てて子供用のパンツを買うと渡した。

洗っていて気がついたがどうやら女の子のようだ…あれがついていないから間違いない。

後ろを向いて服を着るように言うとなんかモゾモゾと動いている気配がする。

もういいかと後ろを振り返ると…「ぶっ!」と吹き出してしまった。

子供は頭が入らなかった用でアワアワと何も見えない状態で焦っていた。

賢人はボタンを一つ取ってやり頭の口を大きくしてやるとスポンと頭が通る。

ぷはっ!と子供が口を開けて息をしていた。

「うん、結構似合うな。サイズも大丈夫そうだよな」

気持ち大きい気もするが丈はちょうどいい…きっと痩せすぎなんだろう。

体を洗っている時もあばら骨がうっすらと浮き出ていた。

「じゃあテントに行くか」

賢人は子供を抱き上げてテントに戻ると中へと入れた。

自分も靴を脱いで入るとパソコンを取り出す。

なんか食べ物を…と探す。

「カップラーメンなんていいけどお湯が無いしな…なんか弁当でいいかな」

今後の事を考えて安いのり弁を二つ購入する。

バッグを探れば冷めた弁当が届いていた。

「まぁそうかなって思ったけど…ごめんなちょっと冷たいけど勘弁してくれ」

子供の前にフタを開けてやり箸を渡すと子供はギュッと握って何かとじっと見ている。

「こうやって使うけど…知らないのか?」

箸の持ち方を教えてやるが上手く挟めないようだ。

仕方なくフォークとスプーンのセットを購入…どんどん金が無くなっていく。

「ほら、これはお前にやるよ」

可愛いクマやうさぎの絵が書いてあるってフォークセットを子供に渡した。

子供はやはり使い方がわからないようなので開けてフォークを掴んで手に持たせてやる。

「こうやってご飯を食べるんだぞ」

のり弁に入っていたコロッケを刺してやると口に持っていった。

子供はパクッと小さい口でかじるとフォークから手を離して立ち上がる!

口を押さえて慌てだした。

「え!?ど、どうした!まさか腐ってたのか?」

子供が食べたコロッケを少しかじってみるが冷めた普通のコロッケだった。

すると子供が驚いて賢人をみて悲しそうな顔をする。

何が起きたのかと今度は賢人が慌てる番だった。

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