ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

601.獣人

「すみません~この近くにギルドってありませんか?」

ミヅキは再度獣人達に話しかけると…

「ん?…ああギルドか、この道をまっすぐ行けばあるぞ…」

獣人の男の人はチラッとミヅキやベイカーを見た後に一本の道を指さした。

「本当ですか!ありがとうございます!」

やっと親切に教えてくれた獣人のおじさんにお礼を言うとベイカーさん達にその事を伝えてミヅキ達は言われた道を歩き出した!

それを見送る獣人達は…

「お前…あの道はやばくないか…」

コソッと男達が集まりだした…

「知るか、人に正しい道を教えてやる義理なんてねぇよ!しかもあいつらなんか連れてたしよ…」

ギロッとミヅキ達が消えた先を睨みつける。

「だけど…あっちはロバート達の住処じゃねぇか…獣人達だって近づかねぇのに…」

「だからだろ、あいつらが騒ぎを起こせばどっちに転んでもいいじゃねぇか」

「人が傷つきゃロバート達が裁かれるし、ロバート達が上手くやりゃ人が居なくなるだけだ」

「でも…奴隷制度も緩和されて今人の国の王子が来てるんだろ?そんな時に騒ぎなんて起こして大丈夫かよ」

「別に俺達には関係ないだろ…それに人の王子に何が出来る…未だに子供達は誘拐されるし差別だって変わりゃしない」

「まぁな…」

「関係ねぇよ」

獣人達は歩き出すと消えていった人間の事など気にもとめなかった。


ミヅキ達は薄暗い木々の間の道を進んでいくが…

「これって道かな?」

どう見てもただの森の中を歩いている気分だった…

「まっすぐだって言ってたな、どれが道かわからんから適当に真っ直ぐ進むぞ、そのうちに広い道に出るだろ」

ベイカーさんが先頭になって木を避けながら進んでいくと先に少し明るくなっているところが見えてきた!

「あっ!人がいるよ!」

そこは開けた所に木の枝や葉っぱで作った家…と言うよりはテントのようなものが並び奥には巨大な岩場があり洞穴があった。

「ん?あれがギルド?」

洞穴の周りには獣人達が数人座って雑談をしている。

どうも洞穴の奥にも何かがあるようだ。

ミヅキ達はとりあえず話を聞こうと獣人達に近づくと…ミヅキ達に気がついた獣人達がスっと立ち上がりミヅキ達を囲った。

「あれ?歓迎はされてないね?しかも獣人ばっかり出しここも獣人のギルドなのかな?」

ミヅキがベイカーに話しかけると

「獣人のギルドだと?何を勘違いしてる…ここはロバート一家の住処だぞ!俺達の縄張りに足を踏み入れたんだ…ただで帰れると思うなよ…」

獣人の一人が何か合図を送るとテントの様な小屋から続々と獣人達が現れた。

「はっ!あれは…」

ミヅキの顔色が変わる…

【どうした!?】

「ミヅキ大丈夫か!」

シルバが声をかけるとベイカーがミヅキに近づく!

「大変だよ!二人とも…あの獣人の人あのシマシマの尻尾に長い手足…丸い可愛い耳…キツネザルだ!」

ミヅキの目がキランと光った!

「ミヅキ…」

ベイカーが呆れると

「ベイカーさん!どうしよう~あの尻尾可愛い~」

どうやらミヅキには獣人達の会話が届いていないようだった。

【あいつら…あんなふざけた尻尾をしやがって!】

シルバがグルグルと牙を出すと

「おい…あの魔獣はやばくないか…」

今まで気配を抑えていたシルバが怒りでそのオーラが漏れだした…

「おい!何があった!」

するとそれをさっちして洞穴からさらに獣人の達があらわれた…

【まだいやがるのか…】

しかし見るとミヅキの好きな耳も尻尾もよく見えない…

「ん?あいつらも獣人なのか?」

ベイカーが首を傾げると

「当たり前だ!俺達はれっきとした獣人だ!」

獣人が憤怒して胸を叩いた!

「あっ!ゴリラだ!ドラミングでしょ!」

ミヅキが思わずシルバの背中で立ち上がり大声を出す!

「そうだ、そうだ!絶対そうだ!よく見ると彫りが深い顔してるもん!体も大きくて強そうだもんね!」

「そうか?アランさんと変わらんだろ?」

ベイカーがついそんな事を言うと

「俺達が人間と変わらんだと…それは俺達の力を見ても同じ事が言えるのか!」

ゴリラの獣人が顔を真っ赤にして怒ると近くにあった岩を掴む!

そしてそのまま両手で押しつぶすと粉々に砕いた!

「すごーい!」

ミヅキが拍手を送ると

「あんなの俺にも出来るぞ!」

ベイカーさんが同じように岩を掴むと軽々と砕いた…

「なんだと…」

【はん!そんなの片手で出来るわ!】

シルバが負けじとそれよりも大きな岩に近づくと…パシッ!と前足で叩く。

ガコッ!

岩は真っ二つに割れた…

「な、なんなんだあいつら…」

キツネザルの獣人達がなんか可笑しいと距離を取り出した…

「ちょっと二人とも私達は力比べに来たんじゃないよ!すみません…私達ギルドを探してて、こちらの方にあると伺ったんですけど…ここはギルドですか?」

ミヅキが極力低姿勢で声をかけると

「なんなんだ…あいつらの態度…舐め腐ってやがる!」

下手に出たのが尚更獣人達のプライドを傷つけたようだ…

「なんで怒るの?」

ミヅキがおかしいなと首を傾げる。

「いいから捕まえろ!この人数ならどうにかなるだろ!俺達の縄張りに入ってきたんだ。人だろうがどうなろうと構うもんか!」

ひときは体の大きなゴリラの獣人が叫ぶと取り囲んでいた獣人達が一斉に襲いかかって来た!

「結局こうなるんかい!」

「シルバさんミヅキを預かります!」

ベイカーが剣を抜くとコジローはシルバの元に来てミヅキを抱き上げた!

【ミヅキを頼む!木の上にでも居るんだ!】

シルバに言われるとコジローはピョンピョンと木を足場に上に上がるとベイカー達の様子が見える所に登った!

「ミヅキ、大丈夫か?」

コジローがミヅキに声をかけると

「うん、なんともないけど…ああみんなが…」

ミヅキは下で次々に投げ飛ばされる獣人達を見つめる。

【シルバ!怪我させないでね!】

派手に投げ飛ばすシルバに声をかけると

【このくらいで怪我なんてせんだろ!?】

ガブッ!と獣人の腕を噛むとぶんっ!とテントに向かって投げ飛ばす…そのままテントは潰されて壊れると…

「ぎゃあ~!」

テントから獣人の女性達と子供が飛び出して来た。

「あっ…女の人と子供もいたんだ…」

ミヅキは逃げ惑う子供達に目を向けると

「コジローさん!下に行って!あのままだと子供達まで怪我しちゃうよ!」

「しかし…お互い興奮してるからミヅキも危険だぞ。あの獣人達も必死で回りが見えてない!」

見ると木を引っこ抜き振り回してる獣人もいる!

すぐ側では子供達が腰を抜かして座り込んでいた…

「あのままだと潰されちゃう!みんな落ち着いて!喧嘩なんてやめて!」

上から叫ぶがみんなの耳には届かない!

【ミヅキ無駄だ!こいつら完全に我を失ってるぞ!】

シルバの言葉に獣人達を見ると目が獣のようにぎらついていた。

 【しょうがない…ここは俺がまとめて…】

シルバが獣人達をまとめて風魔法で巻き上げようとすると

「もう!いい加減にしなさい!」

ミヅキが木の上から怒鳴ると氷魔法で獣人達の足場を固めた!

「ぐっ!」

「なんだこれは…」

皆の足が固まりようやく動きが止まるとコジローさんと下に降りる。

「ミヅキ!俺達まで凍らせる事ないだろ!」

ベイカーさんが暴れて足の氷を砕こうとすると…

「いいから止まってて!」

ミヅキはベイカーさんの体を氷で覆っていく!

徐々に下から氷が上がっていき…上半身まで固まると獣人達もこれがミヅキの魔法だと気がついた…

「わ、わかった…俺達の負けだ。だが女、子供は許してやってくれ…」

ゴリラの獣人が頭を下げると

「あのねぇ!誰も勝ち負けなんて言ってないでしょ!私達は話をしに来ただけなの!」

ミヅキはずんずんとゴリラの獣人に近づくと足元から見上げる!

「みんなが話も聞かずに暴れ回るから子供達が怪我しちゃったでしょ!」

指をさすと、その先では獣人の女性達が固まって子供達を守るように囲んでいた。

数人の子供達が泣きながら不安そうにこちらを見ている。

「女性や子供を巻き込むなんて許せない!」

ミヅキがプンプンと怒っていると…

「ミ、ミヅキ…」

後ろからコジローさんが伺うように声をかけてきた。

「なに!?」

ミヅキが勢いよく振り返ると

「悪いんだけど…ベイカーさん助けてやってくれないか?このままだと死んじゃうぞ…」

「えっ…」

ミヅキがベイカーさんを見ると自分が怒りのまま放った氷魔法がベイカーさんの全身を覆っていた…

「きゃあー!ベイカーさん!」

ミヅキは慌ててベイカーに駆け寄った!
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