ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

579.取り引き

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ミヅキからの提案にジュウトは少し考える。

「取り引き…ってのは何をだ?俺達に払えるもんなんて無いぞ…」

「えーあるじゃん!その体が!」

「や、やっぱりお前俺達の体が目当てなんだな!」

ジュウトが一歩下がると

「いや!そりゃ…みんなの事撫でられたらいいけど…それはしちゃいけないと思うからさ…」

凄く悔しそうにミヅキが言うと

「変なやつ…」

ジュウトから本音が漏れる…

「だから払うなら体で言うのは働いてって事だよ!これから獣人の国に行くまでに少し距離があるんでしょ?」

「多分…馬車の中で見えなかったが二日くらい走ってたと思う」

「そっか…プルシアならすぐだけどさすがにこの人数は運べないし…みんなも不安だと思うからさこの馬車改造してみんなで行こうよ」

「この馬車で?」

「うん!みんなが乗れるぐらいに大きくして…あのおじさん達も連れていかないとだし…」

「あんな奴らここで殺して置いてけよ!」

「それは駄目。ちゃんと国に渡して処分してもらおうね、君達がそんな事で手を汚す必要はないからね」

自分よりも少し小さな女の子がにっこりと笑う…

「お前…俺より年下だよな?」

ジュウトが気になって聞くと

「そ、それはどうかなぁ~人間は年齢わかりにくい人達もいるからね~」

ミヅキが慌てると

「そうなのか…」

ジュウトはよくわからずにとりあえず頷いた。

「で?それで体で払えってのは?」

「まぁ行くまでの間にこうやってご飯食べたり、お風呂入ったり狩りしたりするからそれを手伝って欲しいな!手伝ってくれたらご飯だってわけてあげるし、馬車にだって乗せてあげる!」

「…わかった…でも小さい奴らは勘弁してやってくれ…狩りなら俺がみんなの分やるから」

ジュウトがミヅキを見つめると

「わかった」

ミヅキはニヤッと頷いた。

「どうする?契約書でも書いとく?そしたら約束破ったら違反金でも罰則でも受けさせられるよ?」

「そんなの出来るのか?」

「うん!知り合いに商会の人がいて便利だからって契約書の紙を貰ったの。字がかけるか読める子はいる?」

「俺は少し…難しいのはわかんねぇけど…」

「おっけー!じゃあ簡単に書くね!ちょっと待ってね」

ミヅキは契約書とペンを取り出すと魔法で木の机を出すとサラサラと書き出した。

「お、お前…魔力もちか…」

「え?あっそうだよ~だからこんなに小さくても冒険者やってるんだよー」

「冒険者!お前みたいなチビが!」

「身長と冒険者は関係なくない?」

「いや、それでなくてもお前はおかしいぞ!」

ベイカーさんは二人を無視して周りを片付けながら声をかけてきた。

「ベイカーさん!うるさいよ!」

ミヅキがい~!ッとベイカーさんに舌を出す。

「はい!できた!ジュウト確認してくれる?」

ミヅキが契約書を渡すと…

「契約者はミヅキとジュウト。ミヅキ事私はジュウト達家族にお金は請求しない。ご飯や身の回りの世話をする代わりにジュウト達は私達の手伝いをする。ちなみに手伝いの内容は拒否してもよい!お互い助け合う…って感じでどうかな?」

ミヅキが読み上げると子供の約束の様な内容だった…

「こんなのに効力があるか?」

「うんあるよ!ほらここ見てちゃんと商会のマークが入ってるでしょ?後はお互い証明に拇印を押せば完成だよ。約束を破ったら罪に問えます。なにか追加することがあるなら書くよ」

「手伝いを拒否できるって言ってたけど…」

「うん、嫌な仕事があったら違うのに変えてあげるよ。他には?」

「身の回りの世話って運ぶって事だよな?」

「それ以外のも面倒見るよ」

「ま、まぁ大丈夫そうかな…」

ジュウトは頷くが半分も字の内容は読めなかった…しかしわかると言った手前弱みを見せたくは無かった…

「それでいいぞ…」

「はーい!じゃあ拇印を押してね!」

ジュウトは頷くとガリッと自分の指を噛むと紙に血の拇印を押し付ける。

「じゃあ私も…ベイカーさん!お願い」

ミヅキはベイカーさんに親指を突き出すと…

「ま、まさかまたあれをやれってのか?」

「うんお願いね!大丈夫すぐシンクが直してくれるから」

「いや…ここはコジローに…」

ベイカーがコジローを見ると

「絶対に嫌です!ミヅキに傷つけるなんて俺に出来ると思いますか?」

いつもより食い気味のコジローに…

「す、すまん…無理だよな…なら…シルバ」

シルバを探すが…何処にも居ない

「シルバおじちゃんちょっと出かけて来るって森にいったよ」

コハクが伝えると

「あいつ!逃げやがったな!」

「はい、ベイカーさん諦めて。なんなら二度目だし大丈夫でしょ?」

ミヅキがにっこりと笑ってベイカーを見ると

「ミヅキ…大きくなったしもう一人でできるんじゃないのか?」

「えーでも左手使うから…違うところ切っちゃいそうなんだよね…それに自分でやったらセバスさんに怒られそうだしなー」

いじけるようにベイカーさんを見つめると

「うっ!わ、わかったよ!シンク!用意はいいか!」

ベイカーはやけになってシンクに声をかけると、シンクが心配しながらミヅキの肩に止まった。

シンクはベイカーの手元を食い入るように見つめると…

「そんなに見るなよ、やりにくいなぁ…必要以上に切らねぇから…ミヅキ、動くなよ…」

ベイカーは神経を集中させる。

ミヅキは真剣な顔のベイカーを少し頬を染めながら見つめていた…

あっという間にベイカーさんに指先を切られて契約書二枚に拇印を押すとシンクが回復魔法をかけてくれる。

「はっ?その魔獣なんなんだ…回復魔法?」

一連の流れを見ていたジュウトは唖然としていると

「そこの男の剣の速さも全然見えなかった…お前ら何もんだよ…」

「通りすがりの…冒険者?一応B級です!」

「こんなチビがB級!」

「あっ、私はC級!この人はA級でもう一人の仲間がB級なの、でパーティランクがBね」

「そっちの人が仲間なんじゃねぇのか?」

「コジローさん?コジローさんも仲間に入ってって言ってるんだけどね~コジローさんは一応B級、でも今度A級になるかもね!」

「まじかよ…」

「マジだよ!A級冒険者が契約書を交わして嘘なんてついたら恥だからね、信じてくれると嬉しいな」

「わかった…」

「じゃあ契約書をちゃんと取っておいてね!一枚は私で一枚はジュウトね」

ミヅキが紙を渡すと

「はい!契約書完了の握手!」

ミヅキが手を差し出すと、仕方なさそうにジュウトはその手を掴む。

その瞬間ポワッと手が温かくなった!

バッと手を離して確認すると…拇印を押すためにかじった指先の傷がなくなっていた…

「回復魔法?」

「うん、契約書にあったでしょ?身の回りの世話をするって」

ミヅキは、ニヤリと笑った。
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