上 下
95 / 125

95

しおりを挟む
「ふ、ざ、け、ん、な!」

ルーダはムーマの髪の毛を掴んで顔を上げさせると…

「痛い、痛い!ほら…二人ならそうそう襲われ無いだろ?なっ!」

ムーマが必死にルーダを宥める…

ルーダが頭にきて座ったソファーから腰を上げると…

トン…

何かが足にあたる…

ソファーの下を覗き込むと…サァーっと一気に顔が青くなる…

その様子に…

「ど、どうしたんだ?何があった?」

ムーマもソファーの下を覗き込んだ…そこには…

先端が〇〇な✕✕した動く△△…なんの薬かわからない…怪しい文字で書かれた薬…

歪な形の野菜…中身が半分無い〇△✕…どう使うのか…ずっと連なった〇✕〇✕のボール…

「す、すみません…気分が悪く…トイレは…」

ルーダがスっ立ち上がると…

「大丈夫?そこの扉を出て右よ」

ルーダがフラフラと歩いて扉に向かうと…

ガンッ!積まれた箱に足をぶつける…

「グッア…」

足を抑える蹲ると…

「あらやだぁ!ごめんなさいねぇこんな所に置いておいて…」

ジャマルが駆け付け箱を軽く退かす…

(嘘だろ…蹴ったけどビクともしなかったぞ…)

軽く足でずらしたジャマルを見ると…

「あっこれ?これは…ジャーン!オリーブオイル~これが食べてよし!塗ってよし!もう使い勝手がいいのよ~」

「塗る…」

使い方に疑問をもつと…

「そう、肌に塗っても被れないし…ほら私ってデリケートじゃない?やっぱり肌につけるものは安全じゃ無いとね!それに…口に入っても安全だしね!」

オリーブオイルを持ち顔の前でウインクすると…

「ルーダちゃんも試してみる?」

ジャマルが熱い視線を送ると…

「い、いえ!俺は結構です!ちょ、ちょっと失礼します!」

ルーダがトイレに逃げ込むと…

「あら…そんなにきてたのかしら…まぁ…ちゃんと出さないとね…」

ジャマルはオリーブオイルを持ったままキッチンへと戻った…

ルーダは急いで扉を開けて左手に行くと…

目の前の扉を開く…

ビクッ!

そこには薄暗い中に人影があった…

(しまった…トイレは右手か…)

「す、すみません」

ルーダが頭を下げるが反応が無い…そっと伺うように顔を上げると…そこには

「人形?」

等身大の人形が置いてあった…

「なんだこれ?嫌にリアルだな…それになんだか甘ったるい匂いが…」

クラっとすると…

バタン!

後ろに影ができて…逞しい腕が伸び扉を閉めた。

ルーダは恐ろしさのあまり固まると…

「…ルーダちゃん……乙女の寝室は覗いちゃ駄目よ…♡」

「ひゃい!すみません!すみません!トイレと間違えて!何も見てません!暗くて何も見えませんでした!」

ルーダが土下座して謝ると…

「やだぁ~そんなに怒ってないわよぉ~別にルーダちゃんが入りたいなら構わないわよ…そ・の・か・わ・り…二人っきりの時にね♡」

そう言うとポンと鼻の頭に指を軽く置かれた…。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

愛する夫の為に

現代文学 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:39

異世界転移で魔法使いに転生したけど戦闘職は嫌いなので生産職に着きます

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:5

婚約破棄?私には既に夫がいますが?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:95,601pt お気に入り:708

「君は秋がすきで、僕は嫌いだ」

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:10

異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:255pt お気に入り:2,409

はじまりは初恋の終わりから~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:3,062

私はどうすればいいのか誰か教えてほしい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:5

処理中です...