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シルビオはイブを連れてケントの幽閉されている牢屋へと向かった。
「あっ、シルビオ」
門番の一人が顔見知りで声をかけてきた。
「やぁ、エミリア様から頼まれてあいつと話に来た」
「ええ、聞いてるわ。でもなんにも話さないのよ…その子にも無理なんじゃない?」
門番は後ろに隠れていたイブを覗き込んだ。
「でもエミリア様のご指示だから」
シルビオがそう言ってイブを隠す。
「私も付き添うからあなたは少し休んでていいよ」
「でも…」
「よかったらこれをあげる。あなただからあげるんだからね!他の人には内緒よ」
シルビオは食べないで取っておいた飴を門番に渡した。
「嘘!シルビオまだ取ってあったの!?」
「しー!誰かに聞かれたらどうするのよ…ここで食べるのはまずいから何処かで食べて来なさいよ」
「そ、そうね…じゃあお願いするわ!」
門番はそそくさと飴を大事そうに抱えてその場を移動した。
上手くいってシルビオはほっとする。
まずはここが第一関門だったからだ。
「イブ行くよ!」
シルビオはもう後戻りは出来ないと覚悟をあらたに先へと進んだ。
牢屋の奥は冷えていて、かび臭い…その一番奥にケントは幽閉されていた。
「ケント…」
シルビオは扉の前で声をかけるが反応はない…
扉を開けると最初に見た時よりやせ細ったケントが鎖に繋がれていた。
そばの机にはあの機械とバッグが置いてあった。
「ケント?」
シルビオがそばに行き声をかけたがピクリとも反応しない。
「ケントー!」
するとイブがケントに抱きついて泣きだした。
「ごめん!ごめんね!」
「イ…ブ?」
ケントはようやく反応する。
「よかった…」
シルビオはほっとすると門番から預かっていた鍵でケントの手枷と足枷を外した。
「歩けるか!?」
手を差し出して立たせようとするとバシッと手を払われる。
「さわ…るな…」
カスカスの声で大した力もない様子に申し訳なさが募った。
「今は文句を聞いてる暇はない!さっさと立て!逃げるぞ!」
「また…そんな…うそを…」
切れ切れの声にいたたまれない、シルビオは持ってきた水をケントに渡した。
「ほら水だ!飲め!」
ケントに渡すが受け取らない…いや、受け取る力も残って無いようだ。
シルビオは仕方ないと水を口に含んだ。
そしてケントの顔を掴んで口を付けると水を流し込む。
抵抗するが力なのないケントは為す術が無かった。
シルビオは水を飲ませると口を拭った。
「ほら立て!」
しかしケントは足に力が入らないのか立てないでいた。
「クソ!」
シルビオはケントを抱き上げた!
「イブ行くぞ!」
「うん!」
イブはケントの荷物を掴んであとをついてくる。
シルビオはそっと出口を覗くとまだ門番は戻って来てなかった。
そっと檻や扉を元に戻して鍵も置いておく。
予め書いておいた書き置きをおき、目立たないように建物を出た。
そのまま外壁を越えて外へと飛び出す。そして木の物陰に隠れて村の様子をうかがった。
しかし誰も追ってきて無いことを確認してようやく息をつくとケントを一度おろした。
「あっ、シルビオ」
門番の一人が顔見知りで声をかけてきた。
「やぁ、エミリア様から頼まれてあいつと話に来た」
「ええ、聞いてるわ。でもなんにも話さないのよ…その子にも無理なんじゃない?」
門番は後ろに隠れていたイブを覗き込んだ。
「でもエミリア様のご指示だから」
シルビオがそう言ってイブを隠す。
「私も付き添うからあなたは少し休んでていいよ」
「でも…」
「よかったらこれをあげる。あなただからあげるんだからね!他の人には内緒よ」
シルビオは食べないで取っておいた飴を門番に渡した。
「嘘!シルビオまだ取ってあったの!?」
「しー!誰かに聞かれたらどうするのよ…ここで食べるのはまずいから何処かで食べて来なさいよ」
「そ、そうね…じゃあお願いするわ!」
門番はそそくさと飴を大事そうに抱えてその場を移動した。
上手くいってシルビオはほっとする。
まずはここが第一関門だったからだ。
「イブ行くよ!」
シルビオはもう後戻りは出来ないと覚悟をあらたに先へと進んだ。
牢屋の奥は冷えていて、かび臭い…その一番奥にケントは幽閉されていた。
「ケント…」
シルビオは扉の前で声をかけるが反応はない…
扉を開けると最初に見た時よりやせ細ったケントが鎖に繋がれていた。
そばの机にはあの機械とバッグが置いてあった。
「ケント?」
シルビオがそばに行き声をかけたがピクリとも反応しない。
「ケントー!」
するとイブがケントに抱きついて泣きだした。
「ごめん!ごめんね!」
「イ…ブ?」
ケントはようやく反応する。
「よかった…」
シルビオはほっとすると門番から預かっていた鍵でケントの手枷と足枷を外した。
「歩けるか!?」
手を差し出して立たせようとするとバシッと手を払われる。
「さわ…るな…」
カスカスの声で大した力もない様子に申し訳なさが募った。
「今は文句を聞いてる暇はない!さっさと立て!逃げるぞ!」
「また…そんな…うそを…」
切れ切れの声にいたたまれない、シルビオは持ってきた水をケントに渡した。
「ほら水だ!飲め!」
ケントに渡すが受け取らない…いや、受け取る力も残って無いようだ。
シルビオは仕方ないと水を口に含んだ。
そしてケントの顔を掴んで口を付けると水を流し込む。
抵抗するが力なのないケントは為す術が無かった。
シルビオは水を飲ませると口を拭った。
「ほら立て!」
しかしケントは足に力が入らないのか立てないでいた。
「クソ!」
シルビオはケントを抱き上げた!
「イブ行くぞ!」
「うん!」
イブはケントの荷物を掴んであとをついてくる。
シルビオはそっと出口を覗くとまだ門番は戻って来てなかった。
そっと檻や扉を元に戻して鍵も置いておく。
予め書いておいた書き置きをおき、目立たないように建物を出た。
そのまま外壁を越えて外へと飛び出す。そして木の物陰に隠れて村の様子をうかがった。
しかし誰も追ってきて無いことを確認してようやく息をつくとケントを一度おろした。
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