【完結】いじめられていた令嬢は前世で飼ってた犬に似てるイケメン義兄に溺愛される

三園 七詩

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4.優しい義兄

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シルビアは明日には学園に戻る事になっている。

最後と言うことでシスレー様とお母様、アルバート様と私の新しい家族で親睦を深めようと食事を取っていた。

「シルビア、美味しいかい?」

シスレー様に声をかけられて私は頷いた。

「はい、食べた事もない料理で本当に美味しいです」

目の前には食べきれない程の色とりどりの料理が並んでいた。

「沢山食べてくれ。体調も戻ったようでよかった」

「はい、ご心配お掛けしました。明日からはまた学園に戻りますね」

そう聞いてシスレー様とお母様が寂しそうに顔を見合わせた。

「シルビアが居なくなるとなんか寂しくなるね」

「本当ね」

二人がそっとテーブルの上で手を合わせた。

「お父様、お義母様その事でお話があります」

するとアルバート様が急に真剣な顔で立ち上がった。

「そんな怖い顔をしてどうした?」

「僕はシルビアの学園に転入しようと思っています」

「「「えっ!?」」」

私達が驚いているとアルバート様が話を続けた。

「シルビアに会ってから考えていたことです。学園に入れば連絡もなかなか取れないし会うのも月に一回程度…そんなの耐えられません。僕が学園に入ればシルビアの面倒を見てやれますから」

「ま、待ってください。アルバート様は学園に通わなくてもいいのでは…」

聞けばアルバート様は私よりも二つ上の学年で成績が優秀すぎて学園での授業内容はもう既に取得しているらしく家庭で教師を雇っているらしい。

そんな成績優秀なのに私の為に学園に通わせて時間を無駄にさせたくない。

断ろうとするがシスレー様もお母様もいい考えだと大賛成する。

「それはいい!それなら月に一度は二人で屋敷に戻ってきてくれ」

「もちろん」

「アルバート様が一緒にいてくれたら私も安心だわ」

「何があってもシルビアをお守りします」

アルバート様が頼もしく胸に手を当てる。
そんな姿に少しキュンとしてしまったが慌てて首をふる。

「アルバート様にそんな事頼めません!ちゃんと屋敷にも戻ってきますから…」

盛り上がる三人を止めようとすると左手をお母様に掴まれた。

「シルビアにまた何かあったらお母様耐えられないわ」

すると逆の手をシスレー様に掴まれる。

「君は私の娘でアルバートの妹なんだ。もっとわがままになっていいんだよ」

二人に見つめられては何も言えない…後ろではアルバート様がニヤリと笑っていた。



「よかった、お父様やお母様に賛成してもらえて」

部屋へと戻る廊下をアルバート様と歩いていた。

「アルバート様はなんでそんなに私に構うんですか…」

思わずずっと思っていた事をぼそっと聞いてしまった。

「どうして?妹を家族を守るのは兄として当然だよ」

振り返ってさわやかに笑う。

「でも本当の妹じゃないのに…」

するとアルバート様は足を止めて私の前に立ち塞がった。
顔をあげると悲しそうなアルバート様の顔が私を見下ろしている。

あっ…言いすぎた。
やってしまったと顔を逸らした。

「僕はね…君に初めて会った時から君を守らなきゃってずっと思っていたんだ」

「ずっとって…会ったのは三日前ですよ」

可愛くない答えを言ってしまう。
わかっていても止められなかった。

「ううん、もっとずっと前に会ってるんだ…」

そんな可愛くない私を愛おしそうに金色の瞳が見つめていた。

「ずっと前?」

「とにかく僕は君の兄になれて嬉しいんだ。そして君の為に何か出来ることに喜びを感じてる。これは今までこの生を受けてから初めての体感なんだ。この気持ちがなんなのか僕にもよく分からないんだけどね」

そう言って困った顔で笑う。

「ふふ…変なお兄様」

私はアルバート様をみて思わず笑ってしまった。

「シルビア…」

アルバート様は驚きアワアワとしている。
いつも完璧に何事もそつなくこなしているイメージだったので慌てた様子にさらにおかしくなる。

「あはは!アルバートお兄様慌てすぎです」

この屋敷にきて初めて心から笑えた。

「やっと笑ってくれた」

するとアルバートお兄様が慈しみにあふれた瞳で近づくとギュッと私を抱きしめた。

「アルバート様!?」

驚き離れようとするがアルバート様の力が強くでビクともしない。

「君の笑顔をまた見たいと思っていた…その笑顔の為なら僕はなんでも出来るんだよ」

そう言って体を話して見つめられる。

間近でアルバート様の瞳を覗き込んだ…恥ずかしさよりも懐かしさが押し寄せてくる。

アル…

「そんな可愛い顔で見つめないで欲しいな…離したくなくなるよ」

アルバート様がニコニコと微笑んだ。

「あっ!」

私は抱き合っていたことに気がついて慌てて腕から逃げ出した。

「もう、アルバート様からかわないでください!」

ぷいっと顔を逸らした。
赤くなった顔を見られたくなかったのもある。

後ろを向いて頬の熱を両手で押さえて冷ましていた。

アルバートはそんなシルビアの様子に気が付き幸せそうに見つめていた。
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