ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

313.病

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そんなデボットさんは無視して私は神木のククノ様に話しかける。

「これを増やしたいんですけど、どうすればいいですか?」

私はコジローさんの故郷の霧の里で貰った大豆を取り出し見せた。

「豆?」

ククノ様が手の中を覗き込む。
今あるのはこれだけなのでどうにかたくさん増やしたかった。

「ムサシさんが育ててたのを少しもらってきたんです」

「種があるなら簡単だよ。コハクを呼んでおいで」

「コハク?」

「あの子は木と土魔法が得意だろ?」

「あっ!そうですね」

私はシルバの上でじゃれているコハクを呼んだ。

【コハクの為に作りたい物があるんだ。手伝ってくれる?】

【キャン!】

私はコハクに土魔法で地面を畑のように耕して貰いそこに大豆を撒いた。

「じゃミヅキは魔法で水を撒いて」

ククノ様が指示を出したように、全体的に行き届くようにと水を撒く。

「コハクは大豆を成長させるように魔力を流していつもの様に木魔法を使う感じだよ」

「キャン」

コハクが土に魔力を込めるとポコン!  と土から芽が出た。

【あっ!  コハク芽が出たよ!】

「ミヅキも出来るならやってごらん」

興味深く観察しているとククノ様が私の手を取り土に触らせる。

「こうやるんだよ」

ククノ様が手を繋いだまま魔力をこめた。

「こう?」

ククノ様から感じる魔力のようににやってみるとニョキニョキと大豆があっという間に育った。

「僕の加護があるからやっぱりミヅキは相性がいいね。もう一度水を撒いて同じように魔力を込めればすぐにでも収穫できるよ」

「じゃ半分は枝豆で半分大豆にしよう。コハクもう少し頑張ってね」

【キャン!】

コハクのシッポがピンと立った。

私はコハクが成長させた青々しい枝豆を収穫し収納すると、残りを大豆になるまで育てる。
体を動かしているとなんか違和感が生じた。

「じゃ、大豆を水に・・・・・・浸しておこうね」

大豆を桶にいれ水を入れようとするが上手く体が動かずにフワフワする。フラッとよろめくと、シルバが心配そうに近づいてきた。

【ミヅキ大丈夫か?】

体を支える様に横に付いてくれたのでシルバに寄りかかる。そうしないと立っていられなかった。

【シルバ・・・・・・ちょっとクラッときただけだよ、魔力使いすぎたかな?そんなに使ってないんだけど】

話してる途中でミヅキが座り込む

【ミヅキ!おい!なんかいつもより体温が高くないか?】

シルバがミヅキの頬を舐めると

【ハハ…シルバのベロ冷たくて気持ちいい…】

そのままシルバに寄りかかってしまった。

【シンク!】

シルバが急いでシンクを呼ぶと、慌てた様子のシルバにプルシアとムーも近づいてきた…

【どうしたの?】

シンクがシルバに掴まると座り込んでいるミヅキに気がつく。

【ミヅキ!どうしたの?】

シンクの問いにミヅキが答えない…

【ミヅキが急に倒れたんだ!シンク回復魔法を!】

【うん!】

シンクはミヅキに触ると回復魔法をかける。

【あれ?良くならないよ…どうしよう】

プルシアが覗き込むと

【これは…人がかかる病だろう。シンクの回復魔法は怪我には効くが病には…ミヅキが使う魔法の方が効くはずだ】

【でも…ミヅキの魔法自分には効かないんだよ…】

「その前に魔法を使える状態じゃ無いだろう…」

ククノがミヅキの頬に触れる。

【デボット達を呼んでこい!人には人の治し方があるだろう】

シンクとコハクがデボット達の元に向かうと、ムーがミヅキの頭に飛び乗った。

【おい!どけ!】

シルバが唸ると

【いや…見ろミヅキが気持ち良さそうにしてる…ムーの身体で冷やしてるんだ】

ミヅキの苦しそうな顔が少し和らいでいた…

シンクとコハクがデボットの服を引っ張って連れて来ると

「なんだ?どうしたんだよ!服が破れるだろ」

デボットがしょうがなしに引っ張られて来ると…シルバに寄りかかって苦しそうにしているミヅキが目に入った…

「ミヅキ!」

デボットの大声にレアルとエヴァも駆け寄ってくると…

「どうしました?」

二人がそばに来ると

「ミヅキの様子が!」

デボットがミヅキを触ると

「熱い!熱を出してる…」

「えっ!」

レアルとエヴァもミヅキに触れると

「海の国にいた時も時折クシャミをしていた…風邪を引いたのか…」

「シルバ、ミヅキを温めないとちょっと…」

シルバからミヅキを離して抱き寄せると

「グウゥゥ…」

シルバが唸る。

「心配なのは俺も同じだ!布で包んで温めてやろう」

デボットが綺麗な布を出すとミヅキを優しく包む…

「ほらお前の毛皮で温めてやってくれ」

シルバにミヅキを戻すと、愛おしそうにミヅキを包んだ。

「エヴァさん!回復魔法は使えないのか?」

「すまん…私は回復魔法は出来ないんだ…」

エヴァがすまなそうに言うと

「シンクは!」

みんながシンクを見るとフルフルと首を振る…

「となるとセバスさんを待つしかないのか…」

ミヅキを見るとはぁはぁと肩で息をして苦しそうにしていた…。

「こんな弱ってるミヅキ…初めて見る…」

みんなが不安そうにしていると…

「何かあってからじゃ遅い…セバスさんの元に向かおう…ミヅキを連れて」

デボットがレアルとエヴァを見ると

「そうですね…今回ばかりはその方がいいと思います」

レアルが頷く。

「そうだな、いくらミヅキをサウス国に会わせたくないとはいえこれは緊急事態だ」

「よし!シルバミヅキを連れていく、シルバ達は残ってくれって言いたいが…」

みんなを見るとミヅキから離れる気が無いように感じる。

「騒がないでくれよ…」

【ミヅキの為だ、みんな乗れ】

プルシアが背中を見せると

【助かる】

シルバがミヅキを抱きかかえたデボットを乗せるとプルシアに飛び乗った。

「乗っていいのか?」

「ガウ」

シルバが頷くと、早く乗れとばかりにレアル達も見る。

「我々も急ぎましょう」

レアル達が乗り込むのを感じるとプルシアは力強く羽ばたいた!


「クラウス隊長…ちょっと…」

兵士がクラウスを呼びに来ると

「すみません、失礼します」

クラウスはベイカー達に声をかけ外に出ていった…。

「何かあったのか?」

クラウスが部下を見ると

「クラウス隊長!先程目撃されたドラゴンが再びこの町に向かって飛んできていると報告が入りました!」

「何!」

クラウス隊長が思わず声を上げると…扉をみる、中に聞こえた様子は無かった…二人は部屋から離れると

クラウス隊長達が警戒して腰の剣に手を添えると

「ドラゴンは一体何しに…」

「まだ分かりませんが、人を乗せているのが確認出来ました」

クラウスは手を組み考えていると…

「私も行こう…先に行っていてくれ」

兵士は頷くと急いで外にかけて行った。

クラウスはベイカー達の部屋に戻ると

「すみませんが、少し用事が出来たので席を外します…もう暫くお待ち頂けますか?」

「ああ…」

ベイカーが返事を返すと、大人しく椅子に座り直す。

「どうしたんだ一体…」

ベイカーが急にソワソワしだす。

「落ち着きなさい、仮にもA級冒険者でしょうが」

「なんか…嫌な予感がするんだ…」

ベイカーの言葉にセバスがじっとベイカーを見つめる。

「ベイカーさんの嫌な予感…ですか…」

「ああ…久しぶりに感じる」

頷くと

「ベイカーさんのそれ…外れた事無いですよね…」

「ああ…ミヅキに何かあったのかな…」

ベイカーがボソッと呟く。

セバスとベイカーは予感が外れているように祈る事しか出来なかった。
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