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6章

304.錬金術

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(あっ…もしかして…雄一郎さん錬金術で醤油とか味噌とか作れたのかな?)

ミヅキが考えていると…

「セバスさん…確かムサシさんが作ったお酒持ってましたよね?」

ミヅキが聞くと…

「え、ええ…まだ少しありますが…」

ニコッと笑うと…

「それを錬金術で増やしてもいいですか?」

「えっ…」

セバスさんが悩んでいると…

「どうしても作りたい調味料があるんですよね…それにはお酒を使いたくて…」

お願いとミヅキが手を合わせると…

「しかし…魔力を使うんですよね?」

「うーん…どうですかね?どの程度使うのか…やってみないとなんとも…」

チラッとセバスさんを見ると…

「わかりました!でも絶対無理はしない事!駄目だと思ったら直ぐに止める事!あと…シンクさんをそばに置く事!」

「はーい!」

【シンク~】

ミヅキが呼ぶと…

【なぁにぃ?】

シンクが飛んで来た。

「シンクさん、ミヅキさんが今から魔力を使いますから危ないと思ったら私の魔力をミヅキさんに渡して下さい!」

「えっ?セバスさんの?」

「ええ!もちろんです、シンクさん全部使っても構いませんからね!」

【ミヅキ…いいの?】

【うっ…使わせないように頑張る…】

ミヅキは大きな桶を作るとそこに酒を入れる…手を浸して増やすイメージを送ると…ゴボッゴボッと水かさが増えて行った…

「はい!ストップ!」

ミヅキが手を離すと…

【ミヅキ…魔力減ったよ…】

シンクが心配そうにする。

【ちょっとセバスから貰う?】

シンクがチラッとセバスを見ると…

「シンクさん…お願いします」

セバスが手を差し出し触れた…

【聞こえて無いはずなのにね…】

シンクがミヅキを見ると…

【ね…シンク、ちょっとでいいからね】

ミヅキもシンクに触れた…

セバスさんからの魔力を貰うと

「セバスさん?大丈夫?」

全然平気そうなセバスを見つめる…

「ええ、問題ありませんよ」

セバスはにっこりと笑った。

ミヅキは酒を半分に分けると…

「はいセバスさんお酒返しますね!」

「ありがとうございます、魔力で増えたと思えば安いもんですね…」

「ならまた作りましょうか?」

「それは…」

セバスさんが困った顔をする…

「ミヅキさんの魔力が減っていく感じを見てる方が…耐えられませんので…遠慮します」

「えー…でももう一回錬成しますよ?」

ミヅキが酒を指さすと…

「はぁ…」

セバスさんが無言でシンクに手を触れた…

ミヅキは酒からみりんを錬成する!

「やった!念願のみりん!」

みりんの桶を抱きしめる!

ぐったりしているセバスさんに近づくと…

「セバスさん…ごめんね、でもありがとうございます!」

ミヅキはセバスに抱きついた!

そのまま回復魔法をかけると…

「ありがとうございます…少し楽になりました…」

セバスが微笑む

「休んでて下さいね!美味しいご飯作りますから!」

ミヅキはみりんを抱きしめるとイカ焼き班の方へとかけて行った…。

「セバスさん大丈夫か?」

ベイカーが手を差し出すと…

「少し休めば平気ですよ…」

セバスがベイカーの手を掴んで起き上がる。

「ミヅキさんが倒れるくらいならこの方がいいでしょう…私なら人よりは魔力がありますしね…」

「全く…あのセバスさんが…こんなに甘くなるとはねぇ…」

ベイカーが笑うと

「それはお互い様でしょう」

セバスは苦笑しながらミヅキ達の元へと向かった…。

「エヴァさん!イカ焼きを漬けるタレにみりん入れるよ!」

ミヅキが走ってくると…

「みりん?また新しい調味料かい?」

エヴァはそう言いながらもイカ焼きのタレをミヅキに差し出す…

「さとうが入っちゃってるから…ちょっと醤油と酒を足して…みりんも少し…」

「どのくらい漬けておく?」

「うーん…焼くのはすぐ出来るから…時間いっぱい漬けといて下さい!その間にもう一つ作っちゃいます!」

「なら手伝おう…」

エヴァは漬けたイカをデボッド達に任せてミヅキと戻ると…

「あれ?セバスさんどうした?なんでまた魔力が切れてるんだ?」

エヴァさんが魔力が異様に減っているセバスを見ると…

「ちょっと…」

セバスが言葉を濁す…

「ふーん…」

エヴァがジロっとセバスを見つめていると…

「エヴァさん!先ずは小麦粉に水、塩、それとさっき作ったかん水」

水に小麦粉以外の材料を入れると小麦粉に回しいれながら流し込んでいく…

「エヴァさんこれをひとまとめになるようにこねるんだよ!」

「どれ…」

エヴァさんは小麦粉を風魔法で膜を作りその中でこねていく…

「エヴァさん上手!私もやってみる!」

ミヅキは同じように材料を混ぜると風魔法を使った!

「これなら私でも簡単に混ぜられるよ!」

「ミヅキは魔法操作が上手いね!雄一郎は何回教えても出来なかったよ」

「雄一郎さん意外と不器用なんだね!なんか器用そうに見えたけど…」

「見えた?」

「あっ!違う!感じた!感じたんだよ!エヴァさんの話を聞いてね!」

「そうかい?」

エヴァさんが笑うと、ミヅキはふーっと息を吐いた…

(バレて…無いよね…)

ミヅキはエヴァさんをチラッと見るが…気にした様子はなかった…

ホッとすると、黙々と小麦粉を捏ねていった。

「これだけあれば大丈夫かな?」

ミヅキは捏ねた小麦粉の塊を掴むと…

「今度はコレを薄く伸ばして細く切っていきたいんだけど…」

エヴァさんを見ると…

「じゃ…土魔法で伸ばすかい?」

「食べ物だから汚したくないんだけど…」

「じゃ木はどうだい?神木を使えば綺麗だろ?」

「そうだね!あっ!そうだ!麺を伸ばす道具作って見ようかな…こうローラーみたいなのを二つ作ってその間を通して伸ばす感じにしたいんだけど…」

「うーん…ちょっとわからないね…そういうのに詳しい人はいないのかい?」

「デボットさんならわかるかな…後は…コハクに頼もう!」

ミヅキがふたりを呼ぶと

「ローラー部分は私が神木で作るから、本体部分を頼みたいんだよね…」

デボットさんに仕組みを説明すると…

「なるほど…ハンドルを回すとローラーが回って…間を通るんだな…」

ミヅキが書いた絵を見ながらうんうんと聞いている。

「こんな説明でわかる?」

ミヅキが聞くと…

「ああ…何となく仕組みがわかったけど…どうやってハンドルとローラーを動かすんだ?」

「そこは歯車を噛み合わせてベルトで回そうと思う、歯車ってこうギザギザの引っ掛けが付いた丸いので…」

地面に絵を描くと…

「これが噛み合って回るって事か…わかった…コハクまずはこの歯車から作ってくれ!その後にそれに噛み合う大きさの歯車も頼む…」

デボットはコハクを連れて綿密な打ち合わせに入ってしまった…

「じゃ…私は…ローラー作ろう…」

ミヅキはローラーを二つ作ると…

「歯車を合わせる所をデボットさん待ちかな…」

ミヅキが待っていると…

「ミヅキ…どうだ?ここにローラーを噛ませれば回るんじゃ無いか?」

デボットさんがコハクに作らせた物を持ってくる…

「おお!すごい!思ってた通りだよ!じゃローラーの大きさを調節するね!」

ミヅキが本体にローラーをセットして調節しながら削っていくと…

「後は歯車の所だね!どの位の間隔で削ればいいの?」

「この歯車に合うように削ってくれ!」

デボットが示す歯車に合わせて溝を入れていく…

「よし!コレで回るかな?」

ミヅキがハンドルを回すと…見事にローラーが回った!

「すごい!デボットさんコハクありがとう!」

「これはいいなぁ…コハクもう一個作ってみないか?」

デボットが聞くとコハクが頷いてふたりでどこかに行ってしまった…

「えーっと…まぁいっか…」

ミヅキは麺のばし器を綺麗に拭くと…

「エヴァさんお待たせ!麺を切ってくよ!」

「出来たのかい?」

エヴァさんが近づくと…

「どう使うんだ?」

ミヅキの造った機械を見る

「ここに生地を乗せて、ハンドルを回すと…」

ミヅキがクルクルと回すと麺が伸ばされ細く切られて出てきた!

「なんで切れたんだ?」

エヴァさんが落ちてくる麺を手に取ると…

「このローラーに溝を付けてるんだよだから回すと同時に切られて出てくるの!」

ミヅキがどんどん麺を作っていくと…

「エヴァさん!この出来た麺をギュッと握って縮れを作ってくれる?」

ミヅキが一塊を集めてギュッとすると…

「こうすると麺が縮れて具材と絡みやすくなるからね」

エヴァは言われた通り麺を握っていった。

「よし…次は…!」

ミヅキはでっかい鍋を用意した。
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