貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

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166.計画

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ひと運動終えてボストン大臣の腕枕でマデリンはまったりとしていると…

「全く気にくわん!」

ボストンがジュリアと同じような事を言う…

「あなたまでどうしたの?」

マデリンがボストンの顔を覗き込むと

「あの王子達だ!あんなに可愛いジュリアの何が気に食わんのだ!ダンスも上手い、知識もある!申し分ない令嬢だぞ」

ボストンがイライラしながら声を荒らげると…

「あの子なら大丈夫、次は上手くやるわ」

「そうでないと困る、あの子が王子の婚約者になれば…」

「私はレスターと別れてあなたの元へ…その為にあの男と結婚したんだから」

「全く馬鹿な男だ、ちょっと優しくされただけでコロッとお前の色香にやられて…自分の子供だと思っているジュリアも俺の子だとも知らずに…」

クックック…

ボストンが可笑しそうに笑う。

「ちょっと、どこで誰が聞いてるかわからないわ!」

マデリンがボストンの口元を押さえると…ペロン!

マデリンの手を舐める。

「やだ!」

マデリンが手を離すと…

「ジュリアは俺にそっくりだ…あの子にはこの国の王の隣に立つ。そしてそれを後ろで操るのはこの俺だ…」

「ふふ、その隣には私ね」

「ああ」

ボストンはマデリンを抱き寄せると…不敵に笑う口を貪るように食らいついた。




トントン…

「はい、どなたでしょうか?」

扉を叩く音にメイドが声をかけると…

「私だ、レスターだ。マデリンとジュリアはいるか?」

「は、はい!旦那様少々お待ち下さい」

メイドが慌てて従者を呼びに行くと…

「レスター様お待たせ致しました…すみませんがマデリン様もお嬢様もお疲れの様子でもうお休みに…」

「そうか…では寝顔だけでも」

レスターがジュリアの部屋に入ろうとすると…

「旦那様…お嬢様ももう立派なレディです。寝ている部屋に無断で入るのは…」

従者が止めようとすると…

「うーんうるさいわね…なんなの」

ジュリアがちょうど部屋から出てきた。

従者は顔を顰めると…

「お嬢様、旦那様がおいでです」

「えっお父様?」

見ると従者の後ろに立っているレスターに気がついた。

「ジュリア…疲れてるところ悪いね。少し話がしたくて…」

レスターが優しく語りかけると

「話?なんですの?」

迷惑そうに顔を顰める…

「では旦那様…あちらにお茶をご用意致しますので…」

従者が椅子を指し示すと

「いや、大丈夫。それより二人で話したい、君達は席を外してくれ」

「えっ…」

従者とメイドが困惑すると…

「主人の言うことが聞こえないかい?」

レスターは穏やかに言いながらもじっと従者を見つめる…

従者は冷や汗をかくと…

「申し訳ございません…」

頭を下げて部屋を出ていった。
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