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3巻
3-3
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次の日、皆緊張した面持ちで朝を迎える。
ミラがビオスと話すという事は、囚人達の間にあっという間に広まった。
俺はいつものようにミラをカートに入れると、食堂に向かった。
いつもなら話しかけてくる囚人達も、今日は声をかけないでいる。
食堂では調理部の奴らに加えて、製菓部の奴らも落ち着かない様子で待っていた。
少し元気がないビオスが扉を開けると、そこにカートを運び入れる。
「じゃ、よろしく」
俺はビオスにカートを預けると厨房を出ていった。
◇
ジョンさんの声がして少しすると、トントンとカートを叩かれる。
「ミラ、いいぞ」
するといつもより元気のなさそうなビオスさんが声をかけてきた。
「うん」
私はソッと箱を開けるとカートからゆっくりと出た。
私は酷い別れ方をした手前、顔を見られずに俯いてしまう。
「ミラ、飯食ったか?」
「え?」
しかしビオスさんは、私が酷い態度を取った事など忘れているかのように普通に話しかけてきた。
「飯食ったか? なんか痩せたぞ」
あんな事なかったかのような態度に私も思わず答えてしまった。
「食べてない」
そう口にした途端お腹が「グー」と鳴った。
「飯作るぞ、手伝ってくれ」
そう言うとエプロンをつけて野菜を刻みだした。
「ミラは煮込みながら灰汁を取ってくれ」
「う、うん」
お鍋に水を入れて火にかけると、台に私を乗せてくれた。
その後は二人で真剣に料理をする。
なんか料理をするのが久しぶりな気がして少し楽しい。今は嫌な事も忘れられた。
「スープを仕上げてくれ、俺はパンを焼く」
「うん、味つけは?」
「任せる」
「はい!」
いつものように声をかけ合いながら仕上げていくと、あっという間に料理が完成した。
出来上がったのは、コーンスープにふわふわのパンだ。
すると、とある事に気がつき、咄嗟にビオスさんを見つめる。
ビオスさんは優しい顔で私を見つめ返してきた。
「初めてミラと作った料理だな」
その言葉に、ビオスさんとの思い出が蘇ってきて、また寂しい気持ちになってしまった。
「ビオスさん、私」
「おっと話の前に腹ごしらえだ。俺は腹減ってんだ」
ビオスさんがお腹をさする。
「私も」
私達は二人きりで食事を取った。
久しぶりのご飯は美味しかった。あの時より食材も良くなってるし、手順も洗練されたはずなのに、どこか懐かしい味がした。
「美味しい……」
「美味いな!」
私がボソッと呟くと、ビオスさんがニカッと笑い答える。
そしてそのまま食べ終えると、私はスプーンを置いた。
「ビオスさん、この前はごめんね」
「いや、俺の方こそミラの気持ちを考えずに言って悪かった。それで俺も考えたんだが、看守長に言って刑期を元に戻してもらおうと思ってる」
「え⁉」
私は驚いてビオスさんを見つめる。
「本当ならもっと先の出所だったんだ。だから気にするな」
ビオスさんはなんでもない様子でそう言った。
でも、私は色々考えたあと、ゆっくりと首を振った。
「ううん、やっぱりビオスさんはちゃんと自由になって。本当は悲しいし寂しいし、ずっと傍にいてほしいけどビオスさんの自由を奪う事をしたら私、一生後悔する」
「ミラ……」
ビオスさんが寂しそうな顔をする。
「でも一つお願い聞いてくれる?」
ビオスさんが「なんだ?」と聞いた。
「また、会いたい! 会いにきて!」
私のお願いにビオスさんは泣きそうな顔で頷く。
「ああ! もちろんだ。絶対に会いにくる! なんたって俺は自由なんだ、ミラに会いにくるのだって自由だ!」
約束だよとビオスさんと小指を絡めた。
すると、その直後に扉がノックされた。私達はビクッと構える。
でも「いいですか?」というローガンさんの声が聞こえ、胸を撫で下ろす。
ビオスさんがドアを開けると、そこにはジョンさんとメイソンさんとハーパーもいた。
「その顔は……どうにか仲直り出来たんですかね?」
ローガンさんの問いに私が頷くと、ホッとした顔を見せた。
「どういう話で落ち着きましたか?」
ビオスさんがさっきの話を伝えると、ジョンさんが私の頭に手を置いた。
「本当にいいのか? ビオスに罪を着せてここに残すのなんてわけないぞ?」
ジョンさんが冗談っぽく物騒な事を言ってくる。
「大丈夫。それにビオスさん会いにきてくれるって約束したもん」
「確かに、その手がありましたね」
すると、ローガンさんも確かにと頷く。
「なんならビオスと一緒にミラが外に出てもいいんじゃない?」
ハーパーがしれっと言うとみんなが無言になった。
「それって俺達がミラに会えなくなるって事か?」
ジョンさんが恐る恐る確認する。
「まぁそうだな。俺はそれでもいいぞ」
ビオスさんがいいなと笑うと、ジョンさんが慌てた様子で私を抱き上げた。
「ミ、ミラ⁉ お前外に行きたいのか?」
不安そうな顔で聞いてきたので、私はジョンさんの首に手を回して抱きついた。
「ううん、私はやっぱりここにいたい。ビオスさんも好きだけど今はまだここがいい」
そう言ってジョンさんの胸に頭をピッタリとつけた。するとジョンさんが離さないと言うようにしっかり抱きしめてくれる。
ここが私の安心する場所だ。
「なんか妬けるなー」
ハーパーが後ろからからかうように声をかけてくる。
「ハーパーうるさい!」
私はいつものようにハーパーに「べー!」と舌を出した。
「ミラ、ジョンだけでいいんですか? 私の所でもいいんですよ」
「私でもな」
ローガンさんとメイソンさんがおいでと手を広げる。
私は笑顔で二人にも抱きついた。
「えー? じゃあ僕は?」
ハーパーが笑って両手を差し出す。
私は仕方ないとハーパーにも抱きつくと耳元で囁いた。
「ハーパーありがとう。私、後悔しないですんだ」
ハーパーは優しく微笑むと、ギュッと抱きしめてくれた。
私の落ち着いた様子を見て、みんなは仕事に戻っていった。
私とビオスさんは今日は仕事を休んでいいとの事で、この厨房で過ごす事になった。
「それでいつここから出ちゃうの?」
「四日後だな」
「四日!」
私はあまりの短さに声を上げた。
「ミラに話した日の前日に一週間後に出所だと言われたんだ」
「そっか、私あのままいじけてたら、ビオスさんにちゃんとお別れも出来なかったんだね」
そう考えるとこうして早めにお話し出来て本当によかったと思う。
「ああ、あいつらに感謝しなきゃな」
ビオスさんを見ると真剣な顔をしている。
本当にちゃんと話せてよかった……。
「それとさっきの話だけど、ミラが良ければ俺とここを出てもいいからな。前にもロイズ看守と一緒に外に出た事があっただろ?」
「うん、ありがとう。でも私、ジョンさん達を置いていけない」
「そうか」
ビオスさんは私の答えが分かっていたように頷いた。
それからビオスさんと色々な話をした。ほとんどは料理の話だ。
ビオスさんが今度働くかもしれない場所で困らないように、知っている知識を伝えた。
「本当にお前は凄いよ」
ビオスさんは私の話を聞いて感心している。
「ううん、凄いのはみんなだよ。私は知識あるけどそれを作れないもん」
ビオスさんは「ああ」と心底ガッカリしたように肩を落とした。
「ミラの下でもう少し料理の勉強をしたかったぜ」
「また会いにきてくれた時に色々教えるね!」
「ああ、絶対だ」
私とビオスさんは固く手を結んだ。
その後、ビオスさんが外に出た後の予定を話してくれる。
「とりあえずは五年、看守長の指定する場所で働くらしいが、まだ詳細を聞いてないんだよな」
「でも料理を作るところでしょ?」
「多分な」
また何か分かったら絶対に伝えると約束して、私はビオスさんと別れる前にたくさんお話をする事が出来た。
◇
その後はビオスさんの出所の準備が忙しく、なかなか会えない日が続いた。
私との事もあり、ほとんど準備をしていなかったので大変だったようだ。
そしてあっという間にビオスさんが出所する日が来てしまった。
「はぁ……」
私は今日が近づくにつれて憂鬱になっていた。
ちゃんとお別れする前に仲直り出来たが、やはり別れるのは寂しい。
しかも私の存在は看守には内緒だからちゃんと見送る事も出来ない。
ロイズさんの計らいで朝、出ていく前に食堂で少しだけ話す機会を作ってもらったのだ。
ジョンさんに連れられ食堂へと向かう。
カートの中にいながらため息を止められずにいた。
「はぁ」
「ミラ、大丈夫か?」
ジョンさんが心配して声をかけてきた。
「う、うん大丈夫! ちゃんとお別れしないとね」
私は自分に言い聞かせるように答えた。
「もう着くぞ」
そう言われて口を閉じると、食堂に着いた。カートから出るとビオスさんが待っている。
いつもの白いエプロンはつけておらず、ジャケットのようなものを羽織り、大きな鞄を持っていた。
いつもと違う雰囲気に、本当に最後なんだと思い知らされる。
「ビオスさん……」
言葉を詰まらせてしまうと、ビオスさんの顔も曇ってしまった。
私は慌てて声をかける。
「ビオスさんかっこいい! コック服もかっこいいけど、その姿も素敵でびっくりしちゃった」
私の明るい声にみんながホッとする感じがした。ビオスさんも少し寂しそうに笑うと「そうだろ!」とおどけている。
「そろそろ時間だ」
すると外で待機してくれているロイズさんから声がかかる。
「ミラ、最後に抱っこさせてくれ」
ビオスさんは荷物を置くと私の前で両手を広げる。私はギュッと抱きしめた。
「ビオスさん、元気でね。私の事忘れないでね」
「当たり前だろ! ミラこそ俺の事忘れるなよ」
「うん!」
私は精一杯の笑顔を見せて頷いた。
その後すぐにロイズさんから声がかかりビオスさんは連れられて出ていった。
「バイバイ! またねー」
私は笑ってビオスさんを送り出した。
そして扉が閉まると振っていた手をソッと下ろす。
「うっうっ……」
ビオスさんが見えなくなった途端に涙が溢れた。
「ミラ、頑張ったな」
ジョンさんがよくやったと頭をガシガシと撫で回す。
「さみしーよー」
私はジョンさんに抱きつくと、その日は泣いて過ごす事になった。
三 新たな挑戦
俺――ビオスはミラと笑顔で別れるとロイズ看守に連れられて収容所の出口へと向かおうとした。
すると後ろから微かにミラの泣き声が聞こえ、俺は思わず振り返る。
「凄い子だな、最後まで笑顔で見送って」
ロイズ看守が立ち止まり俺が歩き出すのを待ってくれていた。俺は頷き返す事しか出来ない。
何か言葉を発したら涙が溢れだしそうだった。
その後少し落ち着くと歩きだし、囚人達の棟を移動しているとみんなが声をかけてくる。
俺は適当に手をあげて応えながら通りすぎていった。
そして製菓部の囚人、トールの牢屋の前を通る時、目配せをして一言告げる。
「頼むぞ」
「はい!」
トールは分かっているとばかりに頷くと、深々と頭を下げてきた。
俺はここの事はトールに任せてきたのだ。あいつならミラとも上手くやっていけるだろうし、料理に関しても信頼している。
きっと良くなったこの収容所を変えずに維持してくれるだろう。
囚人達の場所を過ぎると、ここに収容された時に入った部屋へと通される。
そこではケイジ看守長が待っていた。
俺が頭を下げると声をかけてくる。
「ビオス、あなたの次の仕事場の事が書いてあります。とりあえずはロイズ看守に身元引受人のところまで案内してもらいなさい」
「はい」
俺は書類を受け取った。
「ビオス、お疲れ様でした。今日をもってあなたの出所を許します」
「お世話になりました」
俺が再度頭を下げると、門番が重々しい収容所の扉を開いた。
収容所にも庭があったので、これまでも外には出ていたが、塀に囲まれていない外の景色に感動する。
俺は一歩外に出るとクルッと振り返り収容所を見上げた。高い塀に囲まれた要塞のような建物にも軽く頭を下げる。
そして、外に用意させていた馬車に乗り込むと、馬車が走り出した。
窓から見える収容所では、もうあの重い扉が閉められている。
収容所が離れていく景色を見て、俺は外に出た事をじわじわと実感してきた。
そのまましばらく馬車に揺られていると、ロイズ看守が声をかけてくる。
「ビオス、改めておめでとう。色々と心配な事があると思うが、俺が力になるから頼ってくれよ」
ロイズ看守の力強い言葉にありがたく頷く。
「よろしくお願いいたします」
「それで早速だが、これから会う身元引受人について説明しよう」
ロイズ看守はそう言って、書類を渡してくる。
そこには俺の情報や収容所での評価などが書かれており、最後に身元引受人の名前が明記されていた。
その名前を見て俺は驚いた。
「え⁉」
思わず声が出てしまうが、ロイズ看守を見ると頷くだけだった。
そのまま長い間馬車に揺られ、目的の屋敷へと到着した。俺は屋敷を見上げ、思わず感動する。
そんな俺を見ながらロイズ看守はニコニコと笑っていた。すると屋敷の方から声が聞こえる。
「早い到着だね」
門番が柵を開けると、品のいい紳士が数人の使用人と共に屋敷から出てきた。
「イーサン様、この度はお世話になります」
ロイズ看守が頭を下げると軽く挨拶を交わす。
そう、俺の身元引受人は製菓部のケーキを販売している店のオーナーの、イーサン様だったのだ。
「長い間お疲れ様でした。今日からよろしくお願いしますよ」
「は、はい」
俺は歯切れ悪く返事をする。
その様子にイーサン様が首を傾げた。
「何か不備がありましたか?」
「い、いえ! ただなぜ俺を引き受けてくれたのかが気になって……」
「うちの店は今、評判が良く、売り上げも上がってます。そのケーキを作ってくれていたあなた達を助けるのは当然だと思いますが? それに腕のいい職人は大歓迎ですからね」
イーサン様の言葉には嫌味などは感じられなかった。
俺は収容所から預かっていた書類を、イーサン様の隣に立つ秘書らしき男に渡した。
サッとそれを確認してイーサン様に耳打ちする。
「ここではなんですからとりあえず中に入りなさい。詳しい話は中でしましょう」
俺は頷くとイーサン様に続く。するとロイズ看守が声をかけてきた。
「では私はここで失礼します」
「中へは寄っていかれませんか?」
イーサン様が言うとロイズ看守は、笑顔で首を振った。
「いえ、外で暮らす家族に会ってから仕事に戻ります。あっそうだ、これを!」
ロイズ看守は馬車に戻ると荷物を持ってきた。
「今度出す新作のドーナツです。試食の方をよろしくお願いいたします」
ロイズ看守が製菓部から預かってきたドーナツの箱をイーサン様に渡した。
「わぁ!」
すると後ろにいたメイド達から歓喜の声が上がり、秘書が小さくたしなめた。
「ありがとうございます。屋敷のみんなも楽しみにしていたんですよ」
喜んでいる彼らの顔を見て、自分の事のように誇らしくなる。
その後ロイズ看守を見送ると、屋敷の中へと案内された。
秘書らしき男はイーサン様の秘書兼執事で、何かあれば彼に聞くようにと言われた。
「クロードと申します」
彼は少し冷たい感じがしたが、元犯罪者の俺にも態度を崩す事なく接してくれた。真面目な男なのだろう。
クロードさんに連れられ部屋へと案内される。
「この部屋をお使いください、奥は私の部屋になっております。何か足りない物などあればおっしゃってください」
俺は頷いて部屋へと入る。
牢屋とは比べ物にならないほど綺麗で、一人で使うには十分な広さだ。家具なども一通り備えつけられていて文句などなかった。
部屋にとりあえず持ってきた荷物を置くと、イーサン様の部屋へと案内される。
「ここがイーサン様の仕事部屋です」
俺の部屋とは違う重厚な造りの扉を開き部屋へと入った。
すると中から嗅いだ事のある甘い匂いがする。イーサン様が早速新作のドーナツを食べていた。
「うん、美味しいですね。それに食べやすい」
パクパクと一口サイズのドーナツを口に運んでいる。
その度に後ろに控えているメイドが心配そうに顔を曇らせていた。
一通り味見をすると手を止めて俺の方に目を向ける。
「あなたもこれを作れますか?」
「は、はい。収容所では一応料理人達をまとめておりましたので、作ったものは全てチェックしていました。新作のデザートを作る時も立ち会っていたので、一通りは作れます」
「わぁ!」
「やった!」
するとメイド達が喜びの声を上げる。
「ほら、あなた達は仕事に戻りなさい。残りのドーナツは食べていいですよ」
「はい!」
メイド達はドーナツを受け取るとパタパタと部屋を出ていった。
「はぁ」
クロードさんはそんなメイド達の態度にため息を漏らす。
「まぁまぁ」
しかしイーサン様は気にした様子もなく笑っていた。そんな彼の様子に俺は本当に驚いてしまった。
権力者というのは人を見下し、偉そうな態度を取るのが当たり前と思っていたが、彼はそうではないようだ。
ほんの少し話しただけだが、俺は彼をかなり気に入っていた。
「それではビオスにはこの屋敷でしばらく料理を作ってもらいます。それに慣れてきたら仕事場を紹介しますので頑張ってください」
「はい! イーサン様のために美味しい料理を作ってみせます!」
俺はドンッ! と胸を叩いた。
ミラがビオスと話すという事は、囚人達の間にあっという間に広まった。
俺はいつものようにミラをカートに入れると、食堂に向かった。
いつもなら話しかけてくる囚人達も、今日は声をかけないでいる。
食堂では調理部の奴らに加えて、製菓部の奴らも落ち着かない様子で待っていた。
少し元気がないビオスが扉を開けると、そこにカートを運び入れる。
「じゃ、よろしく」
俺はビオスにカートを預けると厨房を出ていった。
◇
ジョンさんの声がして少しすると、トントンとカートを叩かれる。
「ミラ、いいぞ」
するといつもより元気のなさそうなビオスさんが声をかけてきた。
「うん」
私はソッと箱を開けるとカートからゆっくりと出た。
私は酷い別れ方をした手前、顔を見られずに俯いてしまう。
「ミラ、飯食ったか?」
「え?」
しかしビオスさんは、私が酷い態度を取った事など忘れているかのように普通に話しかけてきた。
「飯食ったか? なんか痩せたぞ」
あんな事なかったかのような態度に私も思わず答えてしまった。
「食べてない」
そう口にした途端お腹が「グー」と鳴った。
「飯作るぞ、手伝ってくれ」
そう言うとエプロンをつけて野菜を刻みだした。
「ミラは煮込みながら灰汁を取ってくれ」
「う、うん」
お鍋に水を入れて火にかけると、台に私を乗せてくれた。
その後は二人で真剣に料理をする。
なんか料理をするのが久しぶりな気がして少し楽しい。今は嫌な事も忘れられた。
「スープを仕上げてくれ、俺はパンを焼く」
「うん、味つけは?」
「任せる」
「はい!」
いつものように声をかけ合いながら仕上げていくと、あっという間に料理が完成した。
出来上がったのは、コーンスープにふわふわのパンだ。
すると、とある事に気がつき、咄嗟にビオスさんを見つめる。
ビオスさんは優しい顔で私を見つめ返してきた。
「初めてミラと作った料理だな」
その言葉に、ビオスさんとの思い出が蘇ってきて、また寂しい気持ちになってしまった。
「ビオスさん、私」
「おっと話の前に腹ごしらえだ。俺は腹減ってんだ」
ビオスさんがお腹をさする。
「私も」
私達は二人きりで食事を取った。
久しぶりのご飯は美味しかった。あの時より食材も良くなってるし、手順も洗練されたはずなのに、どこか懐かしい味がした。
「美味しい……」
「美味いな!」
私がボソッと呟くと、ビオスさんがニカッと笑い答える。
そしてそのまま食べ終えると、私はスプーンを置いた。
「ビオスさん、この前はごめんね」
「いや、俺の方こそミラの気持ちを考えずに言って悪かった。それで俺も考えたんだが、看守長に言って刑期を元に戻してもらおうと思ってる」
「え⁉」
私は驚いてビオスさんを見つめる。
「本当ならもっと先の出所だったんだ。だから気にするな」
ビオスさんはなんでもない様子でそう言った。
でも、私は色々考えたあと、ゆっくりと首を振った。
「ううん、やっぱりビオスさんはちゃんと自由になって。本当は悲しいし寂しいし、ずっと傍にいてほしいけどビオスさんの自由を奪う事をしたら私、一生後悔する」
「ミラ……」
ビオスさんが寂しそうな顔をする。
「でも一つお願い聞いてくれる?」
ビオスさんが「なんだ?」と聞いた。
「また、会いたい! 会いにきて!」
私のお願いにビオスさんは泣きそうな顔で頷く。
「ああ! もちろんだ。絶対に会いにくる! なんたって俺は自由なんだ、ミラに会いにくるのだって自由だ!」
約束だよとビオスさんと小指を絡めた。
すると、その直後に扉がノックされた。私達はビクッと構える。
でも「いいですか?」というローガンさんの声が聞こえ、胸を撫で下ろす。
ビオスさんがドアを開けると、そこにはジョンさんとメイソンさんとハーパーもいた。
「その顔は……どうにか仲直り出来たんですかね?」
ローガンさんの問いに私が頷くと、ホッとした顔を見せた。
「どういう話で落ち着きましたか?」
ビオスさんがさっきの話を伝えると、ジョンさんが私の頭に手を置いた。
「本当にいいのか? ビオスに罪を着せてここに残すのなんてわけないぞ?」
ジョンさんが冗談っぽく物騒な事を言ってくる。
「大丈夫。それにビオスさん会いにきてくれるって約束したもん」
「確かに、その手がありましたね」
すると、ローガンさんも確かにと頷く。
「なんならビオスと一緒にミラが外に出てもいいんじゃない?」
ハーパーがしれっと言うとみんなが無言になった。
「それって俺達がミラに会えなくなるって事か?」
ジョンさんが恐る恐る確認する。
「まぁそうだな。俺はそれでもいいぞ」
ビオスさんがいいなと笑うと、ジョンさんが慌てた様子で私を抱き上げた。
「ミ、ミラ⁉ お前外に行きたいのか?」
不安そうな顔で聞いてきたので、私はジョンさんの首に手を回して抱きついた。
「ううん、私はやっぱりここにいたい。ビオスさんも好きだけど今はまだここがいい」
そう言ってジョンさんの胸に頭をピッタリとつけた。するとジョンさんが離さないと言うようにしっかり抱きしめてくれる。
ここが私の安心する場所だ。
「なんか妬けるなー」
ハーパーが後ろからからかうように声をかけてくる。
「ハーパーうるさい!」
私はいつものようにハーパーに「べー!」と舌を出した。
「ミラ、ジョンだけでいいんですか? 私の所でもいいんですよ」
「私でもな」
ローガンさんとメイソンさんがおいでと手を広げる。
私は笑顔で二人にも抱きついた。
「えー? じゃあ僕は?」
ハーパーが笑って両手を差し出す。
私は仕方ないとハーパーにも抱きつくと耳元で囁いた。
「ハーパーありがとう。私、後悔しないですんだ」
ハーパーは優しく微笑むと、ギュッと抱きしめてくれた。
私の落ち着いた様子を見て、みんなは仕事に戻っていった。
私とビオスさんは今日は仕事を休んでいいとの事で、この厨房で過ごす事になった。
「それでいつここから出ちゃうの?」
「四日後だな」
「四日!」
私はあまりの短さに声を上げた。
「ミラに話した日の前日に一週間後に出所だと言われたんだ」
「そっか、私あのままいじけてたら、ビオスさんにちゃんとお別れも出来なかったんだね」
そう考えるとこうして早めにお話し出来て本当によかったと思う。
「ああ、あいつらに感謝しなきゃな」
ビオスさんを見ると真剣な顔をしている。
本当にちゃんと話せてよかった……。
「それとさっきの話だけど、ミラが良ければ俺とここを出てもいいからな。前にもロイズ看守と一緒に外に出た事があっただろ?」
「うん、ありがとう。でも私、ジョンさん達を置いていけない」
「そうか」
ビオスさんは私の答えが分かっていたように頷いた。
それからビオスさんと色々な話をした。ほとんどは料理の話だ。
ビオスさんが今度働くかもしれない場所で困らないように、知っている知識を伝えた。
「本当にお前は凄いよ」
ビオスさんは私の話を聞いて感心している。
「ううん、凄いのはみんなだよ。私は知識あるけどそれを作れないもん」
ビオスさんは「ああ」と心底ガッカリしたように肩を落とした。
「ミラの下でもう少し料理の勉強をしたかったぜ」
「また会いにきてくれた時に色々教えるね!」
「ああ、絶対だ」
私とビオスさんは固く手を結んだ。
その後、ビオスさんが外に出た後の予定を話してくれる。
「とりあえずは五年、看守長の指定する場所で働くらしいが、まだ詳細を聞いてないんだよな」
「でも料理を作るところでしょ?」
「多分な」
また何か分かったら絶対に伝えると約束して、私はビオスさんと別れる前にたくさんお話をする事が出来た。
◇
その後はビオスさんの出所の準備が忙しく、なかなか会えない日が続いた。
私との事もあり、ほとんど準備をしていなかったので大変だったようだ。
そしてあっという間にビオスさんが出所する日が来てしまった。
「はぁ……」
私は今日が近づくにつれて憂鬱になっていた。
ちゃんとお別れする前に仲直り出来たが、やはり別れるのは寂しい。
しかも私の存在は看守には内緒だからちゃんと見送る事も出来ない。
ロイズさんの計らいで朝、出ていく前に食堂で少しだけ話す機会を作ってもらったのだ。
ジョンさんに連れられ食堂へと向かう。
カートの中にいながらため息を止められずにいた。
「はぁ」
「ミラ、大丈夫か?」
ジョンさんが心配して声をかけてきた。
「う、うん大丈夫! ちゃんとお別れしないとね」
私は自分に言い聞かせるように答えた。
「もう着くぞ」
そう言われて口を閉じると、食堂に着いた。カートから出るとビオスさんが待っている。
いつもの白いエプロンはつけておらず、ジャケットのようなものを羽織り、大きな鞄を持っていた。
いつもと違う雰囲気に、本当に最後なんだと思い知らされる。
「ビオスさん……」
言葉を詰まらせてしまうと、ビオスさんの顔も曇ってしまった。
私は慌てて声をかける。
「ビオスさんかっこいい! コック服もかっこいいけど、その姿も素敵でびっくりしちゃった」
私の明るい声にみんながホッとする感じがした。ビオスさんも少し寂しそうに笑うと「そうだろ!」とおどけている。
「そろそろ時間だ」
すると外で待機してくれているロイズさんから声がかかる。
「ミラ、最後に抱っこさせてくれ」
ビオスさんは荷物を置くと私の前で両手を広げる。私はギュッと抱きしめた。
「ビオスさん、元気でね。私の事忘れないでね」
「当たり前だろ! ミラこそ俺の事忘れるなよ」
「うん!」
私は精一杯の笑顔を見せて頷いた。
その後すぐにロイズさんから声がかかりビオスさんは連れられて出ていった。
「バイバイ! またねー」
私は笑ってビオスさんを送り出した。
そして扉が閉まると振っていた手をソッと下ろす。
「うっうっ……」
ビオスさんが見えなくなった途端に涙が溢れた。
「ミラ、頑張ったな」
ジョンさんがよくやったと頭をガシガシと撫で回す。
「さみしーよー」
私はジョンさんに抱きつくと、その日は泣いて過ごす事になった。
三 新たな挑戦
俺――ビオスはミラと笑顔で別れるとロイズ看守に連れられて収容所の出口へと向かおうとした。
すると後ろから微かにミラの泣き声が聞こえ、俺は思わず振り返る。
「凄い子だな、最後まで笑顔で見送って」
ロイズ看守が立ち止まり俺が歩き出すのを待ってくれていた。俺は頷き返す事しか出来ない。
何か言葉を発したら涙が溢れだしそうだった。
その後少し落ち着くと歩きだし、囚人達の棟を移動しているとみんなが声をかけてくる。
俺は適当に手をあげて応えながら通りすぎていった。
そして製菓部の囚人、トールの牢屋の前を通る時、目配せをして一言告げる。
「頼むぞ」
「はい!」
トールは分かっているとばかりに頷くと、深々と頭を下げてきた。
俺はここの事はトールに任せてきたのだ。あいつならミラとも上手くやっていけるだろうし、料理に関しても信頼している。
きっと良くなったこの収容所を変えずに維持してくれるだろう。
囚人達の場所を過ぎると、ここに収容された時に入った部屋へと通される。
そこではケイジ看守長が待っていた。
俺が頭を下げると声をかけてくる。
「ビオス、あなたの次の仕事場の事が書いてあります。とりあえずはロイズ看守に身元引受人のところまで案内してもらいなさい」
「はい」
俺は書類を受け取った。
「ビオス、お疲れ様でした。今日をもってあなたの出所を許します」
「お世話になりました」
俺が再度頭を下げると、門番が重々しい収容所の扉を開いた。
収容所にも庭があったので、これまでも外には出ていたが、塀に囲まれていない外の景色に感動する。
俺は一歩外に出るとクルッと振り返り収容所を見上げた。高い塀に囲まれた要塞のような建物にも軽く頭を下げる。
そして、外に用意させていた馬車に乗り込むと、馬車が走り出した。
窓から見える収容所では、もうあの重い扉が閉められている。
収容所が離れていく景色を見て、俺は外に出た事をじわじわと実感してきた。
そのまましばらく馬車に揺られていると、ロイズ看守が声をかけてくる。
「ビオス、改めておめでとう。色々と心配な事があると思うが、俺が力になるから頼ってくれよ」
ロイズ看守の力強い言葉にありがたく頷く。
「よろしくお願いいたします」
「それで早速だが、これから会う身元引受人について説明しよう」
ロイズ看守はそう言って、書類を渡してくる。
そこには俺の情報や収容所での評価などが書かれており、最後に身元引受人の名前が明記されていた。
その名前を見て俺は驚いた。
「え⁉」
思わず声が出てしまうが、ロイズ看守を見ると頷くだけだった。
そのまま長い間馬車に揺られ、目的の屋敷へと到着した。俺は屋敷を見上げ、思わず感動する。
そんな俺を見ながらロイズ看守はニコニコと笑っていた。すると屋敷の方から声が聞こえる。
「早い到着だね」
門番が柵を開けると、品のいい紳士が数人の使用人と共に屋敷から出てきた。
「イーサン様、この度はお世話になります」
ロイズ看守が頭を下げると軽く挨拶を交わす。
そう、俺の身元引受人は製菓部のケーキを販売している店のオーナーの、イーサン様だったのだ。
「長い間お疲れ様でした。今日からよろしくお願いしますよ」
「は、はい」
俺は歯切れ悪く返事をする。
その様子にイーサン様が首を傾げた。
「何か不備がありましたか?」
「い、いえ! ただなぜ俺を引き受けてくれたのかが気になって……」
「うちの店は今、評判が良く、売り上げも上がってます。そのケーキを作ってくれていたあなた達を助けるのは当然だと思いますが? それに腕のいい職人は大歓迎ですからね」
イーサン様の言葉には嫌味などは感じられなかった。
俺は収容所から預かっていた書類を、イーサン様の隣に立つ秘書らしき男に渡した。
サッとそれを確認してイーサン様に耳打ちする。
「ここではなんですからとりあえず中に入りなさい。詳しい話は中でしましょう」
俺は頷くとイーサン様に続く。するとロイズ看守が声をかけてきた。
「では私はここで失礼します」
「中へは寄っていかれませんか?」
イーサン様が言うとロイズ看守は、笑顔で首を振った。
「いえ、外で暮らす家族に会ってから仕事に戻ります。あっそうだ、これを!」
ロイズ看守は馬車に戻ると荷物を持ってきた。
「今度出す新作のドーナツです。試食の方をよろしくお願いいたします」
ロイズ看守が製菓部から預かってきたドーナツの箱をイーサン様に渡した。
「わぁ!」
すると後ろにいたメイド達から歓喜の声が上がり、秘書が小さくたしなめた。
「ありがとうございます。屋敷のみんなも楽しみにしていたんですよ」
喜んでいる彼らの顔を見て、自分の事のように誇らしくなる。
その後ロイズ看守を見送ると、屋敷の中へと案内された。
秘書らしき男はイーサン様の秘書兼執事で、何かあれば彼に聞くようにと言われた。
「クロードと申します」
彼は少し冷たい感じがしたが、元犯罪者の俺にも態度を崩す事なく接してくれた。真面目な男なのだろう。
クロードさんに連れられ部屋へと案内される。
「この部屋をお使いください、奥は私の部屋になっております。何か足りない物などあればおっしゃってください」
俺は頷いて部屋へと入る。
牢屋とは比べ物にならないほど綺麗で、一人で使うには十分な広さだ。家具なども一通り備えつけられていて文句などなかった。
部屋にとりあえず持ってきた荷物を置くと、イーサン様の部屋へと案内される。
「ここがイーサン様の仕事部屋です」
俺の部屋とは違う重厚な造りの扉を開き部屋へと入った。
すると中から嗅いだ事のある甘い匂いがする。イーサン様が早速新作のドーナツを食べていた。
「うん、美味しいですね。それに食べやすい」
パクパクと一口サイズのドーナツを口に運んでいる。
その度に後ろに控えているメイドが心配そうに顔を曇らせていた。
一通り味見をすると手を止めて俺の方に目を向ける。
「あなたもこれを作れますか?」
「は、はい。収容所では一応料理人達をまとめておりましたので、作ったものは全てチェックしていました。新作のデザートを作る時も立ち会っていたので、一通りは作れます」
「わぁ!」
「やった!」
するとメイド達が喜びの声を上げる。
「ほら、あなた達は仕事に戻りなさい。残りのドーナツは食べていいですよ」
「はい!」
メイド達はドーナツを受け取るとパタパタと部屋を出ていった。
「はぁ」
クロードさんはそんなメイド達の態度にため息を漏らす。
「まぁまぁ」
しかしイーサン様は気にした様子もなく笑っていた。そんな彼の様子に俺は本当に驚いてしまった。
権力者というのは人を見下し、偉そうな態度を取るのが当たり前と思っていたが、彼はそうではないようだ。
ほんの少し話しただけだが、俺は彼をかなり気に入っていた。
「それではビオスにはこの屋敷でしばらく料理を作ってもらいます。それに慣れてきたら仕事場を紹介しますので頑張ってください」
「はい! イーサン様のために美味しい料理を作ってみせます!」
俺はドンッ! と胸を叩いた。
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