貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

文字の大きさ
129 / 318
連載

188.話

「しかし、ローズよくビルがカイルの兄だとわかったな。二人とも似てないのに」

ロイが聞く、見たところカイルとビルは顔立ちはいいが髪の色も違えば纏う雰囲気も違う。

カイルは紺色の髪に張り詰めた氷の様な表情だが、ビルは対照的にニコニコと柔らかい雰囲気で髪も明るい金色だった。

「そうだね、私達はあまり兄弟に見られないんだけどね」

ビルが笑うと

「でもその普通に笑った顔がそっくりです
それに匂いも…」

「笑う?カイルが笑った?しかも君に笑いかけたの?」

ビルは驚きのあまり口調が崩れると

「え?ええ…カイル様ってよく笑いますよね?」

ローズは質問の意味がわからずにロイをみると

「まぁ確かに笑うな」

ロイが頷くと

「そりゃロイや俺達の前じゃ笑うけど、女の前だぞ?あいつが女の前で笑うなんて何年ぶりだよ!しかも普通に笑うってなんだ?匂い?ロイ…この子大丈夫か?」

完全に口調が崩れるとビルが疑いの眼差しでローズを見つめた。

「何者…えっとタウンゼント男爵家の長女です…」

「タウンゼント男爵…あれ…なんか聞いた事あるな…」

ビルが思案していると

「いいからビルは仕事してくれよ!俺はローズと出かけないと行けないんだから、喋りたいなら後でにしてくれ」

ロイがビルをローズから遠ざけると

「はい、はい。じゃあごゆっくり…私は会話が聞こえないところで君達を警護してるからね…ただししっかりと見てるからね」

ビルはチラッとローズに視線を送るとヒラヒラと手を振って二人から離れて行った。

「なんか兄弟でもあんまり似てませんね」

ローズが可笑しそうに笑うと

「まぁな、カイルの女性嫌いが酷くなってからビルが近づいてくる女性を相手にしてあしらってくれるようになって…今では本心なんだか演技なんだか…」

ロイが肩をあげると

「優しいお兄様なんですね」

ローズが微笑む。

「ああ、カイルもビルの事を尊敬し信頼してるよ。だから今回の警護を頼んだみたいだしな」

「それにロイ王子の事もとても心配なさってるようですね」

「俺?」

ロイが驚くと

「はい、とっても心配して用心している雰囲気が伝わってきます。きっと変な人が近づかないように常に見守ってくれていたんでしょうね」

「う、うんまぁ…ね、それよりこれからどうする?ローズはどこか行きたいところはあるのかい?」

気まずそうに答えるロイにローズは苦笑する


ロイの問いかけに行かないところと考えると…

「ロイ王子は何処か行きたいところはないのですか?」

「俺か?俺はどこでもいいよローズがいれば…」

ローズの手をつかもうとすると…

「そうですね…私は庭園でのんびりとお茶でも飲みながらゆっくりしたいです」

ローズの腕が顎に来るとロイの手が空をつかむ…残念に手を見つめると…ローズの提案に顔を顰め

「そんなのいつでも出来るじゃないか…もっと行きたいところがあるだろ?街の服屋でも宝石店でも…ローズならケーキ屋がいいかな?」

ロイが提案するがローズはゆっくりと首を振る。

「いいえ、今日はゆっくりしましょう。それに…ロイ王子には色々と話したい事もありますし…」

ローズは伺うように上目遣いでロイを見上げた。


感想 1,399

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました