せっかく異世界に来たんだから楽しまないと！ポジティブ女子の異世界生活

22.メイド

アヤカは流れでリムドの部屋まで連れていかれると…

｢ちょ！ちょっと待って思わずここまで来ちゃったけど私リムドのメイドなんて無理だよ、ほらクランプさんも言ってたしもっと相応しい人がいるんじゃない？｣

アヤカは助けを求める様にクランプを見ると

｢そうですね…この為に幼い頃から教育を受けてきた者達がちゃんといます、お前達！｣

クランプがパンパンッ！と手を叩くと颯爽と音もなく綺麗な女性が三人部屋へと入ってきた。

｢お呼びでしょうか、魔王様…｣

三人は寸分の狂いもなく揃ってお辞儀をした。

｢すんご…｣

アヤカはその様子を唖然と見ていると

｢私達は魔王様がいつ戻ってきても良いよいうにこの部屋を管理しておりました…ご不便などありましたらなんなりとお申し付け下さい｣

真ん中の女性が代表して喋ると

｢うむ、ならお前らはもう用はない。明日からは我の世話はこのアヤカが見る｣

｢｢｢｢えっ｣｣｣｣

アヤカと女性達が驚いて声をあげる…女性達はすぐに口をつむぐと

｢わ、わかりました…｣

声が震えている…その様子にアヤカはキッ！とリムドを睨んだ！

｢リムド！なんて酷い事言うの！この人達はリムドのお世話をしてくれる為に今日まで頑張って来たんだよ！｣

｢えっ…いや…アヤカはこいつらの事知らんだろ…｣

リムドがたじろぐと

｢そりゃ知らないよ！初めて会ったもん！でも彼女達がどれだけリムドの為に頑張ってきたかは少しはわかる！｣

アヤカはそういうと部屋のベッドを見ると

｢見てよこのふかふかの布団！リムドってずっと地下に閉じ込められてたんでしょ？なのにここの部屋は何時でも使えるように整ってる、それってこの人達が毎日思いを込めて掃除来てくれてたんじゃないの？ねぇそうですよね？｣

アヤカは女性達に声をかけると

｢は、はい…もちろんです。魔王様がいつお使いになるかわかりませんから、魔王様には何時でも綺麗なベッドを使って頂きたいです｣

｢ほらね！布団なんて少し干すの忘れたりするとすぐにホコリが溜まったり湿気っぽくなるんだよ！私の布団なんてこんなに綺麗じゃ無いもん！｣

アヤカの力説に魔族達は唖然とする…

｢なら、アヤカは何をするんだ…メイドじゃなければ嫁として我のそばに居てくれるのか？｣

リムドが伺うようにアヤカを見つめる。

｢そ、それは…まだ無理…｣

さっきまでの勢いが消えると

｢で、でもこの人達の仕事を無下にしないで…しかも私のせいでそうなるなんて嫌だよ｣

アヤカはお願いするようにリムドを見ると

｢わかった…ではお前達にはこれからもこれまでの様に仕事をしてもらう…そしてもう一つ仕事を追加だ｣

｢は、はい！｣

女性達が顔を輝かせると

｢アヤカにも仕事を教えてやれ、そして我のそばに入れるようにしてやるんだ｣

｢えー！｣

叫ぶアヤカを女性達はじっと見つめた。