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167.親

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ジュリアは父親のレスターと二人きりになり居心地悪そうにソファーに座っていると、レスターがお茶をいれて持ってきた。

「お父様がいれたの?」

驚き顔を見ると優しそうに笑いながら

「たまにはね…ジュリアが生まれてからも何度か入れたりしたんだよ」

「そう…知らなかったわ」

ジュリアはお茶を受け取るとコクっと少し飲む

「美味しい…」

ほっとする優しい味がした…

「そうかい?もらった茶葉なんだけどよかった」

レスターが笑うと

「…それで?話ってなんですか?」

ジュリアがつっけんどんに話しをふると

「ジュリア…お前最近何か私に言えない事でもしてないかい?」

「はっ?」

いきなりなんだとジュリアは父親を睨むと、レスターは真剣な顔で自分を見つめていた。

何を今更…

「別に!私が何をしてても構わないでしょ!どうせお父様は私になんか興味ないでしょ!」

ふんっと横を向くと

「そんなことはない…お前が生まれてから一度だってお前の事を考えなかったことはない…」

「嘘!だって全然家にだって帰ってこないし!私知ってるんだから、お母様からなんでも聞いてるのよ!」

「何を聞いてる…」

レスターが顔を強ばらせる…ジュリアは一瞬ビクッとすると…

「私達の事を愛してないから帰ってこないんだって!今更父親面しないでちょうだい!」

ジュリアが持っていたコップを投げつけると…

「マデリンがそんなことを…?」

レスターの顔が変わる…

「何を聞いたか知らないが何時だって僕は君の元に帰っていたよ…寝ているから、居ないから…疲れてるからと中々合わせて貰えなかったけどね」

寂しそうに笑うと

「嘘よ!」

ジュリアがキッと睨みつける!

「どうか忘れないで欲しい…君がどんな事をしても…私と繋がりが無いとしても…ジュリアは僕の娘だって…」

レスターが手を差し出すと

バシッ!

ジュリアは差し出されその手を叩く!

「何を今更!もう出てって!」

ジュリアは父親を睨みつけると自分の部屋へと駆け込む!

扉を閉めるとガチャと鍵をかけた。

レスターは扉に前に立つと…

「最後に、これだけ…もし今良くないことをしているのならすぐにでも止めるんだ。今なら…」

「うるさい!そんなことしてない!早くどっか行って!」

聞く耳を持たないジュリアにレスターは一言…

「愛しているよ…」

そう言うと扉を離れた。

「気持ち悪い…」

ジュリアは全身に鳥肌が立つ!

「帰ってきたらお母様になんて言おう…まぁ黙ってればバレないかな」

ジュリアは嫌なことを忘れようとすぐにベッドに潜り込んだ。

レスターはジュリアの部屋から遠ざかると…

トントン…

部屋をノックする音にそらちを見ると…

「なんだ…」

声をかける。

「失礼致します…何かありましたでしょうか?お嬢様の声が致しましたので…」

執事が心配そうに声をかけると…

「なんでもない…私は自分の部屋へ戻るが今夜の事はマデリンには内密に…」

「で、ですが…」

執事が何か言おうとすると…

「彼女だって私に言えない事をしているだろ…」

レスターはじっと執事を見つめていた…
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