ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
468 / 656
14章

600.新しい約束

「なんでだ?獣人を誘拐して売ろうとしてたんだぞ!本人達も認めてるのになぜなんのお咎めもなしなんだ!」

ベイカーが怒鳴ると

「獣人は人を裁けないからな…」

ギルマスが悔しそう商人達を睨みつける。

「人を裁くのは人がやるそうだ…しかし獣人を裁くのは人なのにな…」

やるせない思いで拳を握りしめると

「ほ、ほら見てみろ…俺たちはすぐ釈放されるって言っただろうが!」

話を聞いていた商人達がほっとして強気に出ると

「調子に乗るなよ…」

ベイカーが殺気を放って商人達を黙らせた。

「何それ!納得いかない!もうこうなったら違うギルドに行こう!そこでちゃんと捕まえてもらおうよ!」

ミヅキがベイカーさんに声をかけると

「そうだな…俺も冒険者として納得出来ん!」

「だよね!なんなら嫌だけどレオンに直談判してもいいよ!」

ミヅキが言うと

「それは…最終手段にしとこうな…」

ベイカーが苦笑する。

「じゃあ面倒かけたな、こいつらは他のギルドに連れていくよ。そこできっちりと裁いて貰うから安心しな」

ベイカーは商人達をつれて獣人のギルドを離れると

「すまなかったな…」

ギルマスが謝る。

「いや、あんたのせいじゃないだろ…それに近い内にもっと住みよくなると思うからな…頑張ってくれや」

ベイカーはじゃあなと手を振ると

「あっ!そうだ、ジュウト達もここらで別れとこうぜ。人のギルドに行くのに獣人の子達は嫌だろうからな」

「大丈夫だ!俺が責任もって案内するよ!」

ジュウトが着いて来ようとすると

「お前は早くみんなを元の場所に返してやれよ。ここまでくりゃどうにかなるしな」

「そうだね!みんな帰りたかったんでしょ?早く無事な姿を見せてあげなよ」

ミヅキも笑いかけると

「ここまで助かった、また会えたらな」

コジローさんもジュウトに頑張ったと頭を撫でる。

「あっ!そうだジュウトあれ出してよ」

ミヅキがゴソゴソと紙を取り出すと

「契約書か…」

ジュウトも懐から契約書を出す。

「この契約書も破棄でいいね、お互い守ったもんね」

ミヅキが契約書をやぶこうとすると…

「あっ!」

ジュウトが待ってと声をあげる。

「これって…取っといたら駄目なのか?ほ、ほら!この紙高級そうだからさ…」

「うーん…契約書はなるべく破棄した方がいいよ。悪用されちゃうかもしれないし、それに欲しいなら違う紙あげるよ」

ミヅキがメモ帳を取り出すがジュウトはなんだか渋い顔をしている。

「どうしたの?なんか違った?」

ミヅキがジュウトの顔を見上げると、ジュウトはきまり悪そうな顔をしている。

「どうしたジュウト、そんな糞詰まりみたいな顔して?トイレなら行ってこいよ」

ベイカーがジュウトに話しかけると

「ち、違うやい!」

ジュウトが顔を真っ赤にする。

「いや、その顔は我慢してるんだろ?」

ベイカーが顔が赤いジュウトの肩を叩くと

「ベイカーさん…やめてあげて下さい…」

コジローが可哀想になってベイカーを止めた。

「えっ?」

ベイカーがキョロキョロとコジローとジュウトを見つめた。

「ジュウトはあれだろ?なんかそういう契約があったってのを残したいんだろ?」

コジローが苦笑して聞くと、ジュウトが下を向きながらコクンと頷く。

「まぁ契約書は残せないから…ミヅキとジュウトの違う約束を書いた紙を変わりに取っておくのはどうかな?」

コジローが優しく聞くとジュウトが顔をあげた。

「そんなのでいいの?じゃあ…」

ミヅキはメモ帳にサラサラっと何か書くとジュウトに渡す。

「このメモ帳ごとあげるね!後で名前書いておいてね!」

ジュウトはメモ帳を受け取ると変わりに契約書をミヅキに返した。

ミヅキは自分の契約書とジュウトの契約書を合わせると

【シンク、燃やしてくれる?】

シンクは頷くとミヅキの手の上で契約書を燃やした。

複雑な顔で戸惑うジュウトを置いてミヅキ達は獣人の子供達と別れた。

ミヅキ達が見えなくなるとルークがメモ帳を覗き込む。

「いいなぁ~ジュウトのにいちゃん…僕もそれ欲しかったなぁ~」

「だ、だめだ!」

ジュウトがメモ帳を隠すがルークがピョンと後ろに回り込みメモ帳を取った!

「ミヅキ、なんて書いたのかな?」

ルークがペラっと見ると、顔を顰める。

「こら!返せ!」

ジュウトが慌てて奪うとルークの顔色を見て…不安になる。

「えっ…なんて書いてあったんだ…」

心配そうにメモ帳を開いた。

「僕…字わからなかった~」

ルークが笑うと同時にミヅキが書いた文字が目に入る。

『次はミヅキに耳と尻尾を好きなだけ触らせます』

「な、なんだよ…これ」

メモ帳を見つめるジュウトにミーナが近づくと

「そんなにいい事が書いてあったの?」

なんだろ?とメモを覗き込もうとすると、バッとメモを胸で隠した。

「べ、別に…なんでそう思うんだよ…」

ジュウトが聞くと

「なんでって…メモ帳見ながら嬉しそうに笑ってたよ?」

ミーナが笑うと

「ジュウトにいちゃん尻尾が痛いよ!」

ジュウトの尻尾が勢いよく振られてルークとナギの体に当たっている。

「よっぽどいい事が書いてあったのね~気になるわ…」

ミーナがじっとメモ帳を見つめた。

「ち、違うんだよ!さぁそれより早く家に帰ろうぜ。行くぞチビ共」

ジュウトは誤魔化すように獣人の子供達を誘導する。

疑われながらも歩き出すミーナ達から少し離れるとジュウトは、もう一度メモ帳を眺めた…

ミーナ達が前を見ているのを確認すると…

サラサラ…

ジュウトはメモ帳に自分の名前を記入した。




ミヅキ達は商人達をつれてギルドを目指していた。

「すみません~ギルドって何処にありますか?」

ミヅキは歩いている獣人に声をかけると…獣人達はじろりと睨むと…チラッと後ろに目を向けてベイカーやコジロー、そして引きずる商人達を乗せた荷車を見ると

「知りません…」

関わりたくないと言葉少なく離れていく。

「まさかこんなにも嫌われてるとは…こりゃジュウトに案内してもらった方が良かったな」

ベイカーが頭を顔をかくと

「はぁ…獣人さん達がこんなにいるのに手も出せないなんて…」

ミヅキがため息をつく。

【ミヅキを無視するなんてこいつらいい度胸してんな…】

シルバが獣人達の態度にイラつき始めると

【シルバ!どうどう…大丈夫だよ。答えてくれるだけでも親切じゃん!嫌いな人間なのにさ】

ミヅキは笑ってシルバを撫でるとシルバも落ち着きを取り戻す。

【ミヅキは獣人に甘すぎるな、そんなに耳と尻尾が好きなのか?そんなの俺にとあるのに…】

シルバが少しヤキモチを焼く…

【そりゃシルバ達のもふもふが一番に決まってるでしょ?そんな当たり前の事を聞かないでよ】

ミヅキが苦笑すると

【それもそうだな…】

シルバは自分達が特別とご機嫌に頷いた。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970