ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

602.変な人間達

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「ベイカーさんが死んじゃう!」

ミヅキがオロオロとベイカーさんの周りをうろつくと…

「火魔法で溶かすんだ」

コジローさんが声をかける!

「わ、わかった!火炎放射!」

慌てて炎をイメージしたせいで凄い威力の炎がベイカーさんを包んだ…

「ぎゃー!」

ミヅキはパニックになると

【ミヅキ、落ち着け】

シルバが氷の足場を軽々と砕くと土魔法でベイカーの上から土砂を降らせる。

ベイカーさんが生き埋めになると慌てて手で掘り返す。

シルバやコハク達が手伝ってくれるとベイカーさんの赤い髪が顔を出した!

「ベイカーさん!」

頭を引っ張ると…

「いででで!」

ベイカーさんが真っ黒になりながら土から這い出てきた。

「ベイカーさん!ごめん!」

ミヅキはベイカーに抱きつくと必死に謝る。

「ああ、まぁわざとじゃないのはわかるけど…次は気をつけてくれ、本気で死ぬかと思ったぞ」

ベイカーが苦笑してミヅキの頭にぽんと手を置くと

「本当にごめん…」

無事を確認してもう一度ギュッと抱きしめた。

「あいつ…生きてるぞ…」

事の顛末を間近で見ていた獣人達はベイカーのタフさに驚いていた…

ベイカーさんにしっかりと回復魔法をかけると今度は落ち着いてお湯を出しながら氷を溶かす。

獣人達の足が自由になると…

「ね…落ち着かないと大切な人を失うことになるからね…」

ミヅキはしょんぼりとしながら獣人達に声をかけた。

「あ、ああ…そのようだな。まぁあいつ生きてるみたいだし…よかったな」

あまりのミヅキの落ち込み具合に獣人達も思わず気を使う。

「うん、ベイカーさん丈夫でよかった…」

ほっとしているミヅキの様子に獣人達も肩の力が抜けてしまった。

「すまんが話はちょっと待ってくれ、先に子供らに怪我がないか確認だけさせてくれ…そのあとはお前達の好きなようにしてくれて構わないから…」

「えっ!好きなように!」

落ち込んでいたミヅキが顔を輝かせる!

「あ、ああ…」

恐ろしい魔法を使う子供の喜ぶ様子に獣人達はこの後何をされるのかと恐怖した…

「じゃあ私も子供達の怪我見るの手伝うよー」

ミヅキが子供らに近づこうとすると

「ま、まってくれ!子供達は…」

獣人達が膝を着いて謝ると

「ん?回復魔法をかけるだけだよ?」

怯える子供達に近づくと

「ちょっと見せてね」

見るがみんな大した怪我はしていなかった、慌てて走り膝など擦りむいた程度のようだ。

「よかった、凄い怪我の子はいなそうだね」

ミヅキは安心させるように笑うと軽く回復魔法をかけて傷を治す。

「はい、もう大丈夫だよ」

綺麗に傷が消えると子供達は嬉しそうにお礼を言った。

「ありがとう」

「どういたしまして、さてあとは獣人さん達かな?」

ミヅキが様子を伺うとシルバに噛まれた獣人達の腕から血が流れている。

【シルバ!血が出てるじゃない!】

ミヅキがシルバを見ると

【知らん!ベイカーじゃないのか?】

シルバが顔を逸らした。

【ベイカーさん牙無いでしょ!】

「うちの子がすみませんでした…その傷治しますので見せて貰えますか?」

ミヅキが声をかけると、ゴリラの獣人が行けと怪我した獣人を顎で動かす…

恐る恐るミヅキの前に来ると…

「じゃあちょっとだけ…」

腕に触れて回復魔法をかけた。

「えっ…本当に回復魔法?」

傷が治った獣人が驚いて傷があった所を見ると

「は?さっきからそう言ってるよね?」

ミヅキが怪訝な顔をする。

「いや…すまん…でも治療費を払える金がないからもういい…あとはあいつだけ頼む」

後ろで隠れていた獣人を指さすと腕が変な方向に曲がっていた…

「ちょっと!早く見せて!」

ミヅキが駆け寄ると

「いや!いい!大丈夫だ!このまま抑えとけばくっ付くから」

治さなくていいと拒否される。

「人間に回復魔法をかけられるなんて…どんな高額な治療費を要求されるんだ…奴隷落ちはしたくない…」

やめてくれと顔を青くするので

「治療費なんて取らないよ!怪我させたのはこっちでしょ?」

ミヅキは面倒だと勝手に回復魔法をかけると

「はい!終わり!」

ぽんと怪我した腕を叩いた。

「いった!…くない」

獣人が自分の腕をさすると元のように動かせる。

「凄い…骨まで治ったぞ…」

手を開いたり閉じたりして確認すると…

「本当に金はいいんだな…」

再度確認する。

「いらないって!」

ミヅキがぷいっと顔を背けると

「あ、ありがとう…」

獣人は戸惑いながらお礼を言った。

その言葉にミヅキは振り返って

「その言葉だけで嬉しいです」

嬉しいそうに微笑んだ。


獣人達の怪我も大したことが無かったようでミヅキ達は改めて話をする事になった。

ゴリラの獣人がリーダーで名前をロバートさんと言うらしい。

「じゃあ改めてよろしくね、ロバートさん」

「あ、ああ…」

ロバートは戸惑いながら机に座る小さなミヅキを見つめると…後ろに立つベイカーとコジローをみた。

「なぁ…なんでこの子が座ってるんだ?話すのはお前達じゃないのか?」

ロバートが聞くと

「いや…まぁ気にするな。ここに来たのもその子のわがままなんだ、だからその子の好きなようにさせる」

「獣人の国に来たかったのか?」

ロバートがミヅキに聞くと

「そうなの、でもなかなか上手く進まないんだよね~私達はとりあえずギルドにいってあの人達を捕まえて貰って、あとは獣人の国を楽しみたいんだけど…」

「ギルドに?なら獣人のギルドが…」

ロバートがミヅキ達が来た道を指さそうとすると

「獣人のギルドには行ってきたんだよ。同じ猿さんのギルマスでしょ?」

「ああ、会ったのか?」

「うん、でもねこの人達を裁けないって言うから人のギルドに連れててキチンと処罰してもらうの」

「そいつら何をしたんだ?」

「獣人の子供達を誘拐したんだよ」

「なに!」

ロバートが机と椅子を倒しながら立ち上がった!

「そんな奴はここに置いてけ!俺が直々に処罰してやる!」

「ねぇ…誘拐された子達はどうしたの?」

話を聞いていた女性の獣人が声をかけてきた。

「大丈夫、みんな無事にここに帰ってきてるよ。みんなとはさっき別れたんだよね」

「そう…よかった」

ほっと胸を撫で下ろすと女性達に笑顔が戻る。

「そうか…お前達が獣人の子供を助けてくれたんだな…それなのに襲って悪かった!」

ロバートが頭を下げると後ろでは獣人達が同じように頭を下げていた。

「子供を助けるなんて当たり前でしょ?そんな事でお礼言われてもねぇ」

ミヅキがベイカーさんとコジローさんを見ると

「まぁそうだな、最近は俺達の周りは普通のやつがいないからなぁ…もう獣人とか関係ないよな」

「そうですね、俺も分類で言えば獣人よりですからね」

コジローが笑うと

「なんか…来た時から思ってたが、変わった奴らだな」

ロバートは目の前の変な人間達を見つめた。
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