【完結】異世界転移した独身男、蔑まれていた幼女を助けたら懐かれました。

三園 七詩

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賢人はパソコンで電動ドライバーと釘板を買って入り口を塞いだ。

「はぁ…もうやだ!」

部屋に一人になってようやくほっとする。

「なんなんだよ!この世界最悪なんだけど!」

元の世界に帰りたくなる…

近々ここを出て他の村を探そうか…でもエミリアさんが言うにはあまり人もいなそうだが…

それなら一人で暮らして行くのもいいかもしれない。

賢人は黙ってここを出ていく事を考えていた。

「イブは…どうするかな…」

イブは女の子だしここにいる方が幸せかもしれない。

賢人はイブはここに置いていくことに決めた。

次の日、賢人の家にはまたチョコと飴を買いたい女性達の行列ができるが賢人は扉を開けなかった。

「ケントさん!謝るから扉を開けて!」

「あの女達はもう二度とここには来させないから!」

謝罪の言葉を投げかけられるが耳栓を買って無視する。

その間に賢人は必要そうな物を買い足していた。

荷物は全てバックに入るので重いものも気兼ねなく買う。

それと…

賢人はスタンガンを見つめて唾を飲む。

まさかこんなものを買わないといけないなんて…

賢人はそっとそれもバックにしまった。

小屋に立てこもって二日目、とうとうエミリアさんが小屋を訪れた。

「ケントさんお話をさせてはいただけないでしょうか?」

賢人は扉越しにエミリアさんに声をかける。

「なんでしょう…」

「扉をお開け下さい。皆心配しております」

「心配なのはチョコと飴の在庫ですよね。もう自分達のストック分が無くなるから不安なんでしょ」

「そんな事ありません、それにケントさんも何か召し上がらないと…」

「別に平気ですからもう構わないで下さい、近くこの村を出ていきます」

「……」

エミリアさんからの返事がない。

「いいですよね?俺がどこで暮らすのも自由だと思いますけど?」

「それは許可できません…それなら私達にも考えがあります」

いつも優しいエミリアさんの声に怒りが孕んでるような気がした…

まぁ入り口は塞いであるし大丈夫だろうと賢人はタカをくくっていた。

次の日…賢人は腹の痛みに目を覚ました。

「おい、男の分際でよくも舐めた事をしてくれたな」

「早くこいつを連れてくぞ…」

寝ている賢人の腹に足を乗せた女が賢人を見下ろしていた。

痛みは彼女が腹を蹴った事でおきた事だった…

賢人は痛みに息が出来ない…

うずくまっていると今度は反対に蹴られる。

「グッハ!」

賢人は口から酸っぱいものを吐いた。

息が出来ないでいるところに髪の毛をわしずかみにされた。

そしてそのまま引きずられていった…
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