ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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12章

496.言い訳

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明るい日差しが顔にあたりミヅキは目を覚ます…見ると見た事ない天井が目に入った。

「あれ…」

ここ何処だ?

声を出すとニョキっと目の前にディムロスじいちゃんの顔があらわれた!

「わっ!じ、じいちゃん…あっそうかじいちゃん家に泊まったんだ…」

あれ?お風呂に入ってからの記憶が…

首を傾げるミヅキにじいちゃんは笑いながら声をかける。

「疲れてたんだろう、お風呂から出てすぐに寝たんだぞ。セバスがベッドまで運んでな、じいちゃんと朝までぐっすりだった」

大きなベッドのど真ん中で寝ていた私はじいちゃんがどこで寝たのか気になってしまった…

「じいちゃんも…一緒に寝た?」

「ああ、ミヅキの横で休んだぞ」

その言葉にほっと胸をなでおろす。

「ベッドたくさん取っちゃってごめんなさい…もっと端に置いて良かったのに」

「そりゃ無理だ!ミヅキが落ちると思うとおちおち寝れん。それにずっと服を掴んでたから離れられなかったしな」

えっ…見るとじいちゃんの脱いだ服を掴んだままだった…

「あ、あれ?」

「気に入ったんならやるぞ」

機嫌良さそうに笑うじいちゃんに私は恥ずかしくて顔をあげられなかった。

既におきてさっぱりとしているじいちゃんを見ると

「あれ?じいちゃんまたお風呂入ったの?」

髪がうっすら濡れているのに気がついた。

「朝の鍛錬をしてきたからな、サッと水を浴びたんじゃ」

ちょいちょいと手招きするとじいちゃんが私のそばにくる。

じいちゃんを椅子に座らせると髪を乾かしてあげる。

「ちゃんと髪を乾かさないと駄目だよ」

お年寄りだし風邪を引いたら大変だもんね!

「そんな事しなくても短いしすぐに乾くぞ」

そうは言いながらも大人しく髪を乾かされていると…

「はい!終わりました」

ポンと背中を叩く、じいちゃんの背中はお年寄りとは思えないほど引き締まっていた…朝の鍛錬も欠かさず毎日やっているようだ。

だから強くて元気なんだな…

私はキョロキョロと部屋を見ると

「あれ?セバスさんは?」

他の人がいる様子がない部屋を眺める。

「ミヅキが寝てるのを確認して家に帰って行ったぞ。他にも急がないと行けない仕事が出来てな」

「そうなんだ…終わってからもお仕事なんて大変だね。何か手伝える事ありますか?」

魔法の事なら少しくらいは役に立てるかもと聞いてみると

「ない!全然大丈夫じゃ!ミヅキは何もしなくていい!」

何故か力強く否定されてしまう。

「そう?でもいつでも言ってね。じいちゃん達の役に立てるなら嬉しい!」

「ありがとうな、その気持ちだけでやる気が出るぞ…でも今回の仕事は手伝わなくていいからな」

じいちゃんは嬉しそうにお礼を言って頭を撫でると絶対に手伝わないように念押しをしてきた…

じいちゃんと軽く朝の朝食を食べていると

【ミヅキー】

シルバの声が聞こえてきた。

【あっシルバ!おはよぉーどこにいるの?】

シルバの声にじいちゃんにちょいと待ってと説明すると

【それが結構遠くまで来てしまったみたいでな…今から帰るから着くのは昼頃かな】

【そんなに遠くまで行ったんだ…ご飯は大丈夫?帰って来れる?】

【大丈夫だ、飯もみんなで魔物を焼いて食った】

【えっ!凄いねみんな!料理までできる従魔なんてそうそういないよ!】

【ぼくがしおかけた!】

コハクの嬉しそうな声がする。

コハクがいるからどうにか味付けも出来たのだろう。

【偉いね~!みんな気をつけて帰ってきてね】

シルバ達と話し終わると

「シルバ達遠くに行き過ぎて帰るの昼くらいになりそうだって」

「そうなのか?結構遠出したみたいだな」

「じゃお昼に合わせて色々と作ろうかな~昨日美味しいもの食べたからなんか無性に作りたくなってきた!ムツカにもご馳走するって約束してあるし…」

「じゃあ黒猫亭を借りるか?うちじゃそんなに厨房が充実してないからな」

「シンクもいないしそうだね!ファルさんに貸してもらえるか聞きに行ってみる」

私達は朝食を済ませると再び黒猫亭へと向かった。

黒猫亭へと近づくと何やら店の周りが騒がしい…私とじいちゃんは顔を見合わせると嫌な予感に急いでお店へと向かった!

お店には冒険者達の人集りが出来ており店の扉は開けっ放しとなり店の中はぎっしりと人が詰まっていた…

「これ…どうしたの?」

「なんじゃこりゃ…」

私とじいちゃんが呆然と店を見つめていると…

「ぎゃはははっ!」

聞き覚えのある笑い声が店の奥から聞こえてくる。

「「この声…」」

「ミヅキはここで待っとれ!わしが中にいって様子を見てくる!」

「う、うん…じいちゃん、セバスさんとベイカーさん呼んでこようか?」

わたしがいた方がいいんじゃないかと思いじいちゃんに聞くと

「そうじゃな…一応連れてきてくれるか?」

「わかった!」

私は急いでベイカーさんの家へと向かった!

ミヅキがベイカーの家の方に走っていくのを確認すると…

「よし!ほらお前ら朝っぱらこの騒ぎはなんだ!?中へ通せ!」

ギルマスは冒険者の一人の肩を掴むと…

「あへ~ギユマス~こんばんわ~」

ヘロヘロになりながらぺたりと地面に座り込む。

「なんだ?みんな酔っ払ってるのか?」

ギルマスは次々に冒険者達を掴むと外に投げ出す、するとようやくカウンターが見えてきた!

「ファル!マスターはいるか!」

騒がしい店内で大声を出すと…

「あっ!ギルマス!こ、ここです!」

みんなの頭の上から手が伸びる!

「あれか!おいどけ!みんな外に一回出ろ!」

ギルマスが大声で怒鳴りつけると

「うっせぇなぁ!じじい!ほらじじいも飲め!」

「ああん?」

見ると顔を赤くしたアランが皆の中心にいて酒を振舞っていた。

「この騒ぎやはりお前か…」

ギルマスは頭を抱えると…

「お前たち今すぐ店から出ろ!でないと問答無用で気絶させるぞ!」

ギルマスがギロッと冒険者達に殺気を飛ばしながら睨みつけると…

「は、はい…」

一気に酔いが醒めてそそくさと店から出ていく…店の中には酔いつぶれて寝ている奴とまだ酒の抜けない奴が数人残っているだけだった…

「あーあ、みんな帰っちまった」

アランは酒のコップをようやく離すと

「どういう事だ!まさか昨日からずっと飲んでたのか?」

「うー…近くでそんなにデカい声出すなよ…頭に響く…」

アランが頭を抱えると

「ファルすまないな、店をこんなにして…」

ギルマスがぐちゃぐちゃになった店内を見渡しファルに謝ると

「いえ…別に壊されたものもありませんしいいんですけど…」

ファルは言いにくそうにギルマスを見ると…

「ちゃんと酒代はこいつらに請求していいぞ!足らない分はこの馬鹿息子が払うからな!」

「あっ…本当に息子さんなんですね…嘘かと思いましたが他の方が本当だと言うもので」

ファルが苦笑いすると

「でも今日までだ、こいつとは縁を切る!」

「あっ…それが…アランさんが飲んだ酒なんですけど…」

「なんかやらかしたのか?」

「いえ…その…あの皆さんが帰られた後店に来た時にギルマスが飲んだお酒を聞かれて…それで賭けの話しをしまして樽の酒がお二人のだと話すと自分は息子と親友だから飲んで構わないと…」

「な、なに!まさか…」

「はい、一応最初はお断りしたのですが…どこからか冒険者達を連れてきてギルマスの息子だと他の方がお認めになったので…」

「く、くっそ…確かに息子だが…」

「そしたらアランさんが証言した冒険者達にお酒をご馳走様しだして…話を聞いた冒険者達が次々に集まってきまして…こんな騒ぎに…すみません少しならと思いましたが止められず」

「俺の樽は何処だ!」

ギルマスが奥を覗くと酒樽が三つ転がっている…恐る恐る近づき中身を確認すると…

「無い…」

酒樽の中身はすっからかんになっていた…

「す、すみません…何度も止めようとしたのですが…」

ファルさんが申し訳なさそうに謝ると

「「アラン!」」

中からも外からも怒濤の声が響く…

「うわっ!頭が…」

響く声にアランが頭を押さえると…

「どういう事だ!」

外から冒険者達から事情を聞いたセバスさんが目を釣りあげて入ってきた…両手には何十人もの冒険者達を引きずっている…

「あっ…セバス…おはよー…ははっ…なんだよいい朝にそんな怖い顔するなよ~」

アランはへらっとセバスに笑いかけると…

ブチッ!

何かが切れる音が聞こえる。

「ミ、ミヅキ!お前は少し目を閉じてろ!」

セバスさんを呼んできたベイカーはミヅキを抱き上げて耳を塞ぐとミヅキが目をつぶっているのを確認する。

さすがのミヅキも大人しく指示に従っていると…

「アランさん…ちょいと向こうでお話しましょう…」

ブチ切れたセバスさんがこめかみをピクピクさせながら笑いかける…セバスさんには珍しく笑顔を上手く作ることが出来なかった。

「あっ…セバスさん…これには海より深いわけが…」

アランが後ずさりすると…ガシッとアランの肩を握りつぶす。

「人様のお店に迷惑をかけ、人の酒に手をつけるその深いわけとやらをお聞きします…さぁ昨日の場所に行きましょうか…」

ガシッとアランの肩を掴んだまま引きずって行く!

「待って!もうあそこは嫌だ!悪かったって!金は払うから!」

アランが叫ぶのを無視してセバスさんは冒険者達も一緒に引きずって森の中へと消えて行った。
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