ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

332.到着

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「クラーク先生!こいつら見てやって下さい!」

部屋に入るなり兵士が先生に慌てて声をかけた。

「どうしました」

クラーク先生が振り返ると、血だらけの二人の兵士が目に入る。

「こっちに!」

急いで空いているベッドに運ばせると

「何があったんですか?」

ジャンの腕を持ち回復魔法をかけながら話を聞くと

「門で魔獣が暴れまして…」

兵士が怪我をした経緯を説明すると

「それで…その魔獣は?」

「どうにか捕らえて眠らせました」

「そうか…それは良かった、しかし酷い怪我だなぁ…他の兵士達は大丈夫なのか?」

先生が付き添った兵士を見る限り怪我をしているようには見えなかった…

「いや、怪我をしたのはこの二人だけなんです。あの魔獣…俺達には見向きもしないでジャンとリゲルを狙ったんですよ…お前ら災難だったな…」

兵士が心配そうに二人に声をかけると

ジャン達は傷が痛むのか苦しそうに視線を逸らした…。

クラーク先生が回復魔法をかけるが…

「ふぅ…すまん傷が酷すぎる…俺の回復魔法では止血が精一杯だ…腕は…」

先生が申し訳なさそうにすると

「覚悟は…していました…大丈夫…です」

ジャンが納得したように頷いた。

「リゲルの方は?」

「俺は折れてるだけですから…」

「すまんな、魔力が回復したら治すから…こんな時にラウロは何処に行ったんだ…」

クラーク先生がリゲルの折れた腕と足を包帯と添え木で固定した。

「しばらくここで休んでいろ…他にも寝てる患者がいるから静かにな」

クラーク先生が奥のベッドを見ると、カーテンに目隠しされたベッドが目に入る。

二人は頷くと大人しくベッドに横になると、視線を合わせた…。

(ラウロ…遅いな…早くあいつに見ててもらってこの子の事を知らせに行かないと…)

クラーク先生が落ち着かずウロウロとしていると…

「先生…どうしたんですか…」

ジャンが部屋を歩き回る先生に声をかけた。

「ちょっと用があって出たいんだが…患者が心配でな」

先生が奥のベッドを気にすると

「俺たちで良ければここに居ますから」

ジャンが先生を見ると

「…すまん、お前達 ちょっとここを任せてもいいか?」

クラーク先生がジャン達を見ると…二人は微笑むと無言で頷いた。

「すまんな!」

クラーク先生は礼を言うと急いで部屋を出ていってしまった…。


クラークはクラウス隊長を探して王宮を走り回っていると…

いた!

「クラウス隊長!」

クラークが声をかけると、クラウス隊長も忙しそうに移動している最中だった…

「クラウス隊長!話が…」

クラークが少し離れたクラウスに大声で呼び止めるが

「すみません!先生先程ウエスト国の国王様達が到着しまして急いでいます!話は後で!」

クラウス隊長がそう言うと部下達とあっという間に走り去ってしまった。

「ま、待て!そのウエスト国の事で…」

追いかけるが兵士達の足に追いつけずどんどん離されしまいには姿が見えなくなってしまった…

「ウエスト国が…しょうがない…あの子をやはり連れてくるしか…」

クラーク先生はあの子供を迎えに医務室へと引き返した。




その頃サウス国に到着した一行は…

【ミヅキの匂いがする…】

シルバがボソッと呟いた。

【本当か?何処だ!】

ベイカーがキョロキョロと周りを伺うが…見る限り子供がいるようには見えなかった…

「ベイカーさん、キョロキョロと落ち着きのない…恥ずかしいですよ」

セバスが注意すると

「シルバがミヅキの匂いがすると…」

「えっ…」

セバスがサッと一瞬で回りの状況を確認するが…

「ここにはいないようですよ…」

セバスが肩を落とす

【残り香…と言うか…】

クンクンと鼻を動かす。

「とりあえずこのまま王宮に向かいます…国王と話をしてから探しましょう…シルバさんにプルシアさん…ミヅキさんとは連絡取れましたか?」

【いや…】

【俺もだ…】

「うーん…まさかサウス国は関係ない…って事は無いですよね…」

【いや…絶対この国にいる…】

シルバが一人の歩いている男を見ると…手に紙袋を抱えて嬉しそうにしている姿が目に入った…

【なんだ?あいつがどうかしたのか?】

ベイカーもその人を見ていると…袋からパンを取り出し嬉しそうに食べ始めた。

「おい!あれ!」

ベイカーがパンを食べてる男に近づき肩を掴むとガっと自分の方に向かせた。

「な、なんでしょうか…?」

あまりの迫力に男がビビっていると…

「あっ…すまない…その、美味そうなパンはどうしたんだ?」

ベイカーがパンを凝視すると

「こ、これは…そこの修道院が売り出してるパンです…最近人気で…食べてみますか?」

思わず一つ差し出すと…ベイカーが躊躇わずに受け取る。

男は…

「あっ…」

後悔した声を出した…

ベイカーはお礼を言ってみんなの元に戻ると…

「何してるんだ!突然列から飛び出るな!」

アラン隊長が怒り、ベイカーに拳骨をしようとすると…ヒョイッと避けられてしまった。

「アランさんこれみてくれよ」

ベイカーは気にせずアランに話しかけると

「なんだ?パン?これがどうした?」

アランが普通のパンを見ると…

「俺達には普通でも…ここはサウス国だぜ」

そのパンはウエスト国ではお馴染みのふかふかのパンだった。

「ミヅキちゃんが教えたのね!」

ミシェル隊長がヒョイっと顔を出す。

「そうか!」

アラン隊長も納得すると…

「やはりミヅキはここにいる…さっき近くの修道院って言ってたぞ…」

「では…マリーさん達に言ってもらいましょう」

セバスが頷くと、一人の兵士に声をかける…するとそっと列から抜け出した…。


「…了解です。では私達は修道院に言って参ります」

別行動のマリー、イチカ、リュカ、テオが頷くと

「すみません…よろしくお願いします、我々はこの後王宮に入り王との謁見となりますので…」

「はい、王宮の方はお任せ致します」

マリーさんが頭を下げるとセバスは戻って行った。

「では我々は修道院に向かって見ましょう。皆さんお薬はお持ちですか?」

「はい!大丈夫です」

「持ってます!」

「かかる気はしないけどな!」

リュカが笑うと

「それでも体調に変化があれば必ず飲んで下さいね」

「「「はい!」」」

「いい子ですね、では行きましょうか」

マリーさんを先頭にイチカ達は噂の修道院を目指した。

修道院はあっさりと見つかった…

「やっぱりミヅキ様は凄いですね、誘拐されても何か作ってるなんて」

イチカが修道院を誇らしそうに見ると

「まだミヅキがしたって決まった訳じゃないぞ」

リュカが呆れると

「いえ!この匂いはミヅキ様のパンの匂いだわ!絶対にここに居る!」

イチカが修道院の扉をドンドンと叩くと…

「はい…」

綺麗な女性が顔を出した…

「あ、あの…人を探してまして…」

イチカが声をかけながらチラッと中を除くと…たくさんの子供達がこちらを見ていた。

「人…ですか?」

「はい…」

イチカがマリーさんを見ると

「私達の妹なんですが…はぐれてしまって…黒髪の女の子でミヅキと言うのですが…」

「ミヅキ…ちゃん…」

「ええ!ご存知ですか?」

「えっと…あなた達は…」

マリアさんが扉を閉めると外へと出てきた…

「あっ…申し遅れました。私ウエスト国のお屋敷でメイドをしております、マリーと申します」

「ご丁寧に…私このザンクト教会でシスターをしておりますマリアと申します」

マリアさんも頭を下げると

「それで…居ますか?」

「えっと…」

マリアさんが渋っていると…

「いきなり来ているかとは…マリアさんも困りますよね…我々の事も知らないのに…ただミヅキは私達の大事な家族なんです。安全の確認だけでもさせて頂けないでしょうか?寄付でもなんでも致しますから…」

マリーさんが迫ると

「いえ…まぁ身分は確認致しますが…実は確かに黒髪の子はいます…」

「やっぱり!」

「なんで教会に?」

「早かったな!」

三人の顔が綻ぶと…

「…けど…熱を出しまして…王都熱とはご存知ですか?」

「はい、噂程度ですが…子供がなる病だと…」

マリアさんは頷くと

「その子もその病にかかってしまって…医師が症状が酷く…王宮医師に見せると連れて行って…すみませんがいつ戻るか…戻り次第ご連絡しますので…宿など決まってましたら…」

四人の表情が固まる…

「ミヅキ様が…熱…」

「症状が酷い…」

「王宮…」

「そんな…」

皆のショックな様子に…

「す、すみません…大丈夫でしょうか?」

「あっ…失礼致しました…あまりにショックで…では戻りましたら…ココに連絡頂けますか?あと…失礼でなければ後でまた寄らせて頂きたいのですが…」

「それは…構いませんが…来るなら大人の方で…今修道院は王都熱の子が沢山居ます…そちらのお子様に移ってしまっては大変ですから…」

「私たちは大丈夫…」

「えっ?」

「いえ!わかりました!では失礼致します」

マリーさんはリュカ達の肩を押すと修道院を後にした。
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