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12章
497.お裾分け
「べ、ベイカーさん…まだ終わんない?アランさん生きてる?」
私は小さい声でベイカーさんに尋ねると…耳を塞がれていた手がやっとどいた。
「ベイカーさん?」
「もう大丈夫だ…目を開けても…」
その言葉にそっと目を開くと…
「あれ?誰もいないよ」
黒猫亭の前には先程まで沢山いた冒険者達がきれいさっぱり消えていた…
「みんな…連れていかれた…」
ベイカーさんがブルっと身震いすると
「久しぶりにまじでブチ切れてたなぁ…」
セバスさんの様子を思い出したのか震えている。
「あーあ…お店あんなに汚しちゃって…ベイカーさん片付けしよ」
そんな様子を見ていなかったミヅキは急いで店の中へと入っていった。
「ファルさん?」
マスターを探して声をかけると
「あっ…えっと…ミヅキちゃん?」
ファルさんがミヅキと後ろからついてきたベイカーに頭を下げると
「大丈夫か?俺達も手伝おう」
倒れた椅子を立たせて戻していくと
「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ今日はもう営業は出来ないのでゆっくり片付けますから」
ファルさんが笑うと
「えっ…なんでですか?ファルさん怪我でもしたの?」
心配になって聞くと
「大丈夫!大丈夫!この通り頑丈だからね!」
ぐっと力こぶを作って見せると
「おお…」
見事な腕の筋肉にじっと見つめる。
「ならなんで…」
たっぷり腕の筋肉をみてから聞くと
「それが食材が空っぽで…昨日、沢山のお客さんが入ったからね…」
店がぐちゃぐちゃになったのに何処か嬉しそうなファルさんをなんでだろうと見ていると
「いや…開店以来あんなに人が入ったのは初めてで…」
恥ずかしそうに頭をかいている。
なるほど…そりゃ沢山お客さんが来るのはいいけど限度があるよね。
「それにみんな酔っていたからか私にも平気で話しかけて来てくれてね…意外と楽しかったんだよ」
まぁ今回だけだろうと苦笑いしている。
「そうかなぁ~」
「そんなわけなんで今日は休んで食材を買ってまた明日から地道に営業するよ」
「あっ!なら私の食材分けてあげる!ね!ベイカーさんいいでしょ?」
私はベイカーさんを見ると
「そうだな…アランさんが迷惑をかけたからな…一応あんなでも兄みたいなもんだからな…」
話を聞いていたギルマスは
「ミヅキ、わしからも頼む!ファルに食材分けてやってくれ!金ならわしが払うから」
「いいよ!お金なんてじいちゃんから貰えないよ!それにほとんどシルバ達が倒した魔物肉だったり途中で集めた野菜だからね」
「いや!そうはいかん!金ならあの馬鹿からきっちりと返して貰うから大丈夫だ」
まぁそういうことなら…
「そのお金は迷惑料でファルさんにあげてください!私はその代わりに厨房を使わせて貰えればいいから」
「いや!そんないいです!食材ももらってお金もなんて…」
「なら食材だけでももらってくれ」
ギルマスが頭を下げる。
「そ、それなら…少しいただけると助かります」
ファルさんが笑って了承してくれたのでミヅキは収納から食材を次から次に出していく!
「まずは肉ね!オークからミノタウロス、ビックバードと色んなのが揃ってます!後は野菜もここら辺では珍しい根菜もたっぷりだよ!」
更におすすめの食材も出していくと
「そ、そんなに出したらミヅキちゃんの分が無くなるよ!少しでいいんだよ!」
慌ててファルさんが止めると
「えっ?まだちょっとしか出てないから大丈夫ですよ」
私は収納から取り出す手を止めると
「えっ…この量で少しなの?」
チラッと見えない収納魔法を見つめると
「あー…私…収納魔法だけは優秀で…」
誤魔化そうとチラッとギルマスを見つめると
「大丈夫だ、ファルは口がかたいからこの事は内緒にしててくれるよな」
ガシッとファルの肩にギルマスが手を置くと…
「は、はい…」
ずっしりと重い腕にファルは笑顔が引きつった…
「後は…調味料系もいっぱいありますよ!醤油はあげたよね…みりんやお酢にかたくり粉とか興味あります?」
「ある!」
食材よりも食いつきがいい
「後は…お酒も飲んじゃんったんだよね?ムサシさんのお酒もたっぷり貰ってきたからこれも少しおすそ分け…」
「あっ!酒!」
ファルは思い出した様に酒を見つめると
「そう!この酒をギルマスから少し飲ませてもらって…よかったらこのお酒を店に置きたいんだけど」
「そっちはデボットさんとレアルさんに相談してもらった方が良いかな?」
「ミヅキ、わしもその酒が無くなったからまた頼みたいんだ」
「えっじいちゃんも?前の分もう無くなったの…飲む量多くない?あんまり飲み過ぎちゃ駄目だよ」
「わ、わかってるが美味くてついな…次からは気をつけるから」
「じゃあデボットさん達に頼んでヒポにお酒運んでもらおうか?」
「そうしてくれると助かる!」
「じゃあお酒は今ある分はファルさんのお店にあげちゃうね」
「いや!ギルマスに申し訳ない!私は後で大丈夫です」
「迷惑をかけたのはこっちの身内だからな…それにわしはミヅキがいるからいつでも頼めるから大丈夫だ」
それならとファルさんがお酒を受け取ると
「嬉しいです、これをずっと店に置きたいと思ってましたから…今回の騒ぎのおかげで珍しい調味料もいただけてかえって嬉しいくらいです」
迷惑をかけたのに喜んでいるファルさんにミヅキ達はホッとした。
「ファルさんがそう言ってくれて良かったね」
じいちゃんを見ると
「こいつはそういう奴なんだ、だからみんなも知れば怖がらずに店に来ると思うんだがなぁ」
「じゃあ今日のご飯はファルさんのお店で食べようよ!冒険者のみんなも来るでしょ?ちょうどいいんじゃないファルさんの紹介もできて」
「そりゃいいな、じゃあわしはギルドの奴らに知らせてくるな」
店もあらかた片付けたのでじいちゃんは一度ギルドに戻っていった。
「ベイカーさんもデボットさん達呼んできてくれる?人手が多い方がいいから」
「わかった」
「じゃあファルさんはよかったら一緒にご飯作りましょ?」
「ミヅキちゃんが作るのかい?他に作ってくれる人はいないの?」
ファルさんが驚いてベイカーさんを見て確認すると
「こう見えてうちで一番料理が上手いんだ…ルンバにも教えてるんだぜ」
「ルンバさんに!?もしかしてドラゴン亭のハンバーグってミヅキちゃんが?」
「よく知ってるな」
「ルンバさんからある人に教わったと聞いていて…でも決して名前を教えてくれなかったので、てっきりかなり高齢の方なんじゃないかと想像していましたが…そっか、この子が…」
目の前の小さい子供を見つめる。
「料理の腕はみんなよりおとりますよ…ただ色んな料理を知ってるだけで…」
気まずそうに言うと
「じゃあ今回は何を作るんだい!?是非とも手伝わせて欲しい」
ファルさんがやる気を見せると
じゃあ早速とミヅキは食材を取り出した…
私は小さい声でベイカーさんに尋ねると…耳を塞がれていた手がやっとどいた。
「ベイカーさん?」
「もう大丈夫だ…目を開けても…」
その言葉にそっと目を開くと…
「あれ?誰もいないよ」
黒猫亭の前には先程まで沢山いた冒険者達がきれいさっぱり消えていた…
「みんな…連れていかれた…」
ベイカーさんがブルっと身震いすると
「久しぶりにまじでブチ切れてたなぁ…」
セバスさんの様子を思い出したのか震えている。
「あーあ…お店あんなに汚しちゃって…ベイカーさん片付けしよ」
そんな様子を見ていなかったミヅキは急いで店の中へと入っていった。
「ファルさん?」
マスターを探して声をかけると
「あっ…えっと…ミヅキちゃん?」
ファルさんがミヅキと後ろからついてきたベイカーに頭を下げると
「大丈夫か?俺達も手伝おう」
倒れた椅子を立たせて戻していくと
「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ今日はもう営業は出来ないのでゆっくり片付けますから」
ファルさんが笑うと
「えっ…なんでですか?ファルさん怪我でもしたの?」
心配になって聞くと
「大丈夫!大丈夫!この通り頑丈だからね!」
ぐっと力こぶを作って見せると
「おお…」
見事な腕の筋肉にじっと見つめる。
「ならなんで…」
たっぷり腕の筋肉をみてから聞くと
「それが食材が空っぽで…昨日、沢山のお客さんが入ったからね…」
店がぐちゃぐちゃになったのに何処か嬉しそうなファルさんをなんでだろうと見ていると
「いや…開店以来あんなに人が入ったのは初めてで…」
恥ずかしそうに頭をかいている。
なるほど…そりゃ沢山お客さんが来るのはいいけど限度があるよね。
「それにみんな酔っていたからか私にも平気で話しかけて来てくれてね…意外と楽しかったんだよ」
まぁ今回だけだろうと苦笑いしている。
「そうかなぁ~」
「そんなわけなんで今日は休んで食材を買ってまた明日から地道に営業するよ」
「あっ!なら私の食材分けてあげる!ね!ベイカーさんいいでしょ?」
私はベイカーさんを見ると
「そうだな…アランさんが迷惑をかけたからな…一応あんなでも兄みたいなもんだからな…」
話を聞いていたギルマスは
「ミヅキ、わしからも頼む!ファルに食材分けてやってくれ!金ならわしが払うから」
「いいよ!お金なんてじいちゃんから貰えないよ!それにほとんどシルバ達が倒した魔物肉だったり途中で集めた野菜だからね」
「いや!そうはいかん!金ならあの馬鹿からきっちりと返して貰うから大丈夫だ」
まぁそういうことなら…
「そのお金は迷惑料でファルさんにあげてください!私はその代わりに厨房を使わせて貰えればいいから」
「いや!そんないいです!食材ももらってお金もなんて…」
「なら食材だけでももらってくれ」
ギルマスが頭を下げる。
「そ、それなら…少しいただけると助かります」
ファルさんが笑って了承してくれたのでミヅキは収納から食材を次から次に出していく!
「まずは肉ね!オークからミノタウロス、ビックバードと色んなのが揃ってます!後は野菜もここら辺では珍しい根菜もたっぷりだよ!」
更におすすめの食材も出していくと
「そ、そんなに出したらミヅキちゃんの分が無くなるよ!少しでいいんだよ!」
慌ててファルさんが止めると
「えっ?まだちょっとしか出てないから大丈夫ですよ」
私は収納から取り出す手を止めると
「えっ…この量で少しなの?」
チラッと見えない収納魔法を見つめると
「あー…私…収納魔法だけは優秀で…」
誤魔化そうとチラッとギルマスを見つめると
「大丈夫だ、ファルは口がかたいからこの事は内緒にしててくれるよな」
ガシッとファルの肩にギルマスが手を置くと…
「は、はい…」
ずっしりと重い腕にファルは笑顔が引きつった…
「後は…調味料系もいっぱいありますよ!醤油はあげたよね…みりんやお酢にかたくり粉とか興味あります?」
「ある!」
食材よりも食いつきがいい
「後は…お酒も飲んじゃんったんだよね?ムサシさんのお酒もたっぷり貰ってきたからこれも少しおすそ分け…」
「あっ!酒!」
ファルは思い出した様に酒を見つめると
「そう!この酒をギルマスから少し飲ませてもらって…よかったらこのお酒を店に置きたいんだけど」
「そっちはデボットさんとレアルさんに相談してもらった方が良いかな?」
「ミヅキ、わしもその酒が無くなったからまた頼みたいんだ」
「えっじいちゃんも?前の分もう無くなったの…飲む量多くない?あんまり飲み過ぎちゃ駄目だよ」
「わ、わかってるが美味くてついな…次からは気をつけるから」
「じゃあデボットさん達に頼んでヒポにお酒運んでもらおうか?」
「そうしてくれると助かる!」
「じゃあお酒は今ある分はファルさんのお店にあげちゃうね」
「いや!ギルマスに申し訳ない!私は後で大丈夫です」
「迷惑をかけたのはこっちの身内だからな…それにわしはミヅキがいるからいつでも頼めるから大丈夫だ」
それならとファルさんがお酒を受け取ると
「嬉しいです、これをずっと店に置きたいと思ってましたから…今回の騒ぎのおかげで珍しい調味料もいただけてかえって嬉しいくらいです」
迷惑をかけたのに喜んでいるファルさんにミヅキ達はホッとした。
「ファルさんがそう言ってくれて良かったね」
じいちゃんを見ると
「こいつはそういう奴なんだ、だからみんなも知れば怖がらずに店に来ると思うんだがなぁ」
「じゃあ今日のご飯はファルさんのお店で食べようよ!冒険者のみんなも来るでしょ?ちょうどいいんじゃないファルさんの紹介もできて」
「そりゃいいな、じゃあわしはギルドの奴らに知らせてくるな」
店もあらかた片付けたのでじいちゃんは一度ギルドに戻っていった。
「ベイカーさんもデボットさん達呼んできてくれる?人手が多い方がいいから」
「わかった」
「じゃあファルさんはよかったら一緒にご飯作りましょ?」
「ミヅキちゃんが作るのかい?他に作ってくれる人はいないの?」
ファルさんが驚いてベイカーさんを見て確認すると
「こう見えてうちで一番料理が上手いんだ…ルンバにも教えてるんだぜ」
「ルンバさんに!?もしかしてドラゴン亭のハンバーグってミヅキちゃんが?」
「よく知ってるな」
「ルンバさんからある人に教わったと聞いていて…でも決して名前を教えてくれなかったので、てっきりかなり高齢の方なんじゃないかと想像していましたが…そっか、この子が…」
目の前の小さい子供を見つめる。
「料理の腕はみんなよりおとりますよ…ただ色んな料理を知ってるだけで…」
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「じゃあ今回は何を作るんだい!?是非とも手伝わせて欲しい」
ファルさんがやる気を見せると
じゃあ早速とミヅキは食材を取り出した…
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